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「空気除菌」で新市場に挑む

大幸薬品社長 柴田高氏に聞く(後編)

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2016年11月22日(火)

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ラッパのマークの胃腸薬「正露丸」でおなじみの大幸薬品の4代目社長の柴田高氏。正露丸ブランドに安住せず、「クレベリン」で空気除菌という新しい市場の開拓に挑む。起業家精神のある人材を増やし、会社の変革にも取り組むという。(前編はこちらをご覧ください)

外科医でもある柴田さんは、なぜ、家業を継いだのですか。

柴田:公立病院の外科医は、開業するなら48歳と言われています。その48歳の時に、私も大幸薬品に入りました。そのとき私には、病院に残って院長を目指す、個人病院で経営に関わる、開業するなどの選択肢がありました。

 ただ、研究所にはポジションがありましたが、マネジメントが自分にどれだけできるかは未知数だったので、まずは一度家業に戻って、それができるかどうかチャレンジをしたいという思いがありました。それに、ずっと探していた正露丸以外の第2のシーズが見つかったのも大きいです。

しばた・たかし 1981年、川崎医科大学卒業。医師免許取得後、大阪大学医学部第二外科に入局。大阪府立千里救命救急センター、市立吹田市民病院外科に勤務後、87年大阪大学医学博士号を取得。大阪府立成人病センター外科医員、市立豊中病院外科部長を経て、98年大幸薬品取締役に。副社長を経て10年6月、社長に就任。11年7月、日本二酸化塩素工業会会長に就任。(写真=大亀京助、以下同)

空気除菌という新しい市場に挑む「クレベリン」

 第2のシーズとは、「クレベリン」です。もともとこれは、私が医者をやっているとき、知人がたばこの消臭剤として開発したものです。最初は、私が勤める病院で使ってくれないかと言われたのですが、一勤務医にそんな権限はありません。ただ、大幸薬品で検証することはできるので、当時社長だった兄に託して、製品の評価をすることにしました。

 そのころ、急性肺炎の患者さんが入院して3日で亡くなるということがありました。解剖したところ、粟粒結核という結核の敗血症であったことが分かりました。その半年後に、私のところにいた研修医と技師さんが結核にかかってしまいました。解剖室は、十分に消毒ができる状況ではなかったのです。

 そこで病理の部長に、クレベリン、つまり二酸化塩素製剤には空気除菌の可能性があるので試したいとお願いし、解剖室に二酸化塩素のゲルを8個置いて、浮遊菌のテストを行いました。

レベルの高い論文誌に掲載されると市場が広がる

 すると、1週間で解剖室特有の匂いが消えました。消臭には効くと分かりました。そこで浮遊菌の増減を確かめましたら、どんと減っていました。二酸化塩素なら匂いと同時に浮遊している病原体を消せると、そのとき初めて実感しました。

 そこで、風邪など飛沫感染するものにも効くのではと思い、大幸薬品の研究所で飛沫感染実験を行いました。そこで画期的な結果が出たので、クレベリンを一般雑貨として販売して今に至っています。

クレベリンは、多くの人に理解してもらうのが難しそうな製品です。

柴田:難しいですけれど、理解してもらえばその方にはリピートしていただけるし、市場は確実に広がっていくと確信していました。そのためにまず最高峰の論文誌に掲載し、それから業界誌や分かりやすい解説書に落とし込んでいきました。

 医師をやっているとき、レベルの高い論文誌に掲載されることで一気にその製品の市場が広がる様子を垣間見ていましたから、サイエンスで証明して、間接的に製品価値を上げるのが正攻法だと思っています。ただし、これは医薬品ではないので効能はうたえません。

 近代医療は感染症との戦いです。ジョゼフ・リスターという英国の外科医が防腐法という消毒法を確立していますが、空間の消毒はできていません。私はクレベリンの二酸化塩素ならできると思っています。

 例えば、ケガをして病院へ行って、待合室に座っているときに、内科の初診の患者さんが咳をしていたとします。すると、ケガが治った頃に咳が出るようになって、病院へ行ったら「結核です」と言われることが、今はあり得ます。そういう空間で我々のノウハウを活用できれば、感染が起きにくい、あるいはクレベリンを置かないと訴えられるという世の中になる可能性もあります。

 閉鎖空間に我々のノウハウを入れれば感染リスクを減らせますし、リスク低減のために換気回数を増やしている病院などは、その回数を減らせます。すると、エネルギーコストが減ります。我々の技術で空気の安全という、世の中の一番コアな部分を担い、二酸化塩素を日本の次のドライビングエンジンにしたいと思っています。

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