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欧米だけでなく中国にも周回遅れの日本の知的ハブ化

まずは大学の変革、そして投資移民ビザ政策の実行を

  • 荒井 裕樹

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[1/3ページ]

2011年6月8日(水)

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 日本企業にとってグローバル化は喫緊の課題。前回で荒井氏は、「企業の経営陣のグローバル化を進めていかなければならないが、日本企業の役員報酬は世界で見ると低過ぎる。このままでは、世界トップクラスの優秀な経営者を引きつけることはできない」と指摘した。

 「日本の大学も、このままでは世界中から優秀な学生や教授を集められない。今こそ変革すべきだ」と説く。日本の大学を変革して優秀な人材を集める。そうすることが日本企業の国際競争力の向上につながる。

 さらに世界中から投資を呼び込む施策の実行によって日本の国際的競争力を高めるべきだというのが、荒井氏の主張だ。

 「38%対14%」──。

 前者は、私の母校である米ニューヨーク大学スターン経営大学院の修士課程に在籍してMBA(経営学修士号)の取得を目指している学生約800人に占める、留学生ないし二重国籍保有者の割合だ。

 一方、後者は、東京大学大学院経済学研究科に在籍している大学院生288人における留学生の割合である。両学部は必ずしも同じ性格のものではないが、両大学の中では最も近似していると思われる教育課程を比較した。

 教授陣について見ると、東大の同研究科に属する教授陣のうち外国人はゼロ。それに対して、ニューヨーク大学は、非常に多くの外国人教授を抱えている。

 この比較から指摘したいのは、高度な知的人材ネットワークの拠点、すなわち「インテリジェンス・ハブの中心」とも言うべきトップクラスの大学の学生や教授陣の「グローバル化」の程度が、日米両国であまりに違うことだ。

日本を本当に客観的に眺めるためにも必要

 前回まで、経済の主たる構成要素である「ヒト」に関するグローバル化、あるいは「世界で勝つために、世界中から英知を集める」という人材戦略について、主に日本経済の根幹を構成する企業を念頭に述べてきた。しかし、人材のグローバル化が問われるのは、企業だけではない。

 その1つが大学だ。我が国で最も優秀な学生や教授を引きつける力のあるトップクラスの大学に多数の優秀な外国人に在籍してもらうことは、非常に重要なことのはずである。

 というのも、日本とは異なる国の考え方や文化に直接触れないと、「日本を客観的に眺める」ことはできないからだ。私が米国に留学して得た最も貴重なものの1つも、こうした視点を獲得できたことであった。

 例えば明治時代には、東京大学などに数多くの外国人教授が招聘されていた。それは西洋の知識や技術を取り入れるだけでなく、学生や日本人の教員が「日本を客観的に眺める」視点を獲得することにもつながったはずだ。

 明治時代と現代とで外国人教授を招聘する意味は異なるだろうが、日本が先進国の一角に加わったからといって、かかる視点を軽視することはできない。むしろ、模倣する対象を失って、独自に成長戦略を考案しなければならない環境にあるからこそ、その必要性はますます高まっていると言える。

 単に日本の弱みや強み、すなわち競争相手に比べて何が欠けているのか、何が有利な点なのか、相手は何を考えて行動し、どのような戦略を取ってくるのか。こうした彼我の差を冷静に分析できるようになるからだけではない。日本企業が海外市場で活躍するためには、日本企業の経営中枢が集積する日本国内で、「世界中から英知を集める」という人材戦略を実行する必要があるからでもある。

 その意味で、日本のトップクラスの大学が、学生の面でも、教授陣の面でも、「世界中から英知を集める」という体制になっていないことは、非常に致命的な問題だと言える。

コメント21件コメント/レビュー

基本的に賛成です。但し、日本の大学、特に東大をまともな世界標準の大学にする事が重要でしょう。小生は大分前の卒業生ですが、その後米国に留学して、初めて真の大学教育を受けたという気がします。東大は東大出身者の人事利権の場とはなっていないでしょうか。先ず、東大出身の教授准教授をそれぞれ半数以下に制限する事です。そして国内外から競争で優秀な教授助教授を集める事です。国内での解放も出来ない大学に真の国際化は不可能でしょう。東大卒の同質の学者が集まって、傷を舐めあっているのは困ります。多額の国費を投入されている以上、東大にそれだけの義務を負わせてもよいのでは無いでしょうか。なお、筆者への否定的評価が多いのが気になります。今や、世界大競争時代です。我が国の国柄、独立、豊かさ、民主主義を護るためは、世界と競い闘わなければなりません。現状に止まろうとしても、内に籠もっていては不可能です。明治維新と開国は、国の独立を護るためです。現在の日本も、保守するためには、世界に打って出るしかないのです。(2011/06/10)

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いただいたコメント

基本的に賛成です。但し、日本の大学、特に東大をまともな世界標準の大学にする事が重要でしょう。小生は大分前の卒業生ですが、その後米国に留学して、初めて真の大学教育を受けたという気がします。東大は東大出身者の人事利権の場とはなっていないでしょうか。先ず、東大出身の教授准教授をそれぞれ半数以下に制限する事です。そして国内外から競争で優秀な教授助教授を集める事です。国内での解放も出来ない大学に真の国際化は不可能でしょう。東大卒の同質の学者が集まって、傷を舐めあっているのは困ります。多額の国費を投入されている以上、東大にそれだけの義務を負わせてもよいのでは無いでしょうか。なお、筆者への否定的評価が多いのが気になります。今や、世界大競争時代です。我が国の国柄、独立、豊かさ、民主主義を護るためは、世界と競い闘わなければなりません。現状に止まろうとしても、内に籠もっていては不可能です。明治維新と開国は、国の独立を護るためです。現在の日本も、保守するためには、世界に打って出るしかないのです。(2011/06/10)

知的人材収斂に関して、中国の重点大学関係者という立場でこの記事を拝見しましたが、日本という言語や文化の閉鎖性を無視した話ですね。およそ、上位大学が小都市化していない日本では、実現不可能な人材の誘引で正に絵空事です。それより、ゆとり教育で弱体化した自国民の若年層に対する立ち上げ直しを検討した方が良いのではないでしょうか。無謀な政策のツケだけを廻されたら、日本版の「怒れる若者たち」「ネオナチ」世代が産み落とされかねないと思います。また、富裕層優先策に関しては、歴史上富んだ者が必ず求める不老長寿(現代なら健康、安全、安心)という最終目標を考えると、放射能汚染の深刻度が不透明な日本など論外でしょう。(上海から)(2011/06/10)

私には荒井さんの苛立ちは理解できる。但し、日本にいてdomesticに生活している 然程自分に能力の無い事を知っている人には、日本の現状の社会主義的温かさは 多くを望まなければ居心地が良いだろう。 欧米流ではない、日本流又は東洋流の競争疲れしない すごしやすい社会は無いのだろうか。 世界と戦って勝つ意外の、日本人に適した生き方は無いのだろうか。そこに対して説得性が無ければ、広い賛意は得られまい。(2011/06/09)

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