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大田昌秀が遺したこと

2017年6月23日(金)

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政治
金田 信一郎
かねだ・しんいちろう
本誌編集委員。ニューヨーク特派員、日本経済新聞編集委員などを経て現職。

 沖縄戦を経験し、沖縄県知事を2期8年務めた大田昌秀氏が92年の生涯に幕を閉じた。米軍基地問題を訴え、国家と激しくぶつかった政治家が後世に遺したものは何だったのか。

 亡くなった6月12日、その日は92回目の誕生日であり、人生最後の著作が出版される日でもあった。

 『沖縄鉄血勤皇隊』。19歳にして沖縄戦に動員され、学友たちが戦場で無残に散っていった。その哀悼の記録集である。若い中学生が目の前で次々と倒れると、大田氏は砲弾が飛び交う中、亡骸を埋め、目印の石を置いた。

 終戦を迎えた時、最後の激戦地、摩文仁海岸の岩陰に身を潜めていた。食料をめぐって日本兵が殺し合う様を見た。しばらく終戦を信じられず、投降したのは2カ月後のことだった。

日経ビジネス2017年6月26日号 8ページより

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