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習近平氏はもう後戻りできない

亜細亜大・遊川和郎教授が語る全人代後の中国

2018年3月6日(火)

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 中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が3月5日、北京の人民大会堂で開幕した。例年より長い16日間の会期中に政府人事を決めるほか、憲法改正案も採択する見通し。注目は2期10年までとしてきた国家主席の任期規定を撤廃する憲法改正だ。

 独裁者、毛沢東氏による文化大革命の反省に立ち、鄧小平氏が設けたのが任期規定だ。68歳を超えたら幹部は退任するという慣習や、国家主席の任期が切れる5年前に次期最高指導者を明示する仕組みも取り入れ、独裁者の暴走を防いできた。

 そうした「知恵」をないがしろにするかのような今回の任期規定の撤廃。全人代では習近平氏の盟友であり、反腐敗運動の陣頭指揮をとった王岐山氏も「定年」の慣習を破って国家副主席などの要職に就くとの見方がある。

 今回の全人代で習氏の「終身主席」への道を開いた後、中国はどうなっていくのか。日本はそんな中国とどう向き合うべきか。中国の政治・経済動向に詳しい、亜細亜大学アジア研究所の遊川和郎教授に聞いた。

3月5日に開幕した全人代では、中国の将来を大きく作用する憲法改正が採択される見通しだ(写真=ロイター/アフロ)
遊川 和郎(ゆかわ・かずお)氏
亜細亜大学アジア研究所教授
東京外国語大学中国語学科卒、1981年9月から83年3月まで上海復旦大学留学。91年10月から94年3月まで、外務省専門調査員として在香港日本国総領事部調査部に所属。改革開放の先進地であった中国南部の経済発展の動向や、香港財閥系企業と中国企業のかかわりなどを研究。日興リサーチセンター上海駐在員事務所長、北京の在中国日本国大使館経済部専門調査委員、北海道大学准教授、同大学大学院教授などを経て現職。著書に「中国を知る」(日本経済新聞出版社)、「香港−返還20年の相克−」(同)など

今年の全国人民代表大会では国家主席の任期規定の撤廃が正式に決まる予定です。

遊川和郎教授(以下、遊川):習近平氏による「終身独裁」を許していいのか、というのが今の大方の見方でしょう。それは確かに良いことではない。でも、そうせざるを得ない現状も中国にはあるのです。

長期政権にならざるをえない理由があると。

遊川:2012年秋に中国共産党トップである総書記に就き、翌年春の全人代で国家主席に選出された習氏は反腐敗運動を強力に進め、権力基盤を一気に固めてきました。政敵を次々に撃ち落とす、過酷な政治闘争をやってきた以上、もう権力を手放すことは絶対にできません。退任した後の韓国の大統領を見ても分かるように、習氏も平和な引退生活なんてできません。生きるか死ぬかの権力闘争です。おそらく、習氏もそれを覚悟の上で中国の最高指導者になったんだと思います。もう後戻りはできません。

コメント7件コメント/レビュー

>習近平政権がやっていることは「強者に厳しい政策」です。
>(違法所得などがなくなることで)青天井の所得が抑えられ、
>結果的に格差への不満は改善された。

随分と、習近平にやさしい見方ですね。
結局やっていることは、利権を反習近平派から取り上げ、
身内に再配分しただけのように見えますが。

民衆の支持が必要だから弱者に優しい政策を採用しているわけではなく、
(反習近平派に対するのと同じように)民衆弾圧も行き着くとこまでやらない
と生き残れなくなっているというのが正しい見方のような気がしますね。
最近の大都市部でのスラム一掃やアフリカ等への棄民政策を見ると、弱者に
やさしい政権とはとても思えません。(2018/03/06 13:30)

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「習近平氏はもう後戻りできない」の著者

菅原 透

菅原 透(すがわら・とおる)

日経ビジネス副編集長

1995年早稲田大学理工学部卒業、同年、日本経済新聞社入社。科学技術部、産業部(現・企業報道部)を経て広州支局、上海支局。製造業や中国の産業動向を追いかける。2017年4月から日経ビジネス副編集長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

>習近平政権がやっていることは「強者に厳しい政策」です。
>(違法所得などがなくなることで)青天井の所得が抑えられ、
>結果的に格差への不満は改善された。

随分と、習近平にやさしい見方ですね。
結局やっていることは、利権を反習近平派から取り上げ、
身内に再配分しただけのように見えますが。

民衆の支持が必要だから弱者に優しい政策を採用しているわけではなく、
(反習近平派に対するのと同じように)民衆弾圧も行き着くとこまでやらない
と生き残れなくなっているというのが正しい見方のような気がしますね。
最近の大都市部でのスラム一掃やアフリカ等への棄民政策を見ると、弱者に
やさしい政権とはとても思えません。(2018/03/06 13:30)

遊川さんの議論はいちいちもっともで、賛同します。いただけないのは、小見出しに「バチカンが握る台湾統一」とあること。こんなことはありえません。台湾と外交関係がある国は既に20くらいで、小国がほとんどです。台湾が統一されるか否かの問題で重要なのは、台湾人・中国・アメリカの3要素だけで、バチカンなど何の関係もありません。中身をよく読めば「バチカンが握る台湾統一」などという内容は一切言っていないことが分かりますが、「羊頭狗肉」の典型と言える小見出しでしょう。(2018/03/06 11:33)

まあ、要するに、日本にとって、中国との関係は「友好」という相互誤解を招きやすい多義性のあるスローガンに基づくのではなく、われわれが今後の世界の中で生きていく上での極めて重要な考慮因子が中国であることを認識して、われわれが世界の中で損をしないように、行動することだということですね。もちろん、そのためには、中国国内の動向を注視していて、われわれ自身の中長期的な判断を誤らないようにすることが基本だ、という、いわば、当然の姿勢を確認することですね。なお、記事中の台湾に関してのバチカンへの言及は目から鱗でした。しかし、共産党創業者一族の復活とカトリック信仰の自由とは両立するのでしょうか。現教皇が権謀術数で盛名を馳せたイエズス会の会士であるとしても、どうでしょうか。(2018/03/06 10:57)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官