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ドバイ成長神話が崩壊

危機収束にはアブダビがカギ

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2009年12月3日(木)

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Stanley Reed (BusinessWeek誌ロンドン支局長)
米国時間2009年11月27日更新 「'The Sheikh's New Clothes?' Dubai's Desert Dream Ends

 好景気にわいた21世紀初頭、多くの人がその恩恵を享受した。だが、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の元首、ムハンマド・ビンラーシド・アルマクトゥーム首長以上に大きな恩恵を享受した者はいないだろう。

 元々ドバイは、砂漠地帯に「クリーク(運河)」と呼ばれる天然の入り江がある土地で、何世紀にもわたり、貿易商人や密輸業者の海上輸送の拠点となっていた。ムハンマド首長は父の成長構想を受け継ぎ、ドバイを21世紀の新興都市として発展させ、超高層ビルや広大な海岸、美しいゴルフリゾートを売りに、欧米先進国の資本や観光客を引きつけてきた。

 だが今回、ムハンマド首長が、ドバイを代表する政府系持ち株会社の1つ、ドバイ・ワールドの債務返済猶予を債権者に要請したことで、状況は一変した。少なくとも一時的な世界市場の動揺は避けられず、ドバイの将来は不安視されている。

 11月27日、感謝祭翌日で取引時間が通常より短い中で、米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)500種株価指数は、1.7%減の1091.49ポイントに下落。新興市場株の指標であるMSCI新興市場指数も、米国時間午後2時12分時点で1.8%減と落ち込んでいた。

 これまでドバイは、ひたすらその勢いをテコに成長を続けてきた。サウジアラビアや、同じUAEの首長国でドバイの西に隣接する豊かなアブダビ首長国とは異なり(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年6月6日「Inside the Abu Dhabi Investment Authority」)、ドバイには、ムハンマド首長の壮大な構想を実現させるだけの豊富な原油産出はなかった。

 そのためムハンマド首長は、ドバイを中東や西アジア、アフリカの中核都市にするという成長構想を売り込み、豊かな近隣のアラブ諸国やイランから投資を集め、次第に欧米やロシアからも投資を呼び込むようになった。

 ドバイの戦略は、しばらくは順調に奏功していた。ドバイは、ペルシャ湾岸地域のウォール街創設というあまりに大胆な開発構想を打ち出し、金融地区「ドバイ国際金融センター(DIFC)」を建設。欧米の金融機関は先を争ってDIFCに進出した。

 IT産業向け経済特区「ドバイ・インターネット・シティー(DIC)」にも、米ネットワーク機器大手シスコシステムズ(CSCO)や米ソフトウエア大手マイクロソフト(MSFT)など、IT(情報技術)・メディア業界の錚々たる企業が営業所を開設。企業経営者や政治家はムハンマド首長を表敬訪問し、首長を偉大な賢者のように称えた。

ドバイの政府系企業同士の過当競争

 ムハンマド首長は、ドバイの若手の能吏を登用。能吏らは首長を「The Boss」と呼んで敬い、首長の構想実現に尽力した。首長は、豊かな発想力を持って心血を注げば、いかなることでも成し遂げられると部下を鼓舞した。

 ドバイの政府系不動産開発最大手エマール・プロパティーズのムハンマド・アルアッバール会長がムハンマド首長に対し、ドバイの新しい中心街になりつつあった地区に摩天楼を建設する計画を示すと、首長は世界で最も高いビルを建設するよう同会長に要請。同会長はこの要請に応え、世界一の超高層ビル「ブルジュ・ドバイ」の建設に着手した(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年7月25日「The Tallest Building in the World」)。

 ブルジュ・ドバイは現在竣工間近で、そびえ立つ高層ビルの前には、建設費2億5000万ドル(約220億円)をかけ、豪華な噴水アトラクションを備える人工池も作られている。

 決して広いとは言えないドバイの各地に、未来都市のような高層ビル群が次々と建設された。一部のビルは建設途中や空室状態だが、ドバイの摩天楼の風景は、米SF作品「バック・ロジャース」の未来の都市を実現したかのようだ。

コメント5件コメント/レビュー

ドバイの復活にケチを付ける気はさらさらない。しかし、砂漠の中によくもあのように大きな楼閣を建てたものだと不思議に思っていた。文字通り砂上の楼閣にならなければと。海を埋め立てた斬新なリゾ-ト、近代的な外観の高層ビル群。砂漠の民が保養に行くのはよいかもしれない。おまけに金融センタ-で金儲けができるなら一石二鳥だ。ただ、金融センタ-は金利を認めないイスラム金融ではどんな仕組みが合ったのだろう。手数料名目というなら、利益が上がらなければ手数料は払わなくてよいということか。日本の企業の最大の被害者はゼネコンだろうか。マスヤジ(2009/12/04)

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ドバイの復活にケチを付ける気はさらさらない。しかし、砂漠の中によくもあのように大きな楼閣を建てたものだと不思議に思っていた。文字通り砂上の楼閣にならなければと。海を埋め立てた斬新なリゾ-ト、近代的な外観の高層ビル群。砂漠の民が保養に行くのはよいかもしれない。おまけに金融センタ-で金儲けができるなら一石二鳥だ。ただ、金融センタ-は金利を認めないイスラム金融ではどんな仕組みが合ったのだろう。手数料名目というなら、利益が上がらなければ手数料は払わなくてよいということか。日本の企業の最大の被害者はゼネコンだろうか。マスヤジ(2009/12/04)

大前研一氏が様々な所でドバイはすごいというようなことを盛んに書いていて、私としては産油国でもないドバイがどうしてそんなにすばらしいのかいくら大前氏が賛美しても納得しがたかった。何かすばらしい技術を持った企業がたくさんあるといったようなことがないのでは、厳しいのではないかと思ったからだが、大前氏に言わせると、日本と違いドバイは大変な発展を今後も続けるであろうと言うことであった。 私はやっかみも多少あって、あんな人工島のどこが良いのだろう。いつか原油が暴落したら、周辺からの援助が無くなりとんでもないことになると思っていたものだが、原油ではなくアメリカが原因で、こうした結果をもたらすことになるとは、思いもよらないことであった。恐らく、ドバイの首長も同じだろう。(2009/12/03)

去年でしたか、ドバイの急成長ぶりを紹介したNHKの特集番組があった。SF映画さながらの未来都市が砂漠の中に突如として出現したのも驚きだが、実はあの未来都市は空き部屋だらけで住民が殆ど居ないのも驚き。ドバイの物件オーナーの大半は投機が目的で所有しており、実はドバイの未来都市は建設従事者以外には住む人が居ないゴーストタウンだった。建設に携わる現地の責任ある立場の人たちの多くも、ドバイバブルは間もなく大崩壊すると認識してることが紹介されていた。昨秋あたりから当局者の現実離れした強気ばかりが目立ち、ドバイドリームも終焉が近いことを匂わせていた。そして予想された通りに、ついにバブル崩壊が来た。でもブルジュアラブ等ここ10年ほど多くの夢を与えてくれて有り難う。(2009/12/03)

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