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北方領土と日ロ平和条約、次の勝負は2018~21年

対中で、ロシアの戦略的中立を導け

2016年12月19日(月)

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(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が訪日し、12月15~16日の2日間にわたって安倍晋三首相と首脳会談を行なった。多くの日本人が期待していた北方領土の返還に関する進展はなく、「落胆」の声が目立つ。しかし、本当にそうなのか。ロシア問題の専門家、畔蒜(あびる)泰助氏は、北方領土問題について重要な事実が明らかになったと見る。
 さらに、日ロ関係には「二つの面」があり、北方領土問題ではないもう一つの面に注目する必要があると主張する。重要な事実とは、そして、もう一つの面とは何か?
(聞き手 森 永輔)


畔蒜 泰助(あびる・たいすけ)
東京財団研究員 兼 政策プロデューサー 専門は米ロを中心としたユーラシア地政学、ロシア国内政治経済、日ロ関係、 原子力を含むロシアのエネルギー戦略。モスクワ国立国際関係大学国際関係学部修士課程修了。国際政治、ロシア国内政治を専門とするジャーナリストとしても活動。(撮影:菊池くらげ)

今回の日ロ首脳会談をどのように評価しますか。

畔蒜泰助氏(以下、畔蒜):目標を何と考えるかによって評価は異なると思います。日ロ関係には2つの面があります。一つは北方領土問題の解決を含む平和条約の締結。こちらについては確かに大きな進展はありませんでした。しかし、今回の首脳会談が実現するまでの過程で、我々は重要な事実を確認することができました。

 もう一つの面は、中長期的に中国と対する上でロシアに戦略的中立を保たせることです。そのためには日ロの一層の関係緊密化が不可欠で、今回の首脳会談に至るプロセスもその過程と考えます。これに資する成果があった点は正しく評価するべきでしょう。

北方領土の返還と平和条約の締結に関する重要な事実とは何ですか。

明らかになった北方領土返還に関わる三つの事実

畔蒜:三つあります。第1は、解決するにしても、1956年の日ソ共同宣言がベースになることです。つまり、引き渡しの対象は歯舞群島と色丹島のみ。国後島と択捉島の2島は返ってこないことを覚悟して交渉を進めなければなりません。首脳会談後の記者会見でプーチン大統領は、2島の引き渡しを定めた日ロ共同宣言のあと日本が、米国から圧力を受けて4島一括変換に方針を転換したことに触れました。これは、この点を強調する意図があったからと思われます。

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「北方領土と日ロ平和条約、次の勝負は2018~21年」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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