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USJ再建の森岡氏が指摘するマーケターの悪癖

「何でも自分でやるのはマーケターのエゴだ」

  • 森脇 早絵

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2018年6月21日(木)

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 「組織戦略とは、いかにして『一人』の力を最大限に発揮させるための仕組みを備えるかだ」──業績不振のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を、マーケティング・ノウハウだけではなく、それを実行し、持続成長できる組織に変革することでV字回復に導いた戦略家・マーケターの森岡毅氏は、こう主張する。この度上梓された『マーケティングとは「組織革命」である』(日経BP社)には、森岡氏の経験に裏打ちされた組織改革のノウハウがふんだんに詰め込まれている。

 会社の経営資源を最大限に生かすための「組織構造」の正解とは何か。また、そんな組織をつくるために必要な要素とは何か。森岡氏に詳しく話を聞いた。

(聞き手 島津翔=日経ビジネス、森脇早絵=ライター)

株式会社 刀 代表取締役CEO 森岡 毅氏
1972年生まれ。神戸大学経営学部卒業後、1996年P&G入社。ブランドマネージャーとして日本ヴィダルサスーンの黄金期を築いた後、2004年P&G世界本社(米国シンシナティ)へ転籍、北米パンテーンのブランドマネージャー、ヘアケアカテゴリー アソシエイトマーケティングディレクター、ウエラジャパン副代表を経て、2010年にUSJ入社。12年、同社CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)、執行役員、マーケティング本部長。USJ再建の使命完了後、17年、マーケティング精鋭集団「株式会社 刀」を設立し、マーケティングを普及させることで日本を元気にする活動に邁進する(写真=吉成 大輔)

組織構造に「正解」はあるのか

──あらゆる企業の形は、業種、業態、トップのキャラクターなど、さまざまな要素によって千差万別です。その中で「正解の形」は存在するのでしょうか。

森岡:組織の形は、企業の目的と経営資源によって正解が定まります。企業によって解決すべき問題はそれぞれ異なりますから、当然のことながら解も異なります。従って、「どの課題にも対応できる組織」というような普遍的な「形」はないと私は考えています。

 経営資源も千差万別です。カリスマ性のあるリーダーがいる組織なのか。人の力を引き出すようなプル型のリーダーがいる組織なのか。意思決定に長けた経験と見識を持った幹部が豊富にいる組織なのか。「人」という側面だけを見ても、経営資源はすべて異なります。

 それから、解決すべき課題も異なります。例えば、技術先行でイノベーションを生み出す企業形態なのか、あるいは技術も何もなく、ローテクをどのように売るかという形態なのか。それによって解決方法も全く違うわけです。

 すると、その企業の組織編成において必要となる「重心」の置き方も変わってきます。重心をどこかに置けば、必ず別の場所が軽くなります。どこかに強みを作ろうとすれば、その裏側には必ず弱点ができるのです。すなわち、完璧な組織というものはありません。その企業の目的を達成するために、どこに強みを作ろうかという問題は、意図的に弱点をどこに作ったほうがマシなのか、という問いかけと実はイコールだと私は考えています。

──逆転の発想ですね。

森岡:そうです。例えば、人から人への情報伝達は、人を介するたびにコストがかさんでいきますよね。この人と人との繋がりの線の数を最小化する組織モデルというのは数学的に計算でき、実は最適値を導き出せます。

 ちなみに官僚型組織では、仕事を作りたがる傾向があります。上司の存在を正当化するために、どんどん部下を増やしたがるのです。この特性も、数式で証明されています。つまり、どういう割合で無駄な仕事がどんどん増えていくかが分かるわけですから、数年に一度は採用人数を見直していかなければ、組織が肥大化してしまいます。

 ただし、こういった問題は、あくまでも「企業の目的は何か」「目的を遂げるためにどのような構造が最適なのか」というビジョンがある程度固まった後の話です。

 多くの企業が抱える組織問題は、この「目的設定」自体ができていないという点に起因しています。しかし、経営者たちは「なぜ当社は管理職の数が多い逆三角形型の構造になってしまったのか」「なぜ、社員から意見が上がってこないのだろうか」「なぜ、ミドル以下の層の成長が遅いのだろうか」「なぜ、人件費がかさんでいるのか」などといった表層の問題ばかりにとらわれています。

 人件費カットなどで最適化することはできますが、これをどれだけやっても会社はうまくいきません。本当の組織改革とは、先ほども申し上げた通り、目的にかなった強みと弱みをいかにして作るか、という意思決定です。組織とは戦略なのです。ここを経営者の哲学に基づいて決めなければなりません。その上で組織の大まかな構造を作り、最後に人を当てはめていくのです。

 問題の本質は、組織の根本的な思想にあります。多くの場合、経営者が組織構造の最も根幹となる部分を決めていないのです。

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