特集 東芝の〝遺言〟

Part2

粉飾の傷口広げた “第三者”の助言

2017年6月23日(金)

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米ウエスチングハウスののれん減損と、パソコン事業のバイセル取引。東芝の経営危機を深刻化させた2つの問題の背後には、会計のプロ集団がいた。新たに入手した資料で、トップを含む複数のデロイトトーマツ幹部の関与が判明した。

原子力の減損とバイセルで緊密に連携
●東芝とデロイトトーマツグループの関係
東芝 デロイトトーマツ
(写真=AP/アフロ)
西田厚聰社長が約6000億円を投じて米ウエスチングハウスを買収
2006年
(写真=Haruyoshi Yamaguchi/アフロ)
佐々木則夫社長が、2015年度までに39基の原発新設を受注すると発表
2009年
3月 東日本大震災により福島第1原発事故が発生 2011年 デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー(DTFA)が「のれんの減損に関する相談業務」を受託
7月 WHが単体決算で762億円を減損処理し、営業赤字に転落
12月 減損を回避するため、将来計画の策定を行うとの方針が、東芝財務部から久保誠CFOに伝えられる
2013年 「WEC減損テスト相談業務」を受託
12月 複数の前提条件を付けつつ、減損テストの実施を引き延ばせる可能性があると提案
3月 久保CFOがメールを送信
WHが394億円を減損処理、2年連続で営業赤字に転落
9月 パソコンのバイセル取引に関する「会計士監査・税務調査対応」マニュアルを作成
2014年 複数の会計相談業務を継続的に受託
減損についての監査法人対応を東芝にアドバイス
4月 不正会計が発覚、特別調査委員会を設置
5月 第三者委員会を設置
5月 デロイトや新日本監査法人と共謀し、第三者委員会の調査範囲からWHを外す
7月 不正会計の責任を取り、歴代3社長ら取締役が一斉に退任
東芝が設置した第三者委員会は、米ウエスチングハウス問題を調査しなかった(写真=新関 雅士)
2015年 4月 DTFAの築島繁氏が特別調査委員会の委員に
5月 第三者委員会の委員に、監査法人トーマツOBの山田和保氏が就任。調査補助者にDTFAを起用
7月 小川陽一郎氏がデロイトトーマツグループCEOに就任
9月 監査法人トーマツ元包括代表(CEO)の佐藤良二氏(下写真の右から2人目)が、東芝取締役に就任。監査委員会委員長となる
(写真=竹井 俊晴)

 東芝問題がここまで深刻化した最大の戦犯は、粉飾決算に手を染めてきた歴代の経営陣だ。問題を追及せず、結果として放置してきた新日本監査法人の責任も重い。だが、一連の粉飾決算にはもう一人の“役者”がいる。財務と会計のプロフェッショナル集団である、デロイトトーマツグループだ。

 本誌は今回、社内システムや電子メールの記録など様々な内部資料を入手。複数のデロイトOBからも証言を得た。取材の結果、現在のグループCEO(最高経営責任者)である小川陽一郎氏を含む数十人の幹部が、東芝問題に深く関与していたことが新たに判明した。

 資料によるとデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー(DTFA)は2011年以降、「のれんの減損に関する相談業務」や「WEC減損テスト相談業務」など複数の「FAS業務」を東芝から受託している。FASは「ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス」の略称で、財務に関する相談を意味する。WECとは東芝社内での米ウエスチングハウス(WH)の呼称だ。

日経ビジネス2017年6月26日号 32~35ページより

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