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“殿様”にはなれない日本の首相

ファーストレディ経験者が語る、その実像

  • 真弓 重孝

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[1/3ページ]

2008年9月5日(金)

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 「私は辞任をする前から『早くお辞めなさい』と言っていました。知事の時とは違って、首相時代は、何をするにも足を引っ張られ、自分の意思を貫くのに必要以上の苦労を強いられましたから。体がもたない、と心配していました」

 1994年4月、細川護煕首相(当時)が辞任した。就任からわずか9カ月で首相の座を自ら降りたことに、当時も「無責任」という批判が浴びせられた。だがファーストレディである佳代子夫人にとっては、細川首相の決断はむしろ遅すぎるものだった。

 その理由は様々あるが、1つには、夫を強い首相として育て上げていくシステムが、現在の日本の政治制度や環境にはない、ということだった。合議による意思決定、任期不在で保証のない身分――。こうした状況から、日本の首相は、就任後でも、常に不要な権力闘争に巻き込まれるリスクを負っている。

 細川首相の辞任から約15年たった今年9月1日。夜の緊急会見に臨んだ福田康夫首相は、会見中の質疑応答で、記者から当事者意識の希薄さを指摘され気色ばんだ。福田首相の怒りは質問した記者というよりも、日本の政治システムに向けられた面もあるだろう。

 2代続いた政権の突然の放り投げの根源は、どこにあるのか。9カ月で幕を閉じた政権の主を、影ながら支えてきた細川佳代子氏。その目に映った首相の実像から探っていく。

(聞き手は日経ビジネス オンライン 真弓 重孝)


細川 佳代子(ほそかわ・かよこ)氏 元首相である細川護煕氏の夫人。現在は認定NPO法人「世界の子どもにワクチン」を日本委員会 理事長、認定NPO法人スペシャルオリンピックス日本 名誉会長、日本フロアホッケー連盟 会長、エイブルの会 代表などを務める。

細川 佳代子(ほそかわ・かよこ)氏

元首相である細川護煕氏の夫人。現在は認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを日本委員会」理事長、認定NPO法人「スペシャルオリンピックス日本」名誉会長、「日本フロアホッケー連盟」会長、「エイブルの会」代表などを務める。

 細川佳代子 私は、今の政治の世界の内情については、全く分かりません。ですから、福田さんがなぜ辞任を表明されたのかについては、語ることはできません。何も知らない人間があれこれ想像で言うのは、それこそ無責任だからです。

 ただ今回の辞任で1つ言えるとしたら、また同じようなことが、今後も起こり得るということです。今の日本の首相は、常に足を引っ張られる存在だからです。何をしても、褒められるよりも批判されることの方が多いのです。

 というのも、首相になりたいと思う政治家は多いですから、野党に限らず政権を支える与党の中からも、いつか追い落としてやろうと、狙われている存在です。日本の首相は権力があるようで、実は大して持っていないのです。

 夫の細川護煕は1993年8月に首相になってつくづく感じたのですが、知事と首相とでは、全く状況が違うと。日本の首相が持っている権限なんて、極めて限られているのです。

 例えば、内閣法では、政治に関わる様々な案件の意思決定は、閣議で決めることが定められています。合議でないと物事は決められません。議院内閣制で、首相に決められた任期などありませんから、支持基盤が弱ければ、その身分をたやすく奪われてしまいます。

 首相は任期制にして、弾劾裁判にかけられるなどの事情がない限りは、身分が保証されるようにしないと、指導力を発揮して政権を運営することなど難しいのではないでしょうか。

コメント42件コメント/レビュー

一国の宰相が「初めから短期でいく」という考え方には全く賛成出来ません。取り囲む状況がなんにせよ、屈するくらいならやらなければいい。正直、短期政権を理由を付けて正当化している様にしか感じれません。そんなに簡単に人を変えることは出来ない。むしろ変われるのは自分だけだと思う。最近の政治は全く実が無いように感じる。直近の問題をいかに解決するかは最も大事な事の1つだが、国のあるじとして、5年後10年後のビジョンをいかに明確に示せるかといった部分をもっと大切にして欲しい。また、国民の視点も目先の利益に向いてしまい、この国をどうするんだという長期的視点に欠けている。特に最近、国民の1人として非常に反省しているし危機感を覚えている。(2008/09/11)

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いただいたコメント

一国の宰相が「初めから短期でいく」という考え方には全く賛成出来ません。取り囲む状況がなんにせよ、屈するくらいならやらなければいい。正直、短期政権を理由を付けて正当化している様にしか感じれません。そんなに簡単に人を変えることは出来ない。むしろ変われるのは自分だけだと思う。最近の政治は全く実が無いように感じる。直近の問題をいかに解決するかは最も大事な事の1つだが、国のあるじとして、5年後10年後のビジョンをいかに明確に示せるかといった部分をもっと大切にして欲しい。また、国民の視点も目先の利益に向いてしまい、この国をどうするんだという長期的視点に欠けている。特に最近、国民の1人として非常に反省しているし危機感を覚えている。(2008/09/11)

日本の首相に任期を決めて長期間仕事をさせる・・・本当にそういうことをさせて大丈夫なのでしょうか。アメリカも一時の興奮でブッシュを選んだけれど、その後後悔し何とか引きずりおろそうとしているが、結局2期8年も変える機会がありませんでした。小泉も4年で辞めましたがあのまま更に4年も続けたら果たして日本はどうなっていたでしょうか。失業保険もなく年金もなく健康保険も破綻し、少子高齢化で貴重な若者を使い捨てにする経済界が更に懐を肥やすだけではないでしょうか。何時引きずり降ろされるか分からない緊張感があるからこそ正しい判断を求められるのです。安倍、福田と全く深遠もない気力もない人間を選んだ自民党が既に賞味期限が切れて腐臭を放っているからに他ありません。今回政権交代がないと日本は自民党、創価学会、官僚に食いつぶされてしまうでしょう。(2008/09/10)

細川夫人のコメントを大変気持ちよく読ませてもらった政官業の癒着を生んだ自民党の長年の一党支配を打破する気概を持った細川さんにもっと長く在任して欲しかった思いが強い。(2008/09/09)

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