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大手メーカーが殺到する、オムロンの「部屋」

工場自動化で「レッドオーシャン」の勝機うかがう

2018年8月20日(月)

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人手不足を背景に工場の自動化が進む中、オムロンが営業改革を進めている。キーワードは「高度10m以下」。現場に徹底的にこだわり新たな価値を生み出す考えだ。電機・ITの巨人が勝機をうかがう「レッドオーシャン」で勝ち残れるか。

(日経ビジネス2018年6月4日号より転載)

 琵琶湖の南東に位置するオムロンの草津事業所(滋賀県草津市)。同社の国内最大の製造拠点に、大手メーカーが殺到する「部屋」がある。自動車や車載部品、半導体、食品など業種は幅広く、現在は「3カ月待ち」という盛況ぶりだ。

 高速で動かしても容器内の水がこぼれ落ちない搬送装置、電極用フィルムの高速巻き取り機、小型ロボットが異なる工程間の搬送を担う無人製造ライン(上の写真)──。3カ月待ちという部屋に足を踏み入れると、10台以上の製造装置がズラリと並ぶ。

 実はここ、センサーやロボットなど工場自動化に欠かせない制御機器を手掛けるオムロンの、新たな営業戦略を象徴する拠点だ。

 商談は即断即決が当たり前になりつつある時代なのに、「営業拠点で3カ月待ちなんてあり得ない」と思う読者は多いだろう。だが、オムロンは決して「殿様商売」をしているわけではない。ではなぜ顧客が列をなすのか。

数十台のロボット導入を即決

オムロン草津事業所の「オートメーションセンタ」では小型ロボットを使った無人製造ラインのデモを披露している(写真=今 紀之)

 この部屋の正式名称は「オートメーションセンタ」。顧客企業が製造ラインで抱える課題を聞き出したうえで、その課題の「解決策」を実機のデモを通じて披露する場所である。

 「まさにこれだ! そのまま納入してほしい」。ある半導体メーカーは上の写真の搬送ロボットを見て、その場で数十台の導入を即決した。慢性的な人手不足に悩むメーカーにとって、複数の装置をまたいで確実に部品を運べる小型ロボットは垂涎の的。AI(人工知能)を搭載してロボット同士を認識し、人間の作業員を見事に避けて動き回る姿も新鮮だった。営業効果は絶大だ。

 こうしたデモを、オムロンは全て自前で作り上げる。制御機器はもちろん、製造装置や動作に必要なアプリケーションまで手掛けるのが売りだ。顧客獲得のためなら時間をかけることもいとわない。このメーカー向けには、「実際に動いている現場と効果を確かめたい」という要望に応えて半年かけて小規模な製造ラインを構築した。顧客をムダに待たせているわけではないのだ。

 草津事業所でオートメーションセンタが本格稼働したのは2014年。顧客企業に対し、機器導入時の時短効果やコスト削減を手に取るように説明できるとあって、各国の事業所が設置を要望。同様の拠点は、18年3月末時点で世界17カ所に拡大した。今では、「制御機器事業の新規商談の半数近くがオートメーションセンタ経由になった」と、全世界の拠点を統括する山﨑世喜オートメーションセンタ長は明かす。

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「大手メーカーが殺到する、オムロンの「部屋」」の著者

佐伯 真也

佐伯 真也(さえき・しんや)

日経ビジネス記者

家電メーカーで約4年間勤務後、2007年6月に日経BP社に入社。日経エレクトロニクス、日経ビジネス編集部を経て、15年4月から日本経済新聞社証券部へ出向。17年4月に日経ビジネス編集部に復帰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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