• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

今のチェルノブイリを歩いてみた

“レベル7”から25年、観光地化した惨劇の地

2011年4月18日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 その後、事故現場から18キロメートル地点にあるガイドの詰め所に立ち寄り、これから始まるツアーの説明を受けた。ここで手渡されたガイガーカウンターで、放射線量を測定してみた。その値は毎時0.12マイクロシーベルト(屋外)。ちょうどその日、東京都で測定された放射線量とほぼ同じだった(東京都健康安全研究センター調べ)。

 そして10キロメートル地点。ここで再び車両のチェックを受ける。事故現場への立ち入りが、いかに厳しく監視されているかが分かる。バスから降りることも写真撮影も許されない。バスの中で放射線量を測定すると、18キロメートル地点とほとんど変わらなかった。

4号炉から300メートル、毎時3.5マイクロシーベルト

画像のクリックで拡大表示

 10キロメートル地点を過ぎると、徐々に放射線量は上昇したが、場所によって大きな差があった。例えば、既に廃炉となっている1号炉付近の道路では毎時1.6マイクロシーベルト(車内)だったが、建設を途中で止めた5号炉付近では毎時0.29マイクロシーベルト(車内)。その5号炉が窓越しに見える原発施設内の食堂では毎時0.16マイクロシーベルト(屋内)である。

 最も数値が高かったのが、事故後に放射性物質に汚染されて木々の葉が赤く染まったという「赤い森(レッドフォレスト)」で、ここでは毎時15.5マイクロシーベルト(車内)を記録した。赤い森をバスで通過した時、車内にガイガーカウンターの警報音が鳴り響いた。さすがにこの時ばかりは、多くの観光客の表情に緊張が走った。「大丈夫だと分かっていても、いい気はしない」と、乗客の1人はそうつぶやいた。

 そして爆発を起こした4号炉。防護服を着ることもなくバスを降りて、普段着のままカメラ片手に、事故現場から約300メートルの地点まで近づくことができる。ガイガーカウンターの数値を確認すると、300メートル地点で毎時3.5マイクロシーベルトだった。

 現在、4号炉は放射線を遮蔽するために、コンクリートなどを使った「石棺」と呼ばれるシェルターで覆われている。この石棺は老朽化しており、ウクライナ政府は100年耐え得る巨大なシェルターを新たに建設する予定で、既に基礎工事を始めている。

廃墟の学校に散乱する子供用ガスマスク

画像のクリックで拡大表示

 4号炉を後にして3キロメートルほど離れたところにある町を訪れた。「ゴーストタウン」とも呼ばれ、事故発生から48時間以内に約5万人の住人が避難して廃墟となったプリピャチである。石棺に覆われ記念碑も立つ4号炉より、むしろ、当時の生活が思い起こされるこの町の方が、残酷な事故の記憶を残していた。

 中央広場の周りには、旧ソ連時代に典型的だった画一的な団地が立ち並んでいた。窓ガラスは割れ、壁は朽ち果てている。小学校に足を踏み入れると、破れた教科書や壊れたピアノが残されたままだ。放射能から生徒を守るために持ち込まれたものであろう、教室の片隅に散乱している大量の子供用ガスマスクが、事故の悪夢を今に伝えている。

 広場の中心で放射線量を測定すると毎時2.2マイクロシーベルト。しかし、ガイガーカウンターを地表の裂け目に茂った苔の上に近づけてみると、毎時8.8マイクロシーベルトまで上昇した。放射性物質が、今もこの土地を汚染し続けているのだ。

コメント31件コメント/レビュー

はっきり言って、古い二番煎じ他の雑誌が既に殆ど同様の記事を1年以上前に掲載している。余りにも類似しすぎている。もっと記事を掲載する記者は過去の類似記事が無いかを充分にチェックすべき。(2011/05/10)

オススメ情報

「大竹剛のロンドン万華鏡」のバックナンバー

一覧

「今のチェルノブイリを歩いてみた」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

はっきり言って、古い二番煎じ他の雑誌が既に殆ど同様の記事を1年以上前に掲載している。余りにも類似しすぎている。もっと記事を掲載する記者は過去の類似記事が無いかを充分にチェックすべき。(2011/05/10)

>「現場まで18キロメートル、東京の放射線量とほぼ同じ」このような書き方は、チェルノブイリの周辺地区はそれほど放射線量は高くないという意味で著者の方は書かれたのでしょうが、センセーショナルな記事を好むメディアや海外翻訳家は、”東京の放射線量はチェルノブイリ周辺と同じ”というような訳文をつくります。影響力のあるライターの方々においては、つねに誤訳の標的にさらされているという意識のもとに、誤解の余地を与えないような書き方を心がけて欲しいです。またチェルノブイリの周辺地区の線量の低さを、平常時でない東京の数値と比較して表現するというやり方も納得いきません。0.12mS/hという数値がいつの時点の数値を参考にしているのか記事内において明確にして欲しかったです。(2011/04/23)

原発がコストパフォーマンスに優れるとは聞いて厭きれる。推進派の人々は事故は発生しないと言い続け、増やしてきたが、現に遠い外国ではなく、国内で発生してしまった。それでも推進を言明するタヌキ大臣もいるが…(もはや害悪でしかない)。建設コスト、燃料コスト、運用にかかるコスト、燃料の廃棄にかかるコスト、事故の場合にかかるコスト、補償コスト、廃炉にかかるコスト、そして何よりも通常運用時や事故時に発生する人命に関わるリスクの大きさ。電力の安定供給?それとのトレードオフでこれら全てを背負わなければならない。コスト部分は全て電気料金に転嫁。核燃料の廃棄など何万年レベル。財政赤字を将来のツケに回さないようにと言うのなら、この危険物質の廃棄処理のリスクを将来に回すのはどうなんだ?(2011/04/21)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

海外のクラウドサーバーに データを預けると、企業秘密がその国に筒抜けになりかねない。

太田 大州 富士通シニアエバンジェリスト