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中国の女実業家たちのスキャンダルと失墜

腐敗構造と権力闘争のいけにえ

2013年10月16日(水)

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 9月に元鉄道相の劉志軍(汚職で執行猶予付き死刑判決を受け服役中)の愛人で実業家の丁書苗こと丁羽心の公判があった。その裁判の様子を報じるニュースを見てびっくりした。

 彼女は美人ではないし、体型も身長170センチに体重100キロ前後の巨体なのだが、それでも中国の著名な女性慈善家としてあちこちのメディアにポジティブに報道されていたころは綺麗に化粧もして、オペラ歌手のような堂々たる風貌であった。だが、被告席の彼女に昔日の面影はなく、たるんだ体をピンクの安物のセーターに包み、艶のない白髪まじりの髪は背にそのままたらし、すっぴんの浅黒い眉間にしわを寄せた悲壮な表情で、全身をわななかせて起訴状が読みあげられるのを聞いていた。

 そして読み終わる前にくずれ落ちるように着席した。高血圧と心臓病を患っていることを考慮されて着席を許されたのだという。

 最近、「女老板」(女実業家)の裁判や逮捕が続いている。権力を持つ男の愛人となり、その力を借りて業界のトップに君臨していた彼女らが立て続けに失墜している。その事象の背後から読み取れることを今回は考えてみたい。

劉志軍の出世ために500万元を拠出

 丁書苗の裁判に話を戻そう。

 起訴状によれば、彼女の罪は贈賄と違法経済利益取得。2008年から2010年の間、劉志軍の意を受けて、2度にわたり4900万元(約7億9000万円)の金を提供した。また38回にわたって、国務院扶貧開発指導小組弁公室外資項目管理センター主任に対し4000万元以上相当の贈り物をした。さらに2007年から2010年の間に国家の規定に違反し、鉄道部関係者の協力を得て57件の鉄道プロジェクトの競争入札を23企業に落札させ、その手数料として20億元以上の違法な経済利益を受け取っていた、という。

 彼女は裁判で劉志軍と約10年の付き合いがあり、劉志軍の出世ために500万元を拠出したともいう。18人の愛人を抱えていたという劉志軍の最古参愛人として、若い愛人を劉志軍のために調達することもあったといわれている。テレビドラマ「紅楼夢」に出資し、その代わり出演の新人女優に劉志軍の相手をさせることを強要したという噂もあった。この噂については公判では触れられず、丁書苗自身も否定している。

 彼女の裁判に関するニュースを見てせつなくなった。貧しい山西省の炭鉱の村で生まれ、小学校も卒業していない。十代で農家に嫁ぎ姑の世話をしながら卵売りから商売を始めた。少しずつ金を貯め、改革開放の時流にのって食堂経営、石炭運送と仕事を拡大し、鉄道部の石炭輸送利権に食い込んでゆく。

 さほど美しくない彼女は、ほかの愛人のように美貌と肉体で男を籠絡するのではなく、甲斐甲斐しく掃除をしたり、時には官僚たちのパンツまで手ずから洗濯したりして、鉄道部幹部たちに取り入った。

 劉志軍の愛人になった後は、多額の賄賂を贈り、彼の「跑官」(お金で官位を買うこと、出世のために上層部に渡す賄賂)にお金も出し、献身的に尽くしている。だが劉志軍からは「豚の脳みそ」とののしられることもあったとか。

コメント5件コメント/レビュー

中国人留学生(女性)に「中国の人口が多いのは、中国人がみんなスケベだからだ。」と罵倒する下衆な日本人がいた。彼女は泣きながら、つたない日本語で反論していた。小生は同じ日本人として、恥ずかしく思い「こんな狭い土地で、1億以上もいるのは、日本人がもっとスケベだからだ。」と言い返してあげた。 中国の女性全員が「女が天から与えられた武器を使って何が悪い。 」と思っていると考えたくないが、それを利用する官僚が多く存在することが、中国国家の深層問題なのだと思う。(2013/10/16)

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「中国の女実業家たちのスキャンダルと失墜」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中国人留学生(女性)に「中国の人口が多いのは、中国人がみんなスケベだからだ。」と罵倒する下衆な日本人がいた。彼女は泣きながら、つたない日本語で反論していた。小生は同じ日本人として、恥ずかしく思い「こんな狭い土地で、1億以上もいるのは、日本人がもっとスケベだからだ。」と言い返してあげた。 中国の女性全員が「女が天から与えられた武器を使って何が悪い。 」と思っていると考えたくないが、それを利用する官僚が多く存在することが、中国国家の深層問題なのだと思う。(2013/10/16)

東南アジアで仕事してます。中国ほどではないとしても旧弊亜細亜の国々にはどこも似たような世界です。日本も同様です。しかし「女が天から与えられた武器を使って何が悪い」と言いきっていいものでしょうか。フェアではなく、破壊的なのです。商品力・技術力・サービス力のイノベーションで勝負する企業が勝ち取った契約が、あっさりそうした女の武器を行使する企業によって奪われ、コピーされることが旧弊亜細亜の国々では日常的に多いのです。 その結果として、フェアなビジネス競争が成立せず、国家の創造力は芽の段階で破壊されます。優秀な医大生は美容外科整形に流れ、医療は荒廃します。美女には、美しい世界を創造しなさいという「天から与えられた使命がある」と思います。(2013/10/16)

筆者は最後に「いけにえ」と言っているがそれは違う。自らリスクを背負ってリターンを得たわけで、取りいっている人間が失脚すればこうなることは彼女達も解っていたことなのでは?(2013/10/16)

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