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「周回遅れ?」ローソン銀行社長に聞いてみた

「認めますが、勝機が無ければ社長になってません」

2018年10月2日(火)

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 ローソンが10月15日、かねて準備を進めてきた銀行業に新規参入し、消費者向け金融サービスの提供を始める。流通企業を母体とする銀行としては、2001年のセブン銀行、07年のイオン銀行に続く開業となる。

 ローソン銀行が当面の収益源に掲げるのはATM事業だ。24時間365日、提携する金融機関の口座取引ができる利便性をアピールし、提携先から手数料収入を得るビジネスモデルだ。その後はクレジットカードの発行やインターネットバンキング、キャッシュレス決済の基盤構築などにも取り組む。

 だがローソン銀行が打ち出した事業方針は、セブン銀行のほかメガバンクやフィンテックスタートアップなどがすでに取り組む施策と重なる部分が多い。「周回遅れ」との指摘も根強い新規参入に勝機はあるのか。就任後、メディアの単独インタビューに初めて応じたローソン銀行の山下雅史社長に聞いた。

山下雅史(やました・まさし)氏
1983年東京大学法学部卒、日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行。2010年執行役員総合企画部長、11年常務執行役員。16年11月ローソンバンク設立準備社長、18年7月ローソン銀行社長。千葉県柏市出身。59歳。

セブン銀行から実に17年後、「周回遅れ」の開業となります。

山下雅史社長(以下、山下): 1周どころか、2周遅れ、3周遅れかもわかりません。セブン銀行さんが作られたビジネスモデルは大変優れたものです。ATMを利用できる提携金融機関の多さなど、17年の積み重ねの差は大きい。我々はまだまだ提携先を増やさなければならない段階ですから、「周回遅れ」というご指摘は甘んじて受け入れなければなりません。

勝機はあるのでしょうか。

山下:あります。そうでなければ私もこのポスト(社長職)は受けられないと思います。たとえば、後発であるがゆえに有利になることもあるでしょう。新しい技術を(柔軟に)導入できるというのはその一つ。これから新サービスを創出していく意味では、セブン銀行さんと比べても遜色ない、イコールな立場にあると思います。

たしかにATMを介した現金受け取りサービスなど、「口座預金の引き出し・預け入れ」以外の機能は、セブン銀行も着手したばかりという印象です。

山下:はい、そういった新しい分野では同じスタートラインに立っています。

銀行とお客の関係、改善の余地あり

発足にあたって9月中旬に開いた記者会見で、山下社長は「銀行とお客の関係には、まだまだ改善の余地がある」と話していました。

山下:銀行というのは長いあいだ同じ商売の仕方を続けてきた業種です。たとえば1ドルを円に両替するという業務があったとすると、銀行は「1円の手数料を取りますよ」と建値を決め、「それだけの手数料が嫌なら、別に利用してくれなくてもいいですよ」というスタンスをとってきたわけです。

建値というのは、つまり銀行側が自分の確保したい利益の額を勘案して、銀行の立場からサービスの対価を決めてきた、と。

山下:はい。でも小売りの世界はそうじゃない。「いくらなら払ってもいい」ということを決めるのはお客のほうです。最近は異業種からもいろんな会社が金融分野に参入し、価格破壊が起きています。

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「「周回遅れ?」ローソン銀行社長に聞いてみた」の著者

藤村 広平

藤村 広平(ふじむら・こうへい)

日経ビジネス記者

早稲田大学国際教養学部卒業、日本経済新聞社に入社。整理部勤務、総合商社インド拠点でのインターン研修などを経て、企業報道部で自動車業界を担当。2016年春から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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