世界鳥瞰

インドで“監視国家”巡る攻防激化

2018年2月22日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

インドで、生体認証IDカード「アドハー」が拡大を続ける。指紋などの生体データとID番号を結び付けた仕組みだ。配給の不正受給防止が目的だったが、携帯電話の契約や鉄道の切符購入にもひも付ける動きが始まった。反対派は小説『一九八四年』が描く全体主義社会の到来を懸念する。

自分の銀行口座からお金を引き出すため指紋を提示するインドの市民。政府はデジタル決済への移行を促すのにアドハーを利用している(写真=AFP/アフロ)

 インドは10年近く前、世界銀行が「この世で最も洗練されたデジタルID構想」と呼ぶ計画を立ち上げた。煩雑かつ漏れの多い福祉制度を徹底的に整備するため、13億人の国民一人ひとりに固有の生体認証IDカードを持たせる取り組みだ。

 そんなことは無理に決まっているという予想に反し、今日では、インドの成人のほとんどがこの「アドハー」カードを所有している。インド政府は、福祉手当の不正受給をなくすという当初の目的だけでなく、脱税やテロの取り締まりにこのシステムを利用すべく動き始めた。この事態の進展を懸念する人たちが最高裁判所に訴える事態に陥っている。

 現在、約30人の原告の代理人を務める弁護士たちが最高裁で「アドハーはプライバシーに関する基本的人権を侵害する」と主張。インド憲法の解釈を改めるよう求めている。今から数週間のうちにこの野心的なアドハー計画が終焉に向かう可能性がある。

日経ビジネス2018年2月26日号 110~111ページより

この記事は
日経ビジネスDigital(雑誌デジタル版)」の有料記事です。
ログインすることで全文をお読みいただけます

日経ビジネスDigital
無料体験(7日間)に申し込む
無料ポイントで読む

すべての有料記事が7日間読み放題

日経ビジネスオンライン会員(無料)
の方は、月3本までお読みいただけます。

申し込み初月無料。月初がお得!

「世界鳥瞰」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスDigitalトップページへ