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ブロックチェーン、電気以上に破壊的な技術

ボストン コンサルティング グループの佐々木靖氏に聞く

  • 大久保 聡=日経BP総研

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2018年5月8日(火)

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 「ビットコイン」や「イーサリアム」など仮想通貨の基幹技術として知られるブロックチェーン。適用範囲は仮想通貨にとどまらず、金融商品や不動産、製品などの取引、所有者が異なる産業機器間の情報伝達など幅広い。企業構造や社会構造に大きな影響を及ぼすパワーを秘め、新しい産業を生む一方、ブロックチェーン導入によって消える企業が出てくるとの指摘がある。ブロックチェーンがビジネス環境に与える影響について詳しい、ボストン コンサルティング グループ(BCG)の佐々木靖氏に聞いた。

ブロックチェーンの特徴を教えてください。

佐々木 靖(ささき・やすし)氏
ボストン コンサルティング グループ(BCG) シニア・パートナー&マネージング・ディレクター
慶應義塾大学経済学部卒業。INSEAD経営学修士(MBA)。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス修士(MSc)。日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)を経て、現在に至る。BCG金融グループのアジア・パシフィック地区リーダー、および保険グループの日本リーダー。共著書に『デジタル革命時代における保険会社経営』 (一般社団法人 金融財政事情研究会)、『BCGが読む 経営の論点2018』(日本経済新聞出版社)他。

佐々木:特徴は大きく2つあります。1つは、インターネットのような仮想世界に「連続性」を与えることです。現実世界では、誰がどのような取引をしているのか、やり取りが明確に分かります。しかし、インターネットのような仮想世界では、現実世界のような「連続性」が存在しません。仮想世界では、手元にあるデータがコピーではなくオリジナルであるという保証はなく、ネットでつながった先が誰なのか(正しい取引相手なのか)、そもそも人間なのか犬なのかさえ保証されていないのです。ブロックチェーンは、仮想世界に現実世界と同様の「連続性」を与えます。

 「連続性」は、アイデンティティや所有権、取引、信用、契約が有効であることをお互いに確認するための重要な土台です。ブロックチェーンによって「連続性」を手に入れることで、仮想世界においても現実世界と同様に信頼性のある取引などが可能になります。ただし、ブロックチェーンによって仮想世界の中での連続性は担保されますが、「仮想世界のAさんは現実世界の佐々木靖である」というような仮想世界と現実世界の連続性については、別の方法で担保することが必要です。

 もう1つは、ブロックチェーンが「スタック(階層)構造」を有していることです。これが、ブロックチェーンの適用分野が広範囲にわたる要因になっています。スタック構造とは、相互に連携して運用される複数のモジュールが層状に重なっている構造のことです。最下層側から汎用的なインフラ機能の基盤となるハードウエア、インターネットのプロトコルが重なり、その上にブロックチェーンの技術が載ります(下図参照)。ここまでを共通とし、その上層部分にさまざまなサービスに対応するアプリケーション層が重なります。ブロックチェーンまでの技術は共通なものを利用しながら、サービスに応じたアプリケーション層を変えることで仮想通貨のような金融、証券取引、不動産取引などを実現できるのです。「ビットコイン」に代表される仮想通貨は、ブロックチェーンのアプリケーションの1つにすぎません。アプリケーション層だけでいろいろなベンチャー企業がトライ・アンド・エラーできるのも大きなメリットです。

コメント3件コメント/レビュー

ブロックチェーン技術は仮想通貨と一緒に語られるためつい胡散臭い目で見られるが、
仮想通貨はプロックチェーンを利用した1形態と考えれば電気以上に破壊的な技術とういうのも
解る気がする。(2018/05/08 11:50)

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ブロックチェーン技術は仮想通貨と一緒に語られるためつい胡散臭い目で見られるが、
仮想通貨はプロックチェーンを利用した1形態と考えれば電気以上に破壊的な技術とういうのも
解る気がする。(2018/05/08 11:50)

プライベート型は比較的早く普及して管理コストの削減という効果を刈り取れそうですが、仮想通貨に代表されるパブリック型の普及は相当先だと思います。
先日のNEM流出事件ではっきりしたように、技術面で信用性が高いという事と管理面で信用性が高いという事は全く別の話になり、管理面で信用性を担保出来る範囲は管理者の権限に依存しますから。
そして、管理面での信用性確保のためのコストはブロックチェーンを使っても削減出来ない。(2018/05/08 11:24)

なるほど。ブロックチェーンにはパブリック型とプライベート型があり、仮想通貨はパブリック型での一種の実験台だったというわけですか。
悪意のある第三者をどう排除するのか理解できなかったのですが、信頼できる相手同士でプライベート型で構築するならば、サプライチェーンなど発展の余地はあるのかもしれません。
ただ期待されている分野の1つの、例えば土地登記など不特定多数が取引対象になる分野では、あまり性善説で考えない方がいいような。
水源地付近の土地を外国人が買い占めている社会問題が指摘されていますが、彼らは積極的に妨害しなくても、極端な話、何もしなくても、ただその土地を所有し続けているだけでも行政側の開発の邪魔をすることが可能です。今は紙ベースだから状況が容易に判断できるものの、気が付いたら数の威勢に取り込まれていたということになっては困る分野への解禁は、一定の範囲内で国が合理的な値段で買い取ることで収用する権利を行使できる(公示送達のように相手方の思い通りにさせない仕組みも必要かな)など、法的整備も必要な気がします。(2018/05/08 11:01)

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