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15人のニートが「超限界集落」の廃校に集う理由

AI時代先取り? 必要最低限働き「寅さん」のように生きる

2018年1月16日(火)

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お互いに個性を認め合い、助け合って生きて行く

共生舎の理念というのは、ここに書いてあるような内容ですね。

特定非営利活動法人 共生舎の理念

公的制度によらずそれぞれの立場の人が、
お互いに個性を認め合い、助け合って生きて行く。

石井:亡くなられた山本利昭さんがお作りになった理念です。僕たちはその理念に則って運営をしています。だから、ここに来たいというニートの人はむげには拒否しません。ただ、やはり都会とは勝手が違いますし、我々、元からのメンバーたちと、合う・合わないはあると思いますので、「まず、見に来てください」とお伝えしています。この理念以外のルールは、食費や光熱費などの拠出のほかは特にありません。

畑を耕す共生舎の住人。(写真提供:石井新/共生舎)

そのルールについては、石井さんのブログにも記述がありますね。

【必要なもの】

食費:1日500円。買い物した時にいるなら、割り勘でもOK。

光熱費:初日1000円、2~30日目は500円。31日目~ は300円。

「ニートではない」と言われてしまうかも

石井:それは実は短期滞在の「お客さん」用で、実際に長くここに住んでいる人はもう少し安くなります。ここにいる僕ら住人は皆、全部ひっくるめて月2万~3万円くらいで暮らしています。住居費はかからないですしね。収入は地域の人たちから依頼される農作業などの短期アルバイトや、ブログのアフィリエイトなどから得ています。僕の場合、ネットから得られる収入が月数千円。わずか数千円ですが、分母が2万~3万円ですから、結構大きな割合です(笑)。

ニートだけれど、最低限には働くのですね。

石井:僕たちは、最低限は働いてわずかな収入があるため、厳密には「ニート」(NEET=Not in Employment, Education or Training=仕事も通学も求職もしていない人)という言葉の定義に当てはまらないのかもしれません。定義に厳密な「ニート原理主義」とでも呼べるような人達からすれば、一切働かず収入がないのが「ニート」であって、僕らは「ニートではない」と言われてしまうのかも(笑)。でも、ほかにうまく言い表す言葉がありませんので、僕たちは自分たちを便宜的に「ニート」と呼んでいます。現代社会とうまく折り合いをつけられずに、山奥に居場所を見出した「山奥ニート」ですね。

人が増えれば、できることも増える

現在は、10代から30代の合計15人の住人がいると聞きました。

石井:はい。ニコニコ生放送やブログで一緒に住む人を募集していたら、仲間を少しずつ増やすことができました。とくに増えたのは、おととしから昨年くらい。本日について言えば、住人の15人に加えて、2人の短期滞在のお客さんがいます。人数はもっと増えればいいと思いますね。

 人が増えれば、おのずとできることも増えていきます。そして、何よりここの生活は実際、とても楽しいんですから。多くの人とこの楽しさをシェアしたいと思っています。この校舎跡に住める人は限られますが、周囲には空き家も多いので、追加で借りることができれば住人を増やす余地はまだあります。

本やマンガの多くは共生舎の住人の間でシェアしている。
共生舎の住人は皆、居心地がよさそうだ。ゲームに興じる者もいれば、本を読む者もいる。

一緒に生活するのは難しい、変な人が来たりすることはないのですか。

石井さんが寝起きしている、同じ敷地内にある家。廃屋化していたが、改造して住んでいる。

石井:今のところはないですね。しばらくここで暮らした後、山を下りて「下界」に戻って行く人はいますが。とくに大きなトラブルはありません。

 ただ、アルバイトの仕事が立て込んで来たりすると、やはりニートは精神的余裕を失いがちな傾向があるため、少々のもめごとがあったりはします。でも、もめごとがあるのは共同生活を営む以上、自然なことですよね。

 僕らはイベントや遊びが好きで、皆で熱く盛り上がることも多いのですが、基本的に「人は人、自分は自分」と思っているところがあり、必要以上に深くは関わらないのも、トラブルがあまり起きない理由かもしれません。とりわけ、ヒマで精神的余裕がある時はトラブルは起きませんね。

コメント16件コメント/レビュー

働きアリについて勘違いしているコメントがありますね。
アリの世界で働かない2割というのは、高齢のアリのことではありません。

アリの社会では、年を取ると隠居して余生を過ごすどころか、外界にエサをとりに行く、もっとも危険な仕事を担当するようになるので、少子高齢化が起きたりはしません。
人間社会で働かないアリが増える歪みが起きているのは高齢者に偏った福祉、とりわけ、強制の医療保険が原因です。

若い時に働かずいつ働くか?
8割の働きアリがデス・スパイラルに陥ったりして絶滅した時ですよ?
その時に備えたピンチヒッターがニート・アリです。

守るべきは女王アリと卵であるから。

ニート・アリは能力的には下位集団、あるいは、異質集団です。
『環境の変化』に対応して種を残すための自然の知恵。

環境リスクが増したら、あまりエサをとれない下位集団を働かせて、『健康で文化的な最低限度の生活』で我慢する。
あるいは、これまで通りのエサの取り方だと天敵に端から食われて、8割の働きアリは『一匹残らずいなくなってしまった』ので、これまで異端としてハブっていた、じゃなかった、『とっておきの』『違う発想のアリ』に働いてもらう。

すべては、正義とか正論とかでなく、単なる自然の知恵であり、自然科学的な事実です。

人類が危機に瀕しているのは若者が働かないからではなく、働かない高齢者が死なないからです。
ちょっと賢い人が人口統計を観察すれば、すぐに、恐ろしくもシンプルな事実が見えてきます。
20~60歳の働き盛りと、その上下(子供と高齢者)を合計した数は、何十年も前から、ほぼ同数です。
明らかに、高齢者が増えた分、子供が減っています。
現役世代が『養える人数』は今も昔も同じ。
高齢者が増えて強制の福祉負担が増した分、現役世代の下位集団が結婚できなくなって、子供が減っているんですよ。

既得権者の群れが「高齢者だから、働かなくてもすべて面倒みてもらえて当たり前なのだ」という歪んだ権利意識の異常を自覚して改めない限り、国家の滅亡は避けられません。
自然界には既得権とかありませんから、こんな愚かな滅び方はしないんですけどね。
既得権というアイディアこそは、神の怒りを買った「禁断の知恵の実」であろうと思います。(2018/08/21 08:09)

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「15人のニートが「超限界集落」の廃校に集う理由」の著者

柳生 譲治

柳生 譲治(やぎゅう・じょうじ)

日経BP総研 主任研究員

業界紙記者、雑誌編集者、建設作業員など様々な職業に就いた後、2001年日経BP社入社。日本経済新聞社デジタル編成局プロデューサー、日経ビジネス副編集長などを経て、2018年8月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

働きアリについて勘違いしているコメントがありますね。
アリの世界で働かない2割というのは、高齢のアリのことではありません。

アリの社会では、年を取ると隠居して余生を過ごすどころか、外界にエサをとりに行く、もっとも危険な仕事を担当するようになるので、少子高齢化が起きたりはしません。
人間社会で働かないアリが増える歪みが起きているのは高齢者に偏った福祉、とりわけ、強制の医療保険が原因です。

若い時に働かずいつ働くか?
8割の働きアリがデス・スパイラルに陥ったりして絶滅した時ですよ?
その時に備えたピンチヒッターがニート・アリです。

守るべきは女王アリと卵であるから。

ニート・アリは能力的には下位集団、あるいは、異質集団です。
『環境の変化』に対応して種を残すための自然の知恵。

環境リスクが増したら、あまりエサをとれない下位集団を働かせて、『健康で文化的な最低限度の生活』で我慢する。
あるいは、これまで通りのエサの取り方だと天敵に端から食われて、8割の働きアリは『一匹残らずいなくなってしまった』ので、これまで異端としてハブっていた、じゃなかった、『とっておきの』『違う発想のアリ』に働いてもらう。

すべては、正義とか正論とかでなく、単なる自然の知恵であり、自然科学的な事実です。

人類が危機に瀕しているのは若者が働かないからではなく、働かない高齢者が死なないからです。
ちょっと賢い人が人口統計を観察すれば、すぐに、恐ろしくもシンプルな事実が見えてきます。
20~60歳の働き盛りと、その上下(子供と高齢者)を合計した数は、何十年も前から、ほぼ同数です。
明らかに、高齢者が増えた分、子供が減っています。
現役世代が『養える人数』は今も昔も同じ。
高齢者が増えて強制の福祉負担が増した分、現役世代の下位集団が結婚できなくなって、子供が減っているんですよ。

既得権者の群れが「高齢者だから、働かなくてもすべて面倒みてもらえて当たり前なのだ」という歪んだ権利意識の異常を自覚して改めない限り、国家の滅亡は避けられません。
自然界には既得権とかありませんから、こんな愚かな滅び方はしないんですけどね。
既得権というアイディアこそは、神の怒りを買った「禁断の知恵の実」であろうと思います。(2018/08/21 08:09)

何だか、不登校の生徒が田舎で農業をして立ち直りのきっかけをつかむ話に似ていると感じました。

まあ、批判はあるのでしょうが、親から見れば記事にあるように部屋から出てくれて、曲がりなりにも社会生活をおくってくれているのだから、評価すべきことと思います。

しかしながら、コメントにもある通り、若いうちはいいけれど、年を取ると厳しくなると思うので、もう少し先をいってほしいですね。(2018/02/06 18:59)

>己の暮らしの苦しさをニートなどフリーライダーのせいにする人達の暮らしは、そりゃ、苦しかろうと思います。
強者たる加害者(既得権者)には何も言えないから、関係ない弱者(持たざるもの)に筋違いの攻撃を加えて、それで暮らしがよくなろうはずがありません。

(2018/01/20 12:06)の、こちらのコメントに共感しましたので引用させていただきました。

そこそこ働いてそこそこの収入を得ていますが、働き方や暮らし方に対しての価値観は多様で良いのではと常日頃思っています。

活力のある人が働ける時期に働けば良いし、働けない人・活力の沸かない人は休んでいても、東日本大震災の例のように必要性がある時に自然と役割が変わってくるのでしょう。

今の時代的でないからといって批判し無理やり働けるようにしたところで、心の底から自然に働きたい欲求が出てこなければ、都会のホームレスや集団で犯罪に走る人たちのような悲惨な状況におかれる人が増えていくのでは。
現在のところ、そうした最底辺の暮らしを余儀なくされた方を最後には、間接的に私たちが支えることになっていますので無限ループですね。

というわけで日本には国としてニートやフリーターよりさらに最底辺の集団を根本的に救えるような力がないのですし、批判する個人もこの方たちに最適な雇用先や暮らしを与えてくれるわけではないのですから、
自然発生的にできたこのような集団が社会的にあまりにもひどい害を及ぼさない限りは、自然に解散か存続するのを見守るべきなのでは。

大枠で眺めるしかない私たちはそのようなスタンスでいるしかないでしょうよ。
直接的に近辺に住んでいる住民や配達員などでよほど被害があるなり嫌悪感があるなりならば、その張本人たちが拒否すれば良いだけです。

寛容でないと、いつ自分自身も今の世の制度からはみ出るか100%の予測は不可能ですし。(2018/02/03 13:12)

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