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シバタ ナオキ(シバタ・ナオキ)

AppGrooves / SearchMan共同創業者

シバタ ナオキ

元・楽天株式会社執行役員、東京大学工学系研究科助教、スタンフォード大学客員研究員。東京大学工学系研究科博士課程修了(工学博士、技術経営学専攻)。スタートアップ(AppGrooves / SearchMan)を経営する傍ら、noteで「決算が読めるようになるノート」を連載中。経営者やビジネスパーソン、技術者などに向けて決算分析の独自ノウハウを伝授している。2017年7月に書籍『MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣』(日経BP社)を発刊。

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決算が読めるようになるノート
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※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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 スマホでの音声入力に出会って、仕事の生産性がグッと上がりました。自称「生産性マニア」と言えるほど、短い時間で最大のアウトプットを出すかという点にこだわっていますが、過去数年間で最大の生産性向上です。
 社内のコミュニケーション(メッセンジャー・メールなど)は英語も日本語も全て音声入力で対応出来ています。多少の変換ミスはありますが、気にせず音声入力で返信します。
 こうすることで、机に座っていない時間でも、チームとして仕事が進むようになり、私個人だけではなく、チームでの生産性も大きく向上しました。まだ音声入力を使いこなせていない方は是非お試しください。
 ちなみに「決算が読めるようになるノート」も音声入力をフル活用して執筆しています。

テクノロジーの地政学

無人店舗、現金お断り…小売先進国・中国の内情

2018年9月19日(水)

 「Software is Eating the World」。

 この言葉が示すように、近年はソフトウェアの進化が製造業や金融業などさまざまな産業に影響を及ぼしています。そこで、具体的に既存産業をどのように侵食しつつあるのか、最新トレンドとその背景を専門外の方々にも分かりやすく解説する目的で始めたのが、オンライン講座「テクノロジーの地政学」です。

 この連載では、全12回の講座内容をダイジェストでご紹介していきます。

 講座を運営するのは、米シリコンバレーで約20年間働いている起業家で、現在はコンサルティングや投資業を行っている吉川欣也と、Webコンテンツプラットフォームnoteの連載「決算が読めるようになるノート」で日米のテクノロジー企業の最新ビジネスモデルを解説しているシバタナオキです。我々2名が、特定の技術分野に精通する有識者をゲストとしてお招きし、シリコンバレーと中国の最新事情を交互に伺っていく形式で講座を行っています。

 今回ご紹介するのは、最終回となる12回目の講座「小売:中国」編。ゲストは、上海を中心に中国のデジタルスポット情報を発信するブログ『たきさんのちゃいなブログ』で知られる滝沢頼子氏です。

デジタルマーケットで世界一、次の一手は?

滝沢頼子氏
大学卒業後、株式会社ビービットに入社。Webサービスなどのユーザビリティコンサルタントとしてデジタルマーケティングを中心としたコンサルティングに従事した後、同社の上海オフィス立ち上げのため半年間中国に駐在。2017年には上海にあるデジタルマーケティング会社に転職。その頃から中国の最先端デジタルスポットを巡るようになり、ブログ『たきさんのちゃいなブログ』で情報発信を始める。2018年、日本に帰国し、株式会社Lincというスタートアップで来日外国人材を留学からキャリアまで一気通貫でサポートする事業を推進している。

 中国の小売マーケット動向を把握する上で、人口の多さを見逃すわけにはいかないでしょう。世界銀行の調べでは国内人口が約13億8000万人(2016年時点)となっており、小売・消費財のプレーヤーにとっては超が付くほど巨大なマーケットです。実際、ECをはじめとした「デジタルマーケット」の売上規模は、すでに中国が世界一になっているようです。

シバタ:まずは、マーケット調査メディアの独『Statista』が調査したBtoC向けデジタルマーケットの売上予測を見てみましょう。

 ここでいうデジタルマーケットとは「EC」「トラベル」「メディア」を足した市場で、2018年、主要先進国では中国が約$765 Billion(約76兆5000億円)で世界一の売上となる見込みです。それまで首位だったアメリカを2017年時点で抜いており、2019年には約$900 Billion(約90兆円)規模まで伸びると予想されています。

米Statista「China Will Be the World's Largest Digital Market by 2018」(2017年4月27日)より抜粋

 中国の勢いを推し量る別のデータとして、同国のモバイルインターネット研究組織であるiiMedia Researchの「Market Share of Cross-border E-commerce Platforms」という調査を見ると、BtoCの「越境EC」でも中国企業が強いという結果が出ています。

 越境ECとはいわゆるクロスボーダーECのことで、海外の商品を売り買いするプラットフォームを指します。このジャンルの2017年・第4四半期売上高シェアを見ると、1位はAlibaba GroupのTmall(ティーモール/天猫)で27.6%、2位はNetEaseという中国企業が運営するKaola(コアラ/网易考拉)で20.5%、3位はJD(ジンドン/京東商城)で13.8%となっています。

吉川:同調査によると、世界的に伸びているAmazonですらシェアが9.1%なので、思っている以上に中国の越境ECが強いということですね。

シバタ:続いて、日本でもメルカリの躍進で改めて注目されるようになったCtoCマーケットプレイスの動向を見てみましょう。

 国内外のEC業者を調査・コンサルティングしているエンパワーショップのブログメディア『eコマースコンバージョンラボ』が2018年6月に発表した「2017年EC流通総額ランキング」によると、世界のCtoCマーケットプレイスの流通総額ランキングで断トツ1位なのが、推測で約43兆円のTaobao(タオバオ/淘宝)でした。

吉川:TaobaoもAlibaba Groupですね。2位の米eBayが約9兆円、日本で最も高い流通総額だったヤフオク!が9,346億円なので、比較するとAlibaba Groupがいかにすごいかお分かりになると思います。

シバタ:ここまでオンラインのトレンドを紹介してきましたが、中国では無人コンビニをはじめとしたリアルの実店舗もだいぶ進化しているようです。

 調査会社の米CB Insightsの調べでは、中国における無人店舗関連スタートアップへの投資総額は2017年に$140 Million(約140億円)超となり、過去最高を記録。前年の2016年は$5 Million(約5億円)あるかないかくらいの投資額だったので、1年でいきなり100億円以上も投資が増えたことになります。

 CB Insightsはこの背景に、Amazonが2018年1月にオープンした無人コンビニ「Amazon Go」(アマゾン・ゴー)の存在があると分析しています。Amazonが無人コンビニ構想を発表したのが2015年。同社内に実験用の店舗ができたのが2016年12月ですから、Amazonに追い付き追い越せと一気に投資が進んだということです。

 そして、この無人店舗を支えるコアテクノロジーとなっているQRコード決済は、中国の各都市で普及が進んでいるようです。

滝沢:私が中国で生活していた2017年~2018年初頭だと、少なくとも上海ではほとんど現金を使わずに生活できるようになっていました。おばあちゃんが1人でやっているような個人商店にもQRコードが貼ってあって、以前行ったお寺ではお線香を買うのですらQRコード決済でした(笑)。

お寺のお線香をQRコード決済で購入する模様(撮影は滝沢氏)

 最近は「現金お断り」と書いてあるお店まで出てきて、スマートフォンがあればもうお財布はいらないという状態です。スマホの電源が切れたり、盗まれたりしたら困るので、一応100元(約1,600円)だけ持って外出する、みたいな。

吉川:シリコンバレーもキャッシュレス社会なので、僕らも日ごろ、現金は$20(約2,000円)くらいしか持ち歩かないですよね。ただ、QRコードを使うことはほとんどない。そこが大きな違いです。

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