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小竹 貴子(こたけ・たかこ)

クックパッド株式会社ブランディング・広報担当本部長

小竹 貴子

1972年、石川県金沢市生まれ。 関西学院大学社会学部卒業。webディレクターとして経験を積み、2004年有限会社コイン(現クックパッド株式会社)へ入社。編集長を経て執行役に就任、2009年「日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2010」を受賞。2012年同社退社。その後、フリーにて料理や食に取り組むサービスの事業支援を行う。2016年4月から再びクックパッド株式会社に復帰、現在、ブランディング・広報担当本部長。2016年3月よりクックパッド料理教室事業部長も兼務。個人としても執筆、スタートアップの事業支援等も行っている。

◇主な著書
月給たった5万円! でも、選びました 空回りの20代から、30代でクックパッドの役員になれたわけ』(講談社) 2013

◇関連リンク
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※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

おいしい未来はここにある~突撃!食卓イノベーション

ミツカン社員がプロの厨房で“修業”するわけ(前編)

2018年9月26日(水)

 1997年の創業から21年、日本の家庭の食卓文化をリードしてきた“フードテック”の老舗、クックパッド。その初期メンバーであり、現在は同社のブランディング部門を率いる小竹貴子氏が、気になるフードビジネスの新芽をピックアップし、現場を訪ねる。今回は味覚のリサーチに特化した専門部署を立ち上げ、商品開発を手掛けるミツカンの、MD本部味確認室専任課長、高取順さんに話を聞いた。今回はその前編(取材/2018年6月13日、構成/宮本恵理子)。

Mizkan(ミツカン)MD本部味確認室専任課長・高取順さん(写真:竹井俊晴、ほかも同じ)

小竹貴子氏(以下、小竹):私は仕事柄、いろいろな食品メーカーさんとお付き合いがありますが、中でもミツカンはデータを重視したマーケティングに力を入れている企業というイメージがあります。そのミツカンが、味覚のリサーチに特化した専門部署を立ち上げ、商品開発にいたったそうですね。

高取専任課長(以下、高取):はい。ミツカンとしての「おいしさ」や中身の品質を限りなく高めることを目的として、2014年に「味確認室」を立ち上げました。私はその発足当初から専任でやっています。

 味確認室が立ち上がった背景をお話しすると、マーケティングリサーチを数多くやってきた私たちが、「調査に頼るだけでは限界がある」と感じ始めたという経緯がありました。

 リサーチ結果を集約して商品開発をすると、どうしても平均的な味にまとまってしまう。さらに昨今は消費者が求める傾向も、「簡単・便利・手間がかからない」といった部分の比重が大きくなっていて、おいしさへの関与度が低くなっているという問題意識もありました。

小竹:おいしさに対する関心が薄くなってきている、と。それも調査結果から見えたことだったのでしょうか。

高取:そうですね。我々が少しずつ味を変えて比較テストする時に、かなりクオリティーを上げたものを試食いただいたつもりでも、お客様からは「普通」とか「まぁ、おいしい」といった反応しか返ってこないことが増えてきたんです。おいしさを表現する言葉のバリエーションも少なくなってきている。

 メーカーとしては、「であれば、より安くつくれるほうでいいじゃないか」という結論に陥りがちですが、それでは日本人の味覚そのものが落ちてしまうのではないか、おいしさをもっと磨いて提供していくには、消費者の声を集めるだけでなく、プロフェッショナルに学ぶ姿勢が必要ではないか、などと考えて味確認室を立ち上げました。

小竹:プロの料理人の元に足を運び、味覚を学んで商品開発に生かす活動を続けているのですよね。高取さんお一人だけでもかなりのリサーチをなさっているそうですが、述べ何軒くらいのお店を訪れたのでしょうか。

高取:1日に2~3軒回ってきましたから、4年で1500軒くらいでしょうか。一番多いのは和食のお店ですが、ジャンルは問いません。ここぞというお店には2日連続通うこともよくあります。出勤前には築地にもよく行くんです。

小竹:築地に行って何をしているんですか。

高取:魚について教えてもらうんです。うちの主力商品である酢を使う寿司について理解しようと思ったら、やはり魚についても勉強しなくてはいけませんからね。

 魚や米といった食材そのものの知識を得るために築地に通っています。東京はもちろん、国内の津々浦々、海外にもリサーチに行っています。もちろん、会社のミッションとして行っていますから、毎回店名をリストアップして、役員の承認を得ての活動です。

小竹:データ重視のミツカンさんが、足を使って店に通い、舌で味を感じるアナログな研究に立ち返ったというのが意外ですね。

高取:おいしさへの関与度、つまりこだわりが一番強い人は誰かと考えた時、やはり毎日食材に向き合いながら真剣にその日の料理をどうおいしく作るか考え続けている料理人の方から学べることは多いだろうと考えたんです。実際に、そうだと実感していますね。

 私たちはお店に伺って単に話を聞くだけでなく、必ず料理をいただいて、可能な限り、料理長に隣に座っていただいて味の解説をしてもらうんです。舌で味を確かめながら、「高取さん、これが我々が○○と表現する味なんだよ」と教えてもらうことで味についての理解が深まるし、おいしさを表現するボキャブラリー、“味言葉”が備わってくるんです。

小竹:特に印象的だった言葉はありますか。

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