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無意味な無駄は削り、無駄走りに時間を使う

生産性アップで社会は変わるか?

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2018年8月16日(木)

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労働生産性はどうすれば引き上げられるか。柔軟な働き方を許容している企業、社員に投資をしている企業は生産性が高い傾向がある。リターンを生む資本が「有形から無形に移行している」という。
[この記事は「ヒューマンキャピタル2018」の講演をまとめたものです]

<パネリスト>
経済産業省商務・サービスグループ教育産業室長:浅野大介氏
東洋大学経済学部経済学科教授:滝澤美帆氏
デジタルハリウッド大学大学院教授:佐藤昌宏氏

<モデレーター>
日本経済新聞社編集委員:中村直文

中村:働き手が減り、人手不足が進む中で、新たな付加価値を生み出すために、どのような生産性アップが必要か、本日、ディスカッションをしたいと思います。まず、皆さんの生産性アップに対するお考えをお聞かせ下さい。

滝澤:私は経済学者として、マクロ経済学の生産性分析を専門に研究しています。2015年のアメリカの労働生産性を100としたときの日本の産業別生産性は、化学を除いて、大半の産業がアメリカを下回っています。特にサービス関連産業の生産性が低い。実は1997年のほうが日本は水準の高い産業が多く、2015年までに日米の格差が広がったのです。

 経済学の中では、この生産性格差の要因の探求がされてきましたが、例えば研究開発投資や国際化、あるいはICTの導入を進めると生産性は高いとか、最近では見えない資産、つまり人的資本への投資が生産性にいい影響を与えるという研究が進んでいます。

 日本のサービス業における人材育成投資は1990年をピークに下がり続けています。生産性の低さは人材育成投資と関連があると思われます。

 ここで見ているのはOFF-JTのみで、人材育成はOJTも重要です。ただ、OJTにかける時間も限られており、今後、いかに人材育成投資を効率的に行うかが問われています。リカレント教育への政策的な支援やテクノロジーによる教育の効率化が経済全体の生産性向上のために重要となります。

東洋大学経済学部経済学科教授の滝澤美帆氏(写真/稲垣純也、以下同)

「50センチ革命」「越境」「試行錯誤」

浅野:経済産業省の浅野です。昨年夏に教育産業室を立ち上げました。幼児からシニアまで一生の学びのための社会システムを作ることを目的としています。

 働き方改革は生産性向上の1つの手段ですが、単なる時短ではなく、投入時間当たりの付加価値を最大化すること、つまり無駄を削り、クリエーティブなことに時間を使うことだと思っています。ただ、試行錯誤の中でアイデアが生まれてくる「無駄走り」は必要で、意味のない無駄は削り、無駄走りに時間を使うことが重要です。

 私たち官僚は大臣が答弁をする国会の対応が大事な仕事でミスが許されません。そのため、満点主義に陥ると、地獄のような作業になり、午前様は当たり前でした。しかし、世耕(弘成)大臣が従来のやり方を劇的に変えてくれました。すべての作業の見える化を図れという大臣のリーダーシップで、無駄を削っています。

 働き方を変える上で、重要なキーワードを3つにまとめました。

 「50センチ革命」とは、半歩でいいから踏み出して目の前の現実を変えること。「越境」は部門や会社、業種、国境、あるいは文系と理系の知識、専門分野の壁などを超えること。「試行錯誤」は無駄走りを繰り返して正解を作っていくこと。

 自分たちは良かれと思って職業的良心でしている仕事の中に、無駄があります。虚心坦懐に、まず50センチ革命から始めて、地道に働き方を変えていくことが大切です。

経済産業省商務・サービスグループ教育産業室長の浅野大介氏

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