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金井会長が語る マツダ変革への挑戦(最終回)

理想を追え、ただし合理的に

2018年3月23日(金)

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マツダの変革は、株式の33.4%を支配していた米フォード・モーターから「理解不能な暴走」と見られる可能性があった。「当時の社長は『おまえら、本気か』くらいは言われた、かもしれませんね」と金井氏は韜晦(とうかい)してみせる。
2008年9月のリーマンショックでフォードは急激に業績を悪化させ、11月にマツダ株の大半を売却。ブレーキが踏まれることはなかった。とはいえ、リーマンショックはマツダの業績にも大ダメージを与え、さらに11年には東日本大震災が発生。改革の途上でマツダは窮地に追い込まれた。

金井 誠太(かない・せいた)
マツダ会長。1950年1月17日生まれ、広島県出身。74年、東京工業大学工学部を卒業、東洋工業(現マツダ)入社。サスペンションなどシャシー(足回り)のエンジニアとして社歴を重ねる。2002年、主査を務めた初代「アテンザ」は世界的な評価を受けた。06年から研究開発担当の役員として、マツダの全車種を刷新する「一括企画」を主導。専務、副社長、副会長を経て、14年から現職。

 2007年3月に発表した「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」では「すべてのお客様に走る歓びと優れた環境・安全性能」を打ち出し、翌年6月には「15年までに、マツダのクルマの平均燃費を30%改善させる」と公表しました。燃費はイコール環境性能です。内燃機関の徹底改良こそ最優先、そこに最低限の電気デバイスを加えることで、環境規制を乗り切ると宣言したわけです。しかも楽しい走りと、お手ごろな価格も実現してみせる、それがマツダの「モノ造り革新」だ、と。

 ああ、この発表にいらした同僚の記者の方がいるんですか、どう受け止められてました? 「何を言っているかさっぱり分からなかった」、なるほど(笑)。我々は「マツダはこうして生き残るんだ」というロードマップを示したつもりでしたが、世界一の性能だとぶち上げても、だいたいが「ほんまかいな」でした。半信半疑ならまだしも、一信九疑ぐらいの人ばっかりで(笑)。

 概してそういう反応で、インパクトを与えられなかった。それは社内でも、実のところ「ほんまかいな」の人が、当時は圧倒的に多かったんじゃないでしょうか。特に国内は、当時はトヨタさんのHV(ハイブリッド車)が全盛で、我々が「理想の燃焼を追求し、全車に展開するほうが環境への貢献は大きい」と主張しても「マツダはお金がないからHVが作れない」くらいにしか受け止めてもらえなかったようです。今の、「電動車=EV(電気自動車)」と勘違いされている雰囲気と、通じるところがありますね。

日経ビジネス2018年3月26日号 84~87ページより

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