世界鳥瞰

金正恩、悪役返上して米朝会談へ

2018年5月10日(木)

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南北首脳会談後、韓国の世論は過去の脅しなどなかったかのように北朝鮮寄りに変わった。トランプ政権は米朝首脳会談に向け、同大統領の手柄を示す場になると楽観的な見通しを示す。しかし、対北朝鮮交渉を担ってきた米国の元高官らは、金正恩委員長の戦略の巧みさを指摘する。

南北首脳会談後、金正恩委員長に対して韓国市民が抱く印象は劇的に好転した。文在寅大統領の支持率も80%を超えた(写真=AP/アフロ)

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は楽観主義者だ。加えて、物事の象徴性を考慮する。同大統領は2017年7月6日にドイツのベルリンで演説し、朝鮮半島の緊張緩和に向けた戦略の概要を示した。この時、同大統領は、東西ドイツ統一にゆかりのある場所で演説することにこだわった。

 この演説の2日前に、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を初めて実施した。それでも文大統領は情熱的に平和を訴えた。東西ドイツの代表者が1990年に統一を交渉した場所で語ることで、朝鮮半島の統一という夢を伝えられると期待したのだ。

日経ビジネス2018年5月14日号 104~105ページより

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