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中国の技術革新を支える大学の真相

鄧小平が進める改革開放の下で「社会貢献」の役割を負った

2018年8月2日(木)

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中国企業の成長ステージが上がり、独自のイノベーションを生み出すことができるようになった。その原動力の一つが大学だ。中国の大学でいま何が起きているのか。中国の大学は日本の大学と何が異なるのか。科学技術振興機構で日中交流に携わる皆さんに聞いた。

(聞き手 森 永輔)

左から、秦舟氏、沖村憲樹氏、米山春子氏(プロフィールは後述)

中国企業の成長が進み、自前のイノベーションを起こすステージに至りつつあります。何がけん引役になっているのでしょう。

沖村:私は大学と地方政府だと思います。中国における大学と企業の関係は、日本とはずいぶん異なります。

どこが違うのですか。

米山春子(よねやま・はるこ)
科学技術振興機構 中国総合研究・さくらサイエンスセンター副センター長 お茶の水女子大学で理学博士学位を取得。がん研究会研究所、理化学研究所を経て、2008年科学技術振興機構に。フェロー、調査役、参事役を経て現職

米山:日本では企業の中にあるR&D(研究開発)の機能を大学が請け負っているのです。大学に勤める研究者や学生がベンチャー企業の起業に積極的であるのも日本と異なる特徴でしょう。

 まず、中国企業の多くは社内にR&Dの部署を抱えていません。この役目を大学が果たしているのです。

 かつては政府がR&Dの機能を担っていました。それを鄧小平が改革開放政策を進める中で大学に移管したのです。当時の政府は「四つの現代化」--工業の近代化、農業の近代化、科学技術の近代化、国防の近代化--を進めて豊かな社会を作ることを目指しました。これに、大学を貢献させることにしたわけです。

沖村憲樹(おきむら・かずき)
科学技術振興機構 中国総合研究・さくらサイエンスセンター 上席フェロー。1963年、中央大学卒業。1966年、科学技術庁に入庁。官房長、科学審議官を歴任したのち、1999年に退官。科学技術振興事業団の理事長、科学技術振興機構の理事長を経て、2007年から現職。

沖村:新しい技術を開発して、産学連携を通じて企業に提供し、社会の進歩に貢献することを、大学は法的な義務として負ってもいます。中国教育法が定めているものです。この点も、研究開発と人材育成を主体とする日本の大学と異なりますね。

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「中国の技術革新を支える大学の真相」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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