• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

ヤフー・グーグル提携報道が偏向する理由

「知識の画一化」などと過大評価をすることはない

  • 谷島 宣之

バックナンバー

[1/4ページ]

2010年12月20日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 12月はじめの話を蒸し返すことになるが、新聞の主張と公正取引委員会の見解が対立した事例について考えてみたい。その事例とは、日本のヤフーと米グーグルの提携である。

「ヤフー・グーグル提携容認」
「検索シェア9割に」
「公取委 異例の体制で注視継続」
「楽天 『十分な検証を』」
「グーグル、独走態勢一段と」
「欧州委は独自調査」

 これは12月3日付日本経済新聞記事の見出しである。欧州委員会はグーグルの市場独占問題について調査を始めたのに、日本の公正取引委員会はシェアが9割にもなる提携を認めてしまうのか、という主張が読みとれる。公取委が12月2日、日本のヤフーと米グーグルの技術提携について独占禁止法の問題は無いと発表したことに、日経は批判的である。

「公取委、結局『問題なし』」
「ヤフー・グーグル提携『今後も注視』」
「欧州委、正式調査へ」。

 こちらは12月3日付朝日新聞の見出しである。本文には「国会議員や有識者らから懸念する声が強まるなか(公取委が)押し切った形だ」とあり、やはり公取委の判断を肯定してはいない。

 もともと新聞は、ヤフーがグーグルの検索エンジンと検索連動型広告配信システムを採用すると7月に発表し、それを公取委が認めた時から疑問を呈してきた。例えば、日経は8月16日付で、「公取委『容認』は妥当?」「調査期間、米の半分」「再調査の可能性も」という見出しの記事を掲載した。この記事の通り、再調査になったものの、公取委は再び、問題はないと判断した。

 公取委の判断が妥当なのか。それとも新聞の懸念が真っ当なのか。

 公取委が12月2日に報告した内容とこれまでの新聞報道内容を比較した結果、公取委の判断のほうが筋が通っていると筆者は考える。また、独禁法に詳しい萩原浩太弁護士に提携内容と独禁法を照らし合わせてもらったところ、公取委の判断は妥当だという。独禁法との兼ね合いについては、萩原氏のインタビューをご覧いただきたい(『「選ばれてシェア9割」、独禁法は禁じない』)。

競合する2社のビジネスを足してシェアを出す不思議

 新聞がヤフー・グーグル提携に批判的で、公取委の判断に疑問を表明する理由は、「あのグーグルのシェアが9割になってよいのか」という問題意識があるからだろう。確かに「シェア9割」という数字だけ見ると、なんらかの問題があると考えても不思議ではない。

 ヤフーがグーグルの検索エンジンを採用すると、日本のインターネット検索件数の9割がグーグルの検索エンジンで処理されるという。これまでヤフーは米ヤフーの検索エンジンを利用していた。

 ただし、ここで「9割」というのは、検索エンジンという「技術のシェア」であって、検索連動型広告という「ビジネスのシェア」ではない。

 「2社合計の検索連動広告シェアは9割超に」と報じた新聞があったが、そこでいう「広告シェア」がビジネスのシェアを意味するのであれば、この表現は間違いである。

 もともとヤフーは、検索連動型広告ビジネスでグーグルと競合しており、今後もウェブサイトのコンテンツ作成、広告の営業活動や価格設定、すべてをヤフー独自で行い、グーグルの広告ビジネスと競合を続けるとしている。

コメント3件コメント/レビュー

広告配信についてはその通りだろうが、検索についてはまったく実情がわかっておられないと思われる。まず、ユーザーは検索サービスに対し、検索結果を最終成果物として求めるのであり、検索エンジンの同一化は「結果を表示するデザインは各サイトで異なるものの、内容が同じ」ということになる。これを車の例えで言えば、スズキMRワゴンと日産モコでメーカーは異なるが、どちらを買っても顔つきや細部は異なっても実質同じ車だということであり、エンジンが共通どころの話ではない。魅力的なサイトを作り上げれば検索サイトに頼る必要はないというが、まったくナンセンスである。百歩譲ってサイト運営側の視点ではそうかもしれない。だが、検索利用者の求めるサイトがアクセスの多い魅力的なサイト「だけ」であるはずはないし、「だけ」であるならば、氏の論法からいくと検索サービス自体が不要となってしまうのだが。ヤフーが、手動登録したサイトディレクトリへのリンクをトップページから外して久しいが(一昔前は、スタッフが手動で分類、登録したサイトディレクトリから情報を探すのが一般的だった。まさに数限りがあるが魅力的なサイトの集合体である)、どうしてだと思いますか?Google八分という言葉があるように、有用なサイトがGoogle検索でヒットしなくなることがあるが、検索エンジンが寡占状態となれば、そのサイトはインターネット上で稼動していても全く目に見えない透明な存在となってしまうのだが。心配をしている人は、Googleが嫌だと言っているのではない。嫌なら使うなというのは問題のすり替えである。(2010/12/20)

オススメ情報

「経営の情識」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

広告配信についてはその通りだろうが、検索についてはまったく実情がわかっておられないと思われる。まず、ユーザーは検索サービスに対し、検索結果を最終成果物として求めるのであり、検索エンジンの同一化は「結果を表示するデザインは各サイトで異なるものの、内容が同じ」ということになる。これを車の例えで言えば、スズキMRワゴンと日産モコでメーカーは異なるが、どちらを買っても顔つきや細部は異なっても実質同じ車だということであり、エンジンが共通どころの話ではない。魅力的なサイトを作り上げれば検索サイトに頼る必要はないというが、まったくナンセンスである。百歩譲ってサイト運営側の視点ではそうかもしれない。だが、検索利用者の求めるサイトがアクセスの多い魅力的なサイト「だけ」であるはずはないし、「だけ」であるならば、氏の論法からいくと検索サービス自体が不要となってしまうのだが。ヤフーが、手動登録したサイトディレクトリへのリンクをトップページから外して久しいが(一昔前は、スタッフが手動で分類、登録したサイトディレクトリから情報を探すのが一般的だった。まさに数限りがあるが魅力的なサイトの集合体である)、どうしてだと思いますか?Google八分という言葉があるように、有用なサイトがGoogle検索でヒットしなくなることがあるが、検索エンジンが寡占状態となれば、そのサイトはインターネット上で稼動していても全く目に見えない透明な存在となってしまうのだが。心配をしている人は、Googleが嫌だと言っているのではない。嫌なら使うなというのは問題のすり替えである。(2010/12/20)

広告ビジネスとしては谷島さんの仰るとおりだろうし、公正取引委員会の判断も妥当だろう。ただ、検索システム自体の寡占化を超えた独占化は、ビジネス以前の根本的な問題を引き起こす危険はないだろうか。例えばあるサイトを、ほとんど人目に付かなくすることもできるかもしれない。「尖閣」というキーワードや「普天間」というキーワードを入力しても、出てこないサイトがある、こんなことは起きないか。中国でこのような仕打ちを受けたグーグルがそんなことをするわけがないとは思うが、情報の海から砂粒を探す作業を検索エンジンに頼っている現状、考えておくべきことではないか。あのサイトで検索してもこのサイトで検索しても出てこない、実はすべてグーグルの検索エンジンを使っていた、なんてことはないか。インターネットの世界でこんなことをすればその企業の衰退は約束されるだろうが、それでも代替者が出てくるまで数年掛かるかもしれない。まあ、公取が考える問題ではないが。(2010/12/20)

Yahoo! Japanの本質はメディアである、という点を指摘せずに終えると、今ひとつ論旨が明確にならない気がします。Yahoo! JapanはGoogleから技術提供を受けると同時に、業務提携によってYahoo! JapanのメディアとしてのデータをGoogleに効率よくインデクスさせるための仕組みを整えるはずです。つまり、Yahoo! Japanの各種サービスへのトラフィックをこれまで以上にGoogleから得る可能性が高くなるはずです。それはそのままメディアとしてのYahoo! Japanの収益につながわるわけで、今回の提携はGoogle以上にYahoo! Japanにメリットがあると思います。また、過去にもYahoo! JapanはGoogleの検索エンジンを採用していた時期が数年にわたってあるわけですが、今回の一連の報道ではほとんど触れられていません。この事実をあえて無視する理由がよくわかりません。過去なら無問題で今なら問題になる理由は、単にGoogleのプレゼンスが向上したから、としか考えられません。これらの点を踏まえないと、2社の業務提携の実像に迫ったことにはならないような気がします。(2010/12/20)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

大切なのは、リーダーが「下から目線」を持つことです。

四方 修 元マイカル社長