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柳井正氏が読み解く『トヨタ物語』(前編)

「自分はまだまだ甘い」と語る真意と、その先

2018年2月16日(金)

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 「自分はまだまだ甘い」。新刊『トヨタ物語』のゲラを読んだファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏はそうつぶやいた。『トヨタ物語』著者の野地秩嘉氏がその真意を聞く。柳井氏が考える「強さの本質」「ユニクロが目指す、その先」とは。その前編。

■重版出来!『トヨタ物語
 トヨタはなぜ強いのか――その本質に迫る巨編ノンフィクション。日経ビジネス連載「トヨタ生産方式を作った男たち」に書下ろしの新章などを加えた圧巻の408ページ、ついに刊行。早くも3刷。日経BP社刊

『トヨタ物語』にあるトヨタの本質

柳井:僕は昔、大野耐一さんの本『トヨタ生産方式』を買って、読んだことがあるんです。熟読したけれど、何が書いてあるのかよくわからなかった。それが、今回、本書を読んで、納得しました。大野さんは「オレの本を読んでもわからないのは当たり前だ。中身がわからないように書いてある」と言っている。つまり、トヨタ生産方式は本を読んただけでは理解できない。

そうです。大野さん自身は「現場でトヨタ生産方式を広めている人間はオレの本を読むな」と言っています。本に書いてあることは限定的だし、情報は本にしたとたんに古くなるとわかっていたのでしょう。

柳井:確かに、生産でも販売でも、現場には文字にできない重要なことがいくつもある。働く人間の意識、心構え、チームワーク。そういったものは文字にすることができないし、ビデオに撮ってもわからない。指導者が現場に行って、やって見せて、そして、自分の言葉で伝えなくてはならない。大野さんはそうやってトヨタ生産方式を伝えたのでしょう。

 ただし、この本は生産方式を解説する本ではない。ここに書いてあるのはトヨタの本質です。

 僕は思いました。

 「この会社は本気なんだ。自分たちの今の成功が明日の失敗になるとわかっている。だからこそ、昨日と同じことをやっていてはいけないと肝に銘じている。徹底した認識と実行こそが企業の未来を作る。それがトヨタの本質なんだ」

 厳しい人たちです。豊田喜一郎さん、大野耐一さん、厳しい。僕は自分がまだまだ甘いと気づきました。これからはもっと自分にも社員にも厳しく経営していきます。僕はまだ頑張り方が足りなかった。

柳井さんも厳しい経営者として世間に知られていますが…。

柳井:いや、この程度ではダメです。また、本書を読んでいて気づいたのですが、経営と経営学は別物ですね。トヨタがやっていることは経営です。学問ではない。経営とは企業のあり方そのもの。そして、彼らはつねに変わろうとしている。経営は維持ではありません。変化であり、成長です。

 ユニクロも日々、どう変わっていくべきかを考えています。自分の企業だけではなく、社会までを変えていくような商品、サービスを作る。それが心意気であり、使命です。トヨタがすごいのはあれだけの大企業になってもまだその気持ちを持ち続けていることでしょう。

 時々、トヨタの経営陣と会う機会があるのですが、みなさん、気さくなんですよ。「お偉いさん」になっている人はいない。普通、大企業になると、経営者ってお偉いさんになってしまうことがある。上から目線で話しかけるんです。トヨタの方々とは気さくに話ができる。

(写真:竹井俊晴)

コメント3件コメント/レビュー

>経営者がやるべきことは労働環境をよくして、現場のストレスをなくす。
>そうしなければ、いい製品なんて出てきません。

わが社の経営陣に聞かせてやりたいです。(2018/02/19 13:47)

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野地 秩嘉

野地 秩嘉(のじ・つねよし)

ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポ、ビジネス、食、芸術、海外文化など幅広い分野で執筆。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

>経営者がやるべきことは労働環境をよくして、現場のストレスをなくす。
>そうしなければ、いい製品なんて出てきません。

わが社の経営陣に聞かせてやりたいです。(2018/02/19 13:47)

吉祥寺店が話題になるね。確かにあそこの店のつくりはちょっと作りは他と違って、チェーンストアの良いローカル化のモデルケースになるかもしれない。(2018/02/17 18:18)

ユニクロが来て、近くの商店街の通行人が増え、売り上げが上がった。とは凄い。(2018/02/16 12:50)

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