EPILOGUE

賢人の警鐘

茂木友三郎[キッコーマン取締役名誉会長・取締役会議長]

2017年11月3日(金)

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PROFILE
1935年生まれ。慶応義塾大学卒業、キッコーマン入社。米コロンビア大学経営大学院修了。95年社長、2004年会長、2011年から現職。2014年6月、日本生産性本部会長に就任。
(写真=陶山 勉)

「学生の本分は勉強。 勉強しない学生に 無償化支援は意味がない」

 日本の大学進学率が高くなって喜んでいる人がいるが、私は決して喜べない。なぜなら大半の学生が勉強しないからだ。アルバイトに精を出す学生が多く、フルタイムに近い勤務形態の学生もいると聞く。アルバイトが全て悪いとは言わないが、フルタイム勤務では十分な勉強ができない。安い労働力として活用している産業界も反省すべきところだ。

 運動部の活動に力を入れている学生も多い。学校に行くのは朝だけで、練習ばかりしているのは明らかにおかしい。米国では学校の成績が悪い学生は、部活動を休部しなければならない。以前、私の母校であるコロンビア大学のアメリカンフットボールのチームが来日した際、チームの監督から「たとえ良い選手でも、前期の大学の成績が悪ければ連れてこない。今シーズンは出場させない」と聞いた。学生の本分は勉強なのだ。日本でも同じようにすべきだ。

 米国に留学して驚いたのは、学生によく勉強させることである。私の場合は経営大学院だったが、留学した2年間で体重が10kgも減った。朝は8時に起きて9時に学校に行く。午後3時までの授業の後、間に夕食をとって夜11時ごろまで図書館で勉強する。さらに寄宿舎に戻り、論文や事例研究などの準備をすると朝の3時か4時になる。起きるのが8時だから、体重がおのずと減ってしまう。土曜も一日中勉強し、休むのは日曜の午前中だけ。学期が始まったら終わるまでマラソンレースのように走り続けなければならない。アルバイトや運動などの時間はなかった。

日経ビジネス2017年11月6日号 114ページより

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