世界鳥瞰

「暴露された」スパイが生む脅威

2018年4月5日(木)

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ロシアの元スパイに対し英国内で神経剤が使われたのを受けて、ロシア外交官の追放劇が欧米全体で展開されている。皮肉なことにスパイの価値は、彼らが機密情報を「暴露した」時ではなく、彼らの正体が「暴露された」時に生じる。「他にもスパイがいる」との疑心暗鬼が、諜報機関の力と、社会に対する市民の信頼を失わしめる。

 私は新著を書き上げたばかりだ。ロシアと英国の二重スパイたちが暗躍する冷戦時代を描いた。私の脳裏には、これらのスパイが国境を越えて行き来し、英国の首相の元に足しげく通い、そして(それがロシア人なら)殺される光景がまざまざと浮かんだ(英国のスパイ、とりわけ上流階級出身のスパイは無罪放免とされるのが常だった)。

スクリパリ氏(左)は旧ソ連製の神経剤で襲われた(写真=TASS/アフロ)

 今も状況はほとんど変わっていない。ロシアの二重スパイだったセルゲイ・スクリパリ氏と娘のユリアさんは、英国南西部に位置するソールズベリーで瀕死の状態で横たわっているところを発見された。旧ソ連時代に開発された神経剤「ノビチョク」によって襲われてから数週間*1がたっていた。

 旧ソ連・国家保安委員会(KGB)に在籍した経験を持つ、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、同氏自身を形作った世界、すなわち諜報活動が繰り広げられた冷戦下の世界を再生しようとしている。

日経ビジネス2018年4月9日号 94~95ページより

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