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「ローテク」極め、今治タオルを復活させた老舗

タオル国内最大手、藤高の挑戦

2018年8月16日(木)

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安価な中国製タオルの台頭で産業消滅の危機にひんした「今治タオル」を復活させた立役者。地道な技術革新に取り組み、価値を丁寧に伝えることで、新たな市場を切り開いた。

(日経ビジネス2018年6月11日号より転載)

タオル専用の「糸」まで独自開発
綿花の産地インドの紡績メーカーの協力を得て開発した「タオル専用の糸」を使い、柔らかく吸水・速乾性が高いタオルを実現。厳しい品質管理ノウハウに強みを持つ(写真=宮田 昌彦)

 「高品質なタオル」といえば、今治──。今では高級タオルの代名詞として広く知られる「今治タオル」ブランドを、先頭に立って作ってきたのが、タオル製造国内最大手の藤高(愛媛県今治市)だ。来年創業100年を迎える、産地で一番の老舗である。

 長年かけて培った技術力を武器に、柔らかな肌触りを保ちながら高い吸水性や速乾性を兼ね備えるなど、従来のタオル作りの常識を覆す新製品を次々に開発している。

 「速乾ペール」と呼ぶ商品は、一般的なタオルでは、洗濯後に室内に干した場合、冬場なら乾くまで6時間ほどかかるところ、半分強の3時間半で完全に乾く。綿のほかに乾きやすいポリエステルを40%使用するが、糸の作り方や織り方を工夫し、純綿のような柔らかい風合いを実現した。

「古くても、新しい」会社

DATA
藤高
1919年創業
本社 愛媛県今治市別宮町3-5-16
資本金 2000万円
社長 藤高 豊文
売上高 30億円
(2017年8月期)
従業員数 208人
事業内容 タオル製品の企画・製造・販売
新規顧客の開拓で低迷を打破
●藤高の売上高の推移

 機能だけでなく見た目にもこだわる。最高の「黒」を表現する──。薄型テレビのようなうたい文句の「BK100」という商品は、タオルでは難しかった「高級感のある黒色」を実現。それまでの黒いタオルは、どうしても色落ちや色あせが起きやすかった。

 そこで多くの染料を吸収する糸を新たに開発したほか、布地の織りの「密度」を高めて「パイル(タオル表面の糸)」を密集させることで、これまでは難しかった「深い黒」を実現した。

 染色や織り方の工夫はもちろんのこと、素材を一から見直し「タオル専用の糸」まで自社開発。“ローテク”で、進化の余地が少ないように見えるタオルだが、「老舗」の看板に安住せず、技術革新に挑んでいる。「技術で勝負することを忘れたら、生き残れない」(藤高豊文社長)という危機感があるからだ。

 戦後、いち早くタオルの量産体制を確立した今治は、1960年に日本最大のタオル産地になった。しかし、90年代に入ると雲行きは怪しくなる。安価な中国製のタオルが市場を席巻し始め、経営難に陥る企業が続出したのだ。

 藤高も例外ではなかった。90年ごろの約50億円をピークに、売上高はジリジリと低下。周囲では、打つ手がなく、倒産や廃業をするメーカーが相次いだ。

 反撃の狼煙が上がったのは2006年。今治タオル工業組合(旧四国タオル工業組合)の理事長に就任した藤高社長が、最後の生き残り策として「今治タオルのブランド化」に乗り出したのだ。

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「「ローテク」極め、今治タオルを復活させた老舗」の著者

吉岡 陽

吉岡 陽(よしおか・あきら)

日経ビジネス記者

2001年日経BP入社。日経ビジネス、日経エコロジー、日経トップリーダー、日経ビジネスアソシエを経て、現職。独自の強みを持つ中小ベンチャー企業や環境経営の取り組みなどを取材してきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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