特集 AI 世界制覇の攻防

Part3

優秀な「教師」が日本の切り札

独自性の再定義

2017年5月19日(金)

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AIがもたらすのは破壊だけではない。人間ならではの作業を再定義する好機になる。製造現場に優秀な「教師」が存在する間に、AIを進化させることが日本企業の生きる道だ。

 1日に5万3000本のタイヤを生産するブリヂストンの主力拠点、彦根工場でAIによる“革命”が始まった。主役は昨年導入したタイヤ成型システムの「EXAMATION(エクサメーション)」。同社消費財生産システム開発部の浦和彦部長は「AIを使って自動制御することでタイヤの“真円度”が高まり、生産性は2倍に向上した」と胸を張る。

 タイヤを丸く作るのは非常に難しい。とりわけ高度な技術が求められるのが、ゴムやスチールコードからなる10~20の部材を回転するドラムに巻き付ける成型工程だ。「トレッド」などの部材の中心線を合わせなければ、タイヤが微妙に偏ってしまう。ゴムの端と端がつなぎ目で重なったり、長さが足りなかったりすれば、段差が生じて真円から遠ざかる。こうしたタイヤをクルマに装着すると、不快な上下動の原因になりかねない。

 ゴムは暑いと軟らかく、寒いと硬くなる。伸縮度合いは部材によって千差万別だ。そのため従来は、熟練の作業員がつなぎ目部分を目視し、手作業で部材を貼り合わせる必要があった。一方で「成型工程は全ての部材と情報が集まる、タイヤ生産の中核」(浦部長)であるため、人手が必要なままでは生産効率を飛躍的に高めるのは難しい。

2000項目の相関関係を分析

日経ビジネス2017年5月22日号 36~39ページより

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