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西村 友作(にしむら・ゆうさく)

対外経済貿易大学 教授

西村 友作

1974年熊本県生まれ。2010年に中国の経済金融系重点大学である対外経済貿易大学で経済学博士号取得後、日本人としては初めて同大専任講師として正規採用される。同副教授を経て、2018年より現職。日本銀行北京事務所客員研究員。専門は中国経済・金融。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

西村友作の「隣人の素顔」~リアル・チャイナ

中国eスポーツに年収数億円のゲームキャスター

2018年8月28日(火)

「鳥の巣」で行われたLoL決勝戦の動画。中には再生回数が1億6000万回を超える動画もある。

 4年に一度のアジア最大のスポーツの祭典「第18回アジア競技大会」が18日、インドネシアの首都ジャカルタで開幕した。実施競技は40競技462種目。陸上、水泳、サッカーといった通常のスポーツに加え、今大会ではゲームの勝敗を競う「エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)」がデモンストレーション競技として採用された。

 2022年の中国・杭州大会から正式種目となることも決定しており、中国のeスポーツ市場はここ数年で急拡大してきた。今年7月に出版された『2018 eスポーツ産業報告(競技編)』(上海市新聞出版局・伽馬数据)によると、17年の市場規模は770億元(約1兆2500億円)となり、今年は880億元にまで達すると予想している。

 中国でeスポーツが急速に発展してきた背景には、国・行政レベルでの積極的な支援がある。

 16年4月、中国国家発展改革委員会、教育部、工業情報化部などの24部門が共同で発表した『消費牽引の転換・高度化の促進に関する行動プラン』(以下『プラン』)の第27項に「企業を主体とし、全国的、国際的なeスポーツ・ゲーム・娯楽競技イベントを開催する」と明記された。

 また、同年7月に国家体育総局から発表された『体育産業発展の第13次五ヶ年計画』においても、「消費牽引型のフィットネス・レジャー分野の発展をリードする」重点競技にeスポーツが選出されている。

 これらの政策からも、eスポーツ産業を推進することで、レジャー消費の拡大を期待していることがわかる。

 政策に呼応して「主体」となる企業の参入も相次いでいる。中国メディアの報道によると、騰訊控股(テンセント)が提供する人気オンラインゲーム「王者栄耀(Honor of Kings)」のプロリーグに、ドイツ自動車大手「BMW」、中国のスマートフォン(スマホ)メーカー「vivo」などがスポンサーとして参入し、17年の協賛総額は前年の十倍超となる1億元(約16憶円)に達している。また、17年に中国国内で開催されたeスポーツのイベントは500を超えたという。

 eスポーツ国際大会も中国国内で開催されている。世界で最も競技人口が多いといわれる「リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends,LoL)」の2017年ワールドチャンピオンシップの決勝戦が、北京国家体育場(通称「鳥の巣」)で開催された。

 注目度は極めて高く、この賞金総額約459万ドル(約5.1憶円)、優勝賞金154万ドルを争うビッグイベントの会場には4万3000人を超える観客が集まった。中には再生回数が1億6千万回を超える試合動画もある。

 eスポーツの注目度が高いのには理由がある。中国ではもともとオンラインゲームユーザーが多く、ゲームイベントに関心を示すファンが多いのだ。中国互聯網絡信息中心の統計によると、2017年末現在のオンラインゲームユーザー数は4億4161万人となっている。

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