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原子力から脱却しないと日本は二流国に陥る

メルケル首相のブレイン、ジェレミー・リフキン氏の警鐘

2017年12月14日(木)

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 カーシェアなどのシェアリングエコノミー(シェア経済)が世界中で広がっている。米ウーバーテクノロジーズや米エアビーアンドビーの普及に代表されるシェア経済拡大の背景にあるのは、技術の進化で可能になった「所有」から「共有」というパラダイムシフトだ。

 脱原発や「インダストリー4.0」を進めるドイツのメルケル首相のブレーンとして知られ、モノのインターネット(IoT)の普及とシェア経済の拡大など「第3次産業革命」の到来を予言してきた文明評論家のジェレミー・リフキン氏は、同革命への日本の対応の遅れを指摘。その理由は「原子力から脱却できないことにある」と警鐘を鳴らす。

ジェレミー・リフキン氏 米国の文明評論家。欧州委員会、メルケル独首相などのアドバイザーを務める。著書に『エントロピーの法則』『第三次産業革命』『限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭』などがある。(写真:的野 弘路、以下同)

世界の第3次産業革命の進展と、日本の現状をどう見ていますか。

ジェレミー・リフキン氏(以下、リフキン氏):欧州連合(EU)はスマートヨーロッパ、中国は『インターネットプラス』という計画を立て、第3次産業革命を起こそうとしています。エネルギーや、クルマなどの輸送手段をインターネットにつなぎ、効率性や生産性を極限まで高めるのが第3次産業革命です。

 モノやサービスを生み出すコスト(限界費用)が限りなくゼロにつながり、民泊やライドシェアなどに代表されるシェア経済が台頭する。EUと中国が国家戦略として取り組むのに対し、日本はこのパラダイムシフトに対して計画を持っていません。この状況が続けば、長期的に壊滅的な影響をもたらし、日本は2050年までに二流国家になってしまうと思います。

 なぜそうなるのか、もうちょっと細かく全体像を示しましょう。いまのパラダイム、つまり石油と原子力をエネルギー源とし、内燃機関で動く輸送手段によって成り立っている第2次産業革命の成果はいま、衰退状態にあります。GDP(国内総生産)は世界中で落ち、生産性はもはや伸びようがないのです。

 もともと第2次産業革命は米国で起き、瞬時にコミュニケーションができる電話やラジオ、テレビが普及しました。テキサスで採掘された安い石油がエネルギーとなりヘンリー・フォードが自動車を大量生産し、車やトラックが普及した。これが第2次産業革命で20世紀まで世界が繁栄しました。

生産性の向上は限界

 しかし、この中央集権的な通信や、原油と原子力に依拠したエネルギー、内燃機関を使う輸送手段という第2次産業革命のインフラに接続されている限り、生産性はもう天井を打ったと私は見ています。さらにそれがもたらした気候変動によって、人類は危機にさらされている。

 例えば、温暖化によって水の量はどんどん増えています。生態系は水の循環によって影響を受けていて、温度が1度上がるごとに降雨量が7%増えます。その結果、予見できないような大きな台風や豪雪、春は洪水、夏は干ばつ、それから山火事につながる。この秋も、世界中で様々な場所で異常気象がありました。

コメント33件コメント/レビュー

さきほどコメントしたものです。
そもそも原子力からの脱却の提言を地球の裏側の日本へわざわざなさっているということは当然同じEU内で国策として原子力を推進しているフランスに対しても行なっているのだと思うのですが、マクロン大統領の選挙公約は2025で原発50%でしたよね。
提言後のフランスの反応がどうだったのかも気になります。(2017/12/15 10:51)

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「原子力から脱却しないと日本は二流国に陥る」の著者

庄司 容子

庄司 容子(しょうじ・ようこ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社に入社し、社会部、横浜支局を経て企業報道部へ。化学、医療、精密業界、環境などを担当。2017年4月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

さきほどコメントしたものです。
そもそも原子力からの脱却の提言を地球の裏側の日本へわざわざなさっているということは当然同じEU内で国策として原子力を推進しているフランスに対しても行なっているのだと思うのですが、マクロン大統領の選挙公約は2025で原発50%でしたよね。
提言後のフランスの反応がどうだったのかも気になります。(2017/12/15 10:51)

再生エネルギーを否定するつもりは全くないが、万能ではない。エネルギーは安定供給とコスト、それに地政学的リスクという観点で考えるもの。サステナブルかどうかは、安定供給の一つのオプションに過ぎない。▼化石燃料を豊富に持っている国からすれば、再生エネルギーに頼りましょうというのは、「化石燃料は他国に売って財の獲得資源として利用するために自国ではできるだけ使わない」というだけ。その前提が無ければナンセンスな論理。▼自然エネルギーが豊富かつ人口密度の薄いEUやアメリカと、人口密度の高く自然エネルギーを得るためのコストが高い日本では投資回収年数がまるで違う。限界費用がほぼゼロ、なんてとても言えない。アメリカではテキサスやネバダ州などでメガソーラー発電コスト4セント/kwという記事も以前見た記憶があるが、日本で4円とかありえない▼同様に水深の浅い北海に風力発電を作るのと、海溝がそばにある日本では全く事情が違う▼そもそも平野が少ない日本で太陽光パネルを設置する場合は、森林を切り開いていくことになる。再生可能エネルギーを得るために自然破壊をする、それはビジネスとして成立したとして、最初の「地球環境を守る」という目的に照らして適切なのだろうか。▼最後に「中国はこうした私のストーリーを受け入れ、非常に早く動きました」とあるけれど、中国にしても同じ。石炭により、自国に多大な被害が出ているから、石炭の使用量を減らそうとしていて、つまり自国の利益のために行動しているに過ぎない。より世界を優先するなどあり得ない。これまでに彼らが原発を廃絶する、と表明したことはない。そして、これからも無いだろう。(2017/12/15 10:40)

あまり説得力を持たない議論と感じる。原子力はいずれはなくしていくべきと思うが、CO2削減の目標を達成するにはまだまだ依存しなければならない。再エネで代替するにも、不安定な出力の再エネをコントロールしながら電気を安定供給するには、技術的にもコスト的にも革新が必要で、一朝一夕にできるものではないし、電気料金も不合理に高くなる。その辺の議論を避けるべきでないが、何の説明もない。(2017/12/15 08:57)

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