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米国、30億ドルのエコカー助成制度の是非

短期的には自動車業界の支援になるが、環境面での実効性は?

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2009年8月17日(月)

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John Carey (BusinessWeek誌、ワシントン支局上級記者)
米国時間2009年8月5日更新 「Cash for Clunkers: How Green Is It?

 米連邦政府が7月27日に導入した新車買い替え助成制度。燃費の悪い中古車を低燃費の新車に買い替えると、米政府から最大4500ドル(約43万円)の補助金が支給される制度だ。

 この制度は、少なくとも自動車メーカーのテコ入れという点では大きな成功を収めている。米政府が11月を期限として用意した10億ドル(約970億円)の予算は、助成への申し込みが殺到したため、底を尽きかけている(編集部注:オバマ大統領は7日、20億ドル増額する法案に署名)。これについてエコノミストは、即効性のある景気刺激策になると見ている。

 だがこの制度は、環境面や米国のガソリン消費量の削減にどの程度効果があるのだろう。

 いくつか基本的なデータを見てみよう。

 10億ドルという予算は、約25万台におよぶ乗用車や小型トラックの買い替えを想定したものである。米運輸省が8月5日に公表したデータによると、下取りに出された“ポンコツ車”(米フォード・モーターの旧型「エクスプローラー」など)の平均燃費は1ガロン当たり16マイル(1ガロン=約3.8リットル、1マイル=約1.6キロメートル、1リットル当たり約6.7キロ)となっている。一方、代わりに購入する新車(フォードの小型車「フォーカス」など)の平均燃費は1ガロン当たり25マイル(約10.5キロ/リットル)だ。

ガソリン消費量の節減効果はごくわずか

 ここで、簡単な計算をしてみよう。新車と旧型車の平均年間走行距離を同じ1万マイルとする。その場合、年間ガソリン消費量は旧型車の625ガロンに対し、新車はわずか400ガロンと、1台当たり年間225ガロンの差が出てくる。これは家計にとっては大助かりだ。ガソリン価格が1ガロン=2.7ドル(約260円)だとすると、走行距離が同じであれば、年間600ドル(約5万8000円)の節約になる。

 すると、これまでに買い替えられた新車は25万台になるため、米国の年間ガソリン消費量は5600万ガロン減少する計算になる。

 5600万ガロンといえば14億マイル走行可能なガソリンの量であり、大きな違いに思える。だが米国の総ガソリン消費量に占める割合は、ごくわずかなものである。

 2008年の米国のガソリン消費量は約1380億ガロン。5600万ガロンを削減できたとしても全体では0.04%減少するに過ぎない。また、自動車の二酸化炭素(CO2)排出量はガソリン消費量に正比例するため、温室効果ガスの排出量も0.04%しか削減できないことになる。

 車全体の平均燃費で見ても、買い替え助成制度の効果は取るに足らない。米国の車の総登録台数は2億5400万台にも上り、たかだか25万台の新車の燃費が向上したところでその影響は微々たるものだ。米カリフォルニア大学バークレー校グローバルメトロポリタン研究センターのプロジェクト科学者で、燃費問題を研究しているリー・シッパー氏は、「とても現状を変えるほどの規模ではない」と指摘する。

当てにならない数値

 米連邦議会は、さらに20億ドル(約1940億円)の予算を追加する方針だが、これによりガソリンの節約量とCO2排出削減量は3倍に増える計算だ。とはいえ、依然として大した数値にはならない。なぜなら、そうした数値が当てにならないことを示す次のような理由がある。

コメント1件コメント/レビュー

論理が甘い様に思う。まず「ユーザが低燃費を好む」のは不思議でもなんでもない当然の思考、制度が無くても低燃費車に買い替えられるのも当然。問題は時期、自動車は食料品の様な短期消耗品ではないので、不景気の中で購入優先度が下がり買換えサイクルが伸びるのも必然、それを食止めて今買換えを促進するには本制度は有効。本文の中でもユーザの複数所有車に関する情報(走行距離が少ない2,3台目を買換え)が有ったが、この事からも現在のユーザが燃費の悪い車より燃費の良い車を優先的に使用し走行距離も長い事が予測される。制度が無かった場合の購買行動予測として、燃費の悪い2,3台目を保持したまま、最も使用頻度の高い燃費の比較的良い車を更に低燃費車に買換えする可能性が高いと考えられる。もはやユーザにとって、燃費が最大の基準であり、サイズではないから。等等を考えると本制度は十分に機能していると評価しうる。(2009/08/17)

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論理が甘い様に思う。まず「ユーザが低燃費を好む」のは不思議でもなんでもない当然の思考、制度が無くても低燃費車に買い替えられるのも当然。問題は時期、自動車は食料品の様な短期消耗品ではないので、不景気の中で購入優先度が下がり買換えサイクルが伸びるのも必然、それを食止めて今買換えを促進するには本制度は有効。本文の中でもユーザの複数所有車に関する情報(走行距離が少ない2,3台目を買換え)が有ったが、この事からも現在のユーザが燃費の悪い車より燃費の良い車を優先的に使用し走行距離も長い事が予測される。制度が無かった場合の購買行動予測として、燃費の悪い2,3台目を保持したまま、最も使用頻度の高い燃費の比較的良い車を更に低燃費車に買換えする可能性が高いと考えられる。もはやユーザにとって、燃費が最大の基準であり、サイズではないから。等等を考えると本制度は十分に機能していると評価しうる。(2009/08/17)

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