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中国の建物、平均寿命は30年

蔓延する手抜き工事や建設資材のごまかしが主な原因

2010年4月16日(金)

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 2010年4月5日、中国人民放送局「中国の声」は夕方に放送された「全国のニュース」で、浙江省杭州市で新築分譲マンションの検査・引渡しが行われたが、500人以上の住宅購入者が品質欠陥を理由に購入物件の引き渡しを拒否するという事態が発生したと報じた。

 報道によれば、問題のマンションは不動産開発業者“杭州中投置業有限公司”が建設・販売した住宅団地“中興和園”の中のマンションで、今回引渡しを予定していた住宅数は合計1000戸であった。清明節休暇(4月3~5日)ということで、多数の住宅購入者が購入物件の点検・引渡しに参加したが、4月5日午前中までに物件引き渡し拒否リストに署名した人は500人を超えたという。

ベランダの床は60~70%が空洞だった

2009年6月、上海市で建築中のマンションが突然倒壊した© AP/アフロ
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 マンション“茗馨苑”の1号棟7階の住宅を購入した曹さんは問題だらけの検査報告書を示して、「副寝室の西側の壁は全体に亀裂が入っているので、壁の構造に問題があると思われるし、主寝室の東側の壁にも問題がある。ベランダの床は60~70%が空洞になっている」と記者に語った。

 住宅購入者たちはその他の公共施設にも大いに不満を漏らしていたが、既に検査・引渡しが始まってから1週間も経つのにマンションの庭は緑化もできていないのみか、レンガが散乱して工事現場さながらの状態であった。こうした現状に対して“杭州中投置業”は適切な解決策を示さぬまま、住宅購入者と協議を行うとしている。

 中国では「おから」を“豆腐渣”(渣=かす)と言うが、おからは崩れやすいことから、“偸工減料(仕事の手を抜き材料をごまかす)”によって建築物に倒壊などの被害や建築基準を満たさない工事を“豆腐渣工程(手抜き工事)”と呼ぶ。この言葉は、1998年9月に時の国務院総理の朱鎔基が江西省九江市の水害状況を視察した際に、新たに建設された洪水防止堤防が水流に耐えきれずに脆く崩れ去るのを見て怒り、その原因は“豆腐渣工程”であると言ったことに始まるとされている。

 2008年5月に発生した四川大地震の際には1万カ所以上の学校の校舎が倒壊や甚大な損傷を受け、推定で2万人近い学生が死亡したが、校舎の倒壊や損傷のほとんどは“豆腐渣工程”に起因するものと考えられている。

壁の中で水道管が破裂して部屋が洪水状態に

 上記の“中興和園”団地の欠陥住宅も恐らく手抜き工事によるものと思われるが、中国では手抜き工事が頻発している。マンションの建設を請け負った工事業者は多分の利益を得ようと下請業者を不当に叩くし、安値受注した下請業者は少しでも稼ごうと“偸工減料”をするから、完成したマンションはそこかしこに問題を抱えた不良建築となるのは当然の帰結。

 筆者は広州駐在時代に会社が社宅として購入した新築の高級マンションに住んでいた。このマンションは香港の一流建設会社が建設・販売した事務所棟に隣接した住宅棟で、当時の広州では最高級のものであったが、合計で6戸購入した社宅のうち4戸はキッチンの壁の中で水道管が破裂して部屋が洪水状態となり、水が引いた後の床は木製フローリングだったために床材が水を含んで波打ち、新たに張り直しを余儀なくされた。

コメント11件コメント/レビュー

下記事された方。私は今まさに中国のローカル建築業界で働いております(うちの方は日系ゼネコン出身の者が多いため、品質管理はまだましな方ですが。。。)。日系ゼネコンが進出しないわけではないです。単刀直入に申しますと日系ゼネコンの見積値段は格段に高い!!ということです。中国の開発業者や各ゼネコン業者たちが見てるのは「オカネ」ですから、そんな高い見積でやらせてたまるか!って感じですよ。。。(2010/04/18)

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「中国の建物、平均寿命は30年」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

下記事された方。私は今まさに中国のローカル建築業界で働いております(うちの方は日系ゼネコン出身の者が多いため、品質管理はまだましな方ですが。。。)。日系ゼネコンが進出しないわけではないです。単刀直入に申しますと日系ゼネコンの見積値段は格段に高い!!ということです。中国の開発業者や各ゼネコン業者たちが見てるのは「オカネ」ですから、そんな高い見積でやらせてたまるか!って感じですよ。。。(2010/04/18)

個人向け木造住宅会社に勤めております。当社の経営者の一人が、この中国の現状と似たような、下請け会社に対する圧力をかけている現場を私自身、見かけることがありました。日本の建築寿命が延びつつあるとはいえ、業界にいる人間としては、あまり楽観視できる状態では、わが国もないのでは?と実感させられる内容の記事でした。大変参考になりました。(2010/04/18)

マンションという海の向こうの不動産だから笑って読んでいられたが、ふと、もしこのような製造体制、品質管理が我々のところに輸入されている製品にも当てはまったら?と考えたら背筋が寒くなりました。私の職場にも中国出身の人がいます。何度となく彼女の口から出て来た中国製だから仕方ないわ。その言い方には引っかかる人が悪いというトゲのある言い方が。音もなく忍び寄って来るチャイナリスク。どうすればいいんでしょうか?(2010/04/17)

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