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スティーブ・ジョブズをカリスマ扱いしてはいけない

彼の生き方をヒントに、少しだけでも明日を変えよう

  • 中川ヒロミ

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[1/2ページ]

2011年10月7日(金)

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 アップルの共同創業者、スティーブ・ジョブズが10月5日に亡くなった。「普通の人にコンピュータを届ける」というビジョンを掲げてアップルを創業し、「電話を再発明する」とiPhoneを世に出した偉大なイノベーターがこの世を去った。

 ジョブズはアップルの製品やサービスを通してさまざまな業界の常識を打ち砕き、人々の暮らしを変え、世界に衝撃を与えてきた。

 その功績の大きさは、訃報後の各界の反応を見るとよく分かる。オバマ大統領、アーノルド・シュワルツェネッガー、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ、孫正義などの著名人が、死を悼むコメントを出した。

 各国のメディアが、ジョブズの功績を振り返る記事を一斉に掲載した。アップルは10月5日、ウェブサイトのトップページから製品情報をすべて外して、ジョブズの顔写真と「Steve Jobs 1955-2011」の文字だけを表示している。

 ジョブズの新製品はもう見られないのか、わくわくさせてくれる茶目っ気あるプレゼンを見られないのかと思うと、本当に寂しく、悲しくなる。しかし、ただ寂しがっていても仕方がない。スティーブ・ジョブズの本を担当してきた編集者として、記事を書くことにした。

ジョブズ流を考える人の中で生き続ける

 「スティーブ・ジョブズがいなくなった後、彼の過去の偉業を振り返って、神格化するだけではいけない。将来につなげなくては」
 「アップルの競合メーカーを含めて、今後も日本の人たちにジョブズの生き方やビジネス的な考え方は参考になるはずだ」

 スティーブ・ジョブズをよく知る元アップル社の外村仁さんとITジャーナリストの林信行さんと先日話した時に聞いた、はっとさせられた言葉だ。

 スティーブ・ジョブズは1976年にアップル・コンピュータを設立し、9年後の85年にアップルから追放された。その後、アップルが倒産寸前だった97年に暫定CEOとしてアップルに復帰して以降、iMac、iPod、iTunes、iPhone、iPadなどの製品を次々と出して世界を驚かせ、2011年には一時エクソン・モービルを抜いて時価総額で世界1位の企業にした。

 これほどの経歴と鮮やかなリーダーシップ、プレゼン力、イノベーションを生み出す力を見たら、ついつい自分とは人間のできが違う、手が届かない人だと思ってしまいがちだ。しかし、「ジョブズは特別だから」と考えてしまったら、何も得られない。

コメント3件コメント/レビュー

筆者には失礼かもしれないが、ジョブズはインベンターでもイノベータでも無く、カリスマアジテータでした。マーケティング、プレゼンテーションの天才でした。ジョブズは何か新しいものを生みだしたわけではありません。すべて、既に存在していたものに、新しい付加価値を、幸せの体験という価値を付与したのです。それもカリスマ教祖のご宣託として、「我を信ぜよ、されば幸福が訪れん」と言ったのです。確かに洗練されたユーザインターフェースや洒落た外観デザインは特筆すべきレベルでした。しかし、それ以上のものではありません。信者の人たちには、何を言っても聞く耳持たぬ、でしょうが、自分の幸せをジョブズに規定してもらう必要のない人たちには、特に魅力のあるものではありません。ブームに乗って、狂信者たちの折伏に乗って、iPadやiPhoneのユーザになってはみたものの、どう使えば幸せになれるのか判らないで困っている新入信者が多いのでは?と愚考します。現在のスマホやタブレットは、ビューワー・リーダーでしか無いと思います。知的生産具としては余りに貧弱です。(愚痩子)(2011/10/11)

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筆者には失礼かもしれないが、ジョブズはインベンターでもイノベータでも無く、カリスマアジテータでした。マーケティング、プレゼンテーションの天才でした。ジョブズは何か新しいものを生みだしたわけではありません。すべて、既に存在していたものに、新しい付加価値を、幸せの体験という価値を付与したのです。それもカリスマ教祖のご宣託として、「我を信ぜよ、されば幸福が訪れん」と言ったのです。確かに洗練されたユーザインターフェースや洒落た外観デザインは特筆すべきレベルでした。しかし、それ以上のものではありません。信者の人たちには、何を言っても聞く耳持たぬ、でしょうが、自分の幸せをジョブズに規定してもらう必要のない人たちには、特に魅力のあるものではありません。ブームに乗って、狂信者たちの折伏に乗って、iPadやiPhoneのユーザになってはみたものの、どう使えば幸せになれるのか判らないで困っている新入信者が多いのでは?と愚考します。現在のスマホやタブレットは、ビューワー・リーダーでしか無いと思います。知的生産具としては余りに貧弱です。(愚痩子)(2011/10/11)

彼は創業者であり、会社の危機に戻ってきた救世主でもあった。故に彼の意見を受け入れる以外の選択しなど無かった。つまり、サラリーマン社長やその他社員が参考と出来るものなど何もない。元来、偉人とは異常者であり正常な人間に異常者を見習えなど愚の骨頂。(2011/10/11)

そうは言っても、「世の中で、百歩先の見える人は変人扱いされ、五十歩先の見える人は多く犠牲者になる。ただ一歩先の見えるものだけが成功者である。故小林一三氏(阪急東宝グループ創業者)」とあり、やはり多くの百歩先の見える人は犠牲者となる。ジョブズ氏は百歩先が見えるにもかかわらず大成功したまさに稀有の天才であり、彼を先生とする大勢の人は失敗者になる可能性が高い。「天才は作り出すことが出来ず、ただ生まれてくるのを待つのみ (gifted)」なのだから。私はこの人は特別視したほうが良いと思う。パーソナルコンピュータというものの内容と歴史をつぶさに追っていけば追っていくほどそう思う。ジョブズという人は教育その他で作り出せるような人物ではないからだ。(2011/10/11)

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ジェレミー・ハンター 米国クレアモント大学経営大学院准教授