PROLOGUE

有訓無訓

為末 大[元プロ陸上選手]

2017年7月14日(金)

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別の人生にも役立つ普遍性のある能力は
成果だけでは見えてこない

 陸上選手を引退して約5年がたちました。その後、テレビに出演したり、会社を立ち上げたり、いろんなことに挑戦してきました。プロのハードル選手から転身するというキャリアチェンジを図ってきたわけですが、その中で自問自答してきたことがあります。

(写真=陶山 勉)

 スポーツは明確な目標やモチベーションがある世界です。僕にはハードル競技で世界で1番になるという強烈な目標がありました。世界陸上の400mハードルで2回、銅メダルを取ることができたのもその目標があったからだと思います。引退してそれがなくなったら自分はどうすればいいのか。それが悩みであり不安でした。

 現役時代からテレビに出ていた経験があったので、テレビの世界で生きていくことも考えられました。でもスポーツ選手にはある種の過大評価が伴うことがあります。果たして本来の評価に戻ったらどうなるのか。ビジネスをやるにしても、大手商社で働いていて、海外のビジネススクールに留学経験のある同級生の話を聞いてもさっぱり分からない。自信は持てませんでした。

日経ビジネス2017年7月17日号 1ページより

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