特集 それは訴えてもムダ

新経営リスク【4】

当局の理不尽な見解

2017年11月3日(金)

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(写真=左:稲垣 純也、右:北山 宏一)

 納めた酒税115億円を返して──。今年6月、そんな訴訟の第1回口頭弁論が始まった。訴訟を提起したのはサッポロビールで、訴えた相手は国税当局。4年にわたって続いているビール系飲料「極ゼロ」の問題に決着をつけるべく、司法の場に持ち込んだのだ。

当局と企業の争いが相次ぐ
税務署対企業
サッポロ酒税訴訟 サッポロビールが酒税率の低い「第三のビール」として発売した「極ゼロ」を巡る訴訟。一度は「発泡酒」に該当した場合に支払うべきだった酒税との差額を国に納付。その後、これを不服として、今年4月に提訴
「残波」役員報酬訴訟 泡盛「残波」を製造する比嘉酒造の役員報酬と退職金が不当に高額であるとして、約1億3000万円を追徴課税されたことを巡る訴訟。今年3月に会社側が上告
ホンダ移転価格税制訴訟 ホンダが海外子会社との取引を巡り「移転価格税制」に基づいて追徴課税されたことを不服とした訴訟。2015年5月、ホンダの勝訴が決まり、約75億円の課税処分が取り消しに
労基署対企業
三菱電機労働基準法違反容疑 今年1月、労使協定の上限を超える残業を研究職の男性にさせたとして、神奈川労働局が三菱電機と労務担当社員を書類送検したが、横浜地検は嫌疑不十分で不起訴処分に

 同社が税率の安い「第三のビール」として極ゼロを発売したのは2013年。当局はこれを第三のビールに該当しない可能性があると指摘した。これを受けてサッポロは販売を終了。「発泡酒」に該当した場合に支払うべきだった酒税との差額115億円を一旦は納税する。

 しかし、サッポロ側は納得したわけではなかった。その後、判断の見直しと税の返還を要求。国税当局にこの請求を退けられ、16年10月には国税不服審判所への審査請求も棄却されたが、それでも諦めず、今度は、請求を退けた判断を不当として提訴したのだ。

 サッポロにしてみれば、消費者ニーズに応えようとする企業努力をことごとく潰されては、経営は成り立たない。税務訴訟に詳しいマリタックス法律事務所の山下清兵衛弁護士は、「ここ最近、ビール業界に限らず他の産業でも、当局の理不尽な要求が増えている印象が強い」と話す。

日経ビジネス2017年11月6日号 32~33ページより

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