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「ヴォーゲル声明」に逆襲託す韓国

米韓首脳会談が「外交戦第2ラウンド」に

2015年5月21日(木)

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コウモリの末路

でも「二股外交」は限界に達したと見るのが自然でしょう。

鈴置:確かにそうです。米中が対立を深める中で、双方の味方であるふりをする韓国は、誰からも信頼されなくなりました。典型的な「コウモリ外交」です。

 でも「二股の失敗」を指摘する以上、メディアは米中どちらに身を寄せるべきか、社論をはっきりさせねばなりません。これを避けたいこともあるのだと思います。

 メディアは今も、米中どちらが覇権を握るのか見極めてから立場を明らかにする――要は、勝ち馬に乗ろうとしているのです。

 もちろん、朴槿恵政権も同じ発想で外交政策を組み立てています。韓国は依然として、国を挙げて機会主義に邁進中なのです。

 それにメディアは、読者に語ってきた「米中両大国を操る夢」をいまさら引っ込められないのでしょう。この共同幻想を作りあげてきたのはメディアですから。

 なお、趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムなど、親米保守のネットメディアは「そもそも二股外交が無理筋だった」と批判します。が、メディア全体から見れば、少数派に留まっています。

左派は「孤立」を利用

では、国民は「米中を操る夢」を未だに見ているのですか。

鈴置:国民の方がメディアや政権より、冷静かもしれません。夢から醒めた人も多いようです。中には初めから「夢だ」と思いながら、夢見ていた人もいると思われます。

 交流ソフト(SNS)や韓国紙の電子版への読者の書き込みを見ると「外交的な孤立」に対し、4つの解決策が語られています。

 まず、米国側への復帰、です。日本が米国にぐんと接近した。だから慰安婦問題でも韓国は言い分を聞いてもらえなかったのだ。だったら日本に負けないよう米国との同盟強化に動くべきだ、との考え方です。

 次が、中国側に走る、です。慰安婦問題で米国は韓国の肩を持ってくれなかった。それなら、一緒になって日本を非難してくれる中国との関係を強めよう、との発想です。

 米国だろうと中国だろうと、どちらかに寄ろうという意見の人は「二股の夢」からは醒めていると言えます。

 残り2つは、すぐには実現しない構想ですから「新たな夢」を見る人々と呼ぶべきかもしれません。まずは北朝鮮との関係改善論です。

 「北朝鮮と対立しているから、米国など周辺国の顔色をうかがわなくてはならないのだ。北と関係を改善すれば、慰安婦で日本側に立った米国に対しても強く出られる」との理屈です。

 この主張はハンギョレなど左派系紙にも見られます。北との対話に消極的な朴槿恵政権を批判する材料として、左派は「外交的孤立」を利用し始めたのです。

 最後は核武装論です。米国に逆らえないのは軍事力がないからだ。核を持てば米韓同盟も不要だ。米国がいくら日本だけを可愛がっても、悩まなくてよくなる――というわけです。

コメント43件コメント/レビュー

英訳等で世界に発信、その通り、大事ですね。漢字仮名交じり・ハングルの両国言語での表現だけでは世界の人々の判断や意見を求めにくい。また、両国民とも両国語で表記されたマスコミを通じて理解しているだけでは、相手のことが分からない。世はNETで英語でやり取りする時代ですから、言葉を上手に操って。(2015/05/22)

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「「ヴォーゲル声明」に逆襲託す韓国」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

韓国観察者

元日本経済新聞記者。1995~96年ハーバード大学日米関係プログラム研究員、2006年イースト・ウエスト・センター(ハワイ)ジェファーソン・プログラム・フェロー。02年度ボーン・上田記念国際記者賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

英訳等で世界に発信、その通り、大事ですね。漢字仮名交じり・ハングルの両国言語での表現だけでは世界の人々の判断や意見を求めにくい。また、両国民とも両国語で表記されたマスコミを通じて理解しているだけでは、相手のことが分からない。世はNETで英語でやり取りする時代ですから、言葉を上手に操って。(2015/05/22)

『中韓は中華儒教的には、正しいことをしている』なるほど、と膝を打ちました。それではわが国も、アメリカの原爆や空襲によって無差別殺人を受けた被害者だ、と声高に主張すればいいわけですね。……おや、そういえばそういう主張をしていたのは、日本でも左寄りの人に多かったような。長年の謎が解けた気持ちです。(2015/05/22)

非常に冷静に示唆に富んだ内容と毎回興味深く拝読しております。今までは、専門家の解釈による啓蒙と予測という目で記事に接していました。今回読み終わり、ここまで積み重ねた内容が日本国内だけで読まれているならばもったいないと考えてしまいました。英訳等で世界に発信する企画はあるのでしょうか?まだならば、ぜひご検討いただければ、東アジアの現状を世界に伝えるよき情報源になると思います。すでに準備中あるいは私が知らないだけならば、失礼なことでございます。(2015/05/22)

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