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ある日本人総経理の独り言

2006年12月20日(水)

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 日本のビジネスパーソンが中国に赴任することは、勤務する国が変わると同時に、その人の役割が大きく変わることを意味する。つまり、多くの日本人赴任者にとって、日本では一担当か中間管理職であったのに、中国では経営的な視点でものを見て、判断し、行動しなければならなくなるということである。

 数多くの日本人赴任者の方にお会いして最近強く思うのは、実はこの違いは日本と中国という勤務地の違いより、もしかすると大きいのではないかということだ。中国人社会において日系企業共通の特徴と認識されている「真面目だが仕事のスピードが遅く、決断力がない」といったようなことは、実は赴任する人材の経営マインドの不足による部分が大きいように思う。

 そんなことを考えていたところに、中国のある地方都市で日系メーカー現地法人の総経理とお会いする機会があった。ご本人の希望もあってお名前は伏せるが、日本人赴任者のふがいなさを嘆く言葉が印象的だったので、ここに独白の形でご紹介したい。もとより口述をそのまま表記するわけにはいかず、筆者が原稿の形に整理しているが、話のトーンはできるだけ忠実に再現したつもりである。

日本企業はなんのために中国に行くか

 「もともと私は大手企業のいわゆる労務屋で、中国に来る前は台湾の現地法人でやはり労務を担当していました。当時の台湾は高度成長期の人手不足で、人集めには本当に苦労しました。駅前でティッシュ配ったり、紹介屋に金を握らせたりしてやっと集めると、これがおととい刑務所から出たとか、暴力団あがりとか、そんな連中ばかりなんです」

 「さすがにまずいと辞めてもらうと、『殺してやる』とか『夜ひとりで歩けると思うなよ』とか脅迫が来る。怖いので警察に金を払って警備を頼んだら、マシンガンを持った警官が用心棒に来ました」

 「世界中どこに行っても、労務部門の仕事の基本は日本と大きな違いはありません。実は日本の大企業の総務や労務部門も、国内でも目立たないところでいろんなことをやっています。官庁や取引先への付け届けや冠婚葬祭の付き合い、役人の昇進祝い、総会屋の応対、ゆすり、たかりまがいの行為への対応、社員の不祥事のもみ消し…。花形セクションのサラリーマンの方に見えないだけです」

 「そういう経験なしにこっちに来ている日本人を見ていると、何か中国というのはひどいところで、そんなところに自分はわざわざ『来てやっている』という意識があるように思うんです」

 「確かに、中国は先進技術も学びたいし、外貨も欲しいからさまざまな優遇条件を出して外資系企業を歓迎しています。しかし、外資企業は詰まるところ自分の金儲けのために来るのであって、人に頼まれて慈善事業に来るわけではないでしょう」

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「ある日本人総経理の独り言」の著者

田中 信彦

田中 信彦(たなか・のぶひこ)

BHCCパートナー

90年代初頭から中国での人事マネジメント領域で働く。リクルート、大手カジュアルウェアチェーンの中国事業などに参画。上海と東京を拠点にコンサルタント、アドバイザーとして活躍している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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