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グローバル化の流れは終わりを迎える

水野和夫・法政大教授に聞く

2017年6月1日(木)

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英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)や「米国第一主義」を掲げるトランプ米大統領の誕生など、内向き志向を強める世界経済はどこに向かうのか。独自の視点でグローバル経済を論じてきた水野和夫・法政大教授が『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』を上梓した。500年続いた近代システムが、800年の資本主義の歴史とともに終わりを迎えつつあると主張する水野氏は、どんな先行きを見通しているのか。(聞き手は浅松和海)

タイトルにある「閉じてゆく」とはどういう意味でしょうか。

水野:世界の国々は産業革命や技術革新を経て、「より遠く」「より速く」というグローバリズムの動きを進めてきました。こうした動きに逆行し、ある一定規模の同盟という形に回帰したり、自国第一主義の方向に進んだりする動きを「閉じる」と呼んでいます。世界の流れは今、この「閉じる」方向に向かっています。

 グローバル化が進むと、例えばある特定の企業のパワーが大きくなり過ぎるなどの弊害が起こります。ペーパーカンパニーを作って税金を逃れるようなケースも出ています。欧州などでは増えすぎた移民に対し、国民の不満が募っています。これもグローバル化による弊害と言えるでしょう。

水野和夫(みずの・かずお)氏
1953年生まれ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミストなどを経て、16年から現職。5月17日に『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』を発売。他の著書に『株式会社の終焉』『国貧論』など。(写真:都築雅人)

「閉じる」方向へ進んでいるのは世界全体でしょうか。

水野:昨年は英国がEUを離脱し、米国では自国第一主義を抱えるトランプ氏が大統領に選ばれました。どちらもグローバリズムの流れに逆行した、国を「閉じる」動きです。

米国が北朝鮮問題など外交面で積極性を強めています。これはグローバルな動きとも言えないでしょうか。

水野:確かに米国は外交面で積極性を強めている部分もありますが、外交政策については継続性があり、いきなりやめられるものではありません。ただ、司法と争っている入国禁止令などはひるまずにやっています。外交面では難しくても、内政面でできるところでは自国第一主義を進めている状況です。

 日本などから見ればおかしい政策という気もしますが、米国ではヒスパニック系の人口が増え、遠からず多数派になると見られています。入国禁止令に賛成する白人層などは、そうした現状に危機感をおぼえているのだと思います。グローバル化を進めた結果、金融やビジネスの面では、米国は世界を支配してきました。ただ、人の面では逆に「乗っ取られ」そうになっているのが現状なんです。

コメント4件コメント/レビュー

絶対善や絶対悪はなく一長一短で、行き過ぎを反省しては逆に行き過ぎるということでしょう。
大切なのは「自由と民主主義」も守らなければ壊れてしまうということ、天賦の権利ではなく人間の努力の積み重ねの結果だということ。
平和も努力しなければ維持できない。ちなみに批判しやすいものを叩くのは努力ではない楽な道です。(2017/06/02 18:59)

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「グローバル化の流れは終わりを迎える」の著者

浅松 和海

浅松 和海(あさまつ・かずうみ)

日経ビジネス記者

2013年日本経済新聞社入社。整理部で2年間紙面編集をしたあと、証券部で化学業界や株式相場を担当。2017年4月から日経ビジネス記者に。ウリ科が苦手。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

絶対善や絶対悪はなく一長一短で、行き過ぎを反省しては逆に行き過ぎるということでしょう。
大切なのは「自由と民主主義」も守らなければ壊れてしまうということ、天賦の権利ではなく人間の努力の積み重ねの結果だということ。
平和も努力しなければ維持できない。ちなみに批判しやすいものを叩くのは努力ではない楽な道です。(2017/06/02 18:59)

行き過ぎたグローバル化の修正過程であり、民族自立(国民国家)・保護主義との狭間での揺らぎが暫く継続する時代に生きているのかもしれません。でも、この考え方は、イアン・ブレマー氏やNHK/BS1の「欲望の資本主義」のメインテーマでもあり、やや二番煎じの感がしなくもありません。かつて南北問題でも論じられたテーマですが、グローバル化の弊害の一つに、各々国内での格差拡大が極大化する。それと同じ病巣が現在再び蔓延しつつあるのではないでしょうか。米国をはじめ多くの国で国論が二分され、お互い歩み寄ることが不可能なまでに分断化されてしまいました。日本も決して例外ではありません。個人資産等の数値化された指標でも、平均値と中央値のかい離が起きている。また、それが世襲・固定化されつつある。でも、窮すれば変ずを密かに期待したい気分です。(2017/06/01 19:07)

水野さん、法政大学行ったんだ〜。昔、東大を定年退職したマル経の教授、いっぱいとってたけど、その21世紀バージョンってことね。まあそれはいいとして、水野さんには経済成長の終わりが左翼やリベラルの人たちが言うようなユートピアには決してならないってことを、法政の皆さんの期待に反して、しっかり言い聞かせてやって欲しいですね。民主主義だけ無傷で残そうと思ってるかも知れないけど、歴史はそんな甘いもんじゃないと!(2017/06/01 11:04)

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貧乏な家に育ったから、とにかくお金に飢えていた。

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