• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

宇野 隆史(うの・たかし)

楽コーポレーション社長

宇野 隆史

1944年、東京生まれ。早稲田大学を中退し、飲食業の道に入る。78年、楽コーポレーションを設立し、東京・経堂に大皿総菜料理店の草分けとなる居酒屋「くいものや汁べゑ」や「極楽屋」を開く。81年には東京・下北沢に「くいものや楽」を出店。88年には個人経営だった楽コーポレーションを株式会社に改組し、社長に就任。現在は、首都圏に約20店を展開する。

◇主な著書
トマトが切れれば、メシ屋はできる 栓が抜ければ、飲み屋ができる』(日経BP) 2011
笑う店には客来たる 楽しむ人には福が舞う』(日経BP) 2013

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

楽コーポレーション 宇野隆史社長の「若者よ、一国一城の主になれ!」

「濃い店」じゃなくちゃ、繁盛しない

2018年7月26日(木)

居酒屋運営、楽コーポレーション(東京・世田谷)の宇野隆史社長は、昨年から今年にかけて同社グループの3店を閉めた。「楽コーポレーションも営業力に陰り?」と心配するところだ。しかし実はこの閉店は、同社らしい「攻めの閉店」といえるものだった。

 昨年から今年にかけて、うちはグループの店を3軒閉めた。普通の会社だったら、「あの会社、大丈夫か」と心配されるところだ。店を閉めた理由はうちから独立していく子たちが、このところ急激に増えているからだ。少し前に独立した子たちの店が、これまでにないほど繁盛しているから、それを見た子もすぐ独立したくなるんだよね。だいたい毎年5人ぐらいはうちを「卒業」していたんだけど、今年は10人。店長を任せられるぐらいまで育った子たちがそれだけいなくなった上、一緒に店を開くためにアルバイトの子を連れていったりするから、20人は人手が減る。

 3軒を閉めたら、会社全体の売り上げは当然大きく下がる。普通だったらどうにか人材を確保して店を継続しようとするんだろうけど、オレはそう思わない。

 オレは飲食業界に入って約50年の間、ほぼ社員の募集をしたことがないの。うちに来るのは、店に飲みに来て他の店にないエネルギーを感じてくれたり、知り合いから「面白い店があるよ」って紹介されたりして自分から応募してくるような子ばかりだからさ。ごく最近、息子たちが募集広告を試したことがあるんだけど、広告で集まる子は、うちの持つエネルギーじゃなくて、採用条件で判断するわけでしょ。条件だけだったら、うちよりいいところはあるよね。

 うちの店に来て「この店、面白いな」って感じてくれる子は、その感度自体が既にその子の素質。つまり、その瞬間からその子の繁盛店づくりに向けた物語がもう始まっているんだ。

 だから、うちの子の卒業が増えたからって店を続けるために無理に人を集めて、うちの店を面白いと感じる子たちの熱気が薄まってしまうようなら本末転倒。うちは、社員全員が独立に向けて切磋琢磨しているからこそ、「濃い」営業ができて、独立して店を繁盛させるための細かなノウハウや自信がそれぞれの子に身に付くんだ。

宇野社長はかつて一度だけ、東京・下北沢駅に「男なら一国一城の主になれ!」と書いた特大のポスターを張り出したことがある。今はその縮小版を店内に張る(写真)。当時、ポスターを張り出した狙いは、求人というよりこんな元気な店が下北沢にあると伝えるためだった。今も、店を訪れて「一国一城の主」という言葉に魅力を感じた若者が働きたいと集まる(写真:室川イサオ)

続きを読む

著者記事一覧

もっと見る

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

外交において個人プレーで短期的な成果を手にしようというのは交渉相手の術中にはまり、うまくいかないものです。

齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官