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イケアが問う「環境に優しいから高価格」のウソ

温暖化対策の仕掛け人、イケアのハワードCSOに聞く

2017年1月30日(月)

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 本誌1月23日号の特集「トランプに負けるな! トヨタ、GE、ダノンの動じない経営」では、トランプ氏の大統領就任が象徴するグローバリゼーションの修正が始まる時代に必要なのは、企業と社会が共に価値を共有し続ける「サステナブル経営」であると位置づけた。
 特集で取り上げた欧米企業の中でも、家具の世界大手スウェーデンのイケアは、気候変動対策に積極的な企業として特に有名だ。「2020年に店舗を再生エネルギーで100%賄う」「世界全店舗から白熱電球の販売を中止し、LED電球に切り替え」など、スケールの大きな取り組みが注目を集めている。
 近年は自社での活動にとどまらず、社外とも積極的に協力して、気候変動対策を世界的に強化する活動をけん引している。自社のファンドを組成して、環境ベンチャーに10社以上投資。大企業とは「RE100」など、再生可能エネルギーの利用を普及させるイニシアティブも主導する。国連とも連携し、SDGs(持続可能な開発目標)の推進にも貢献している。
 イケアがこれほど経営のサステナビリティー(持続可能性)を重視するのは理由はなぜか。同社のCSO(チーフ・サステナビリティー・オフィサー)のスティーブ・ハワード氏に聞いた。

【記事のポイント】

  • ●このままでは地球の資源は枯渇する
  • ●サステナブル経営は企業の責務
  • ●目標は「100%」でなければ実効性がない
(写真:永川智子、以下同)

スティーブ・ハワード(Steve Howard)氏

1990年ロンドン・メトロポリタン大学卒業。96年、ノッティンガム大学で環境物理学の博士号を取得。CSR(企業の社会的責任)コンサルタントとして働いた後、2003年に環境NPO(非営利組織)のザ・クライメートグループを立ち上げ、CEO(最高経営責任者)に就任。政府や企業と連携し、低炭素社会の実現に向けた活動を展開した。2011年、イケアがCSO(チーフ・サステナビリティー・オフィサー)のポジションを新設したことに伴い、イケア入社。イケア全社のサステナビリティーの戦略を統括するほか、世界経済フォーラムの気候変動対策グループ議長なども務める。

イケアはサステナビリティーを重視する企業として世界的に有名です。なぜ、サステナビリティーを重視するのですか。

スティーブ・ハワードCSO(以下、ハワード):残念なことですが、地球の未来を考えると、企業がサステナビリティーを考えることは、もはや「やる」「やらない」の問題ではなくなりました。このままでは、地球資源が枯渇するのは明らかです。企業がサステナビリティーを経営の根幹に位置付けるのは当然です。しかも、それにどれだけ、コミットできるかが問われています。

 20世紀の初頭、世界の人口がまだ15億人ほどの時代なら、何も問題はありませんでした。資源は潤沢で、海はどこまでも続き、食料は無限にある時代でした。

 しかし、100年後の現在は違います。世界人口は75億人に膨れ上がりました。先進国の人々は豊かさを享受し、新興国の人々の生活もこれに続いています。その結果、地球の資源は枯渇に近づいています。そして深刻な環境破壊が地球全体を蝕んでいます。

 国際シンクタンクのグローバル・フットプリント・ネットワークの試算によれば、我々が消費している資源は、毎年、地球1.6個分にのぼります。1年間で、我々は地球まるごと1つ以上の資源を消費しているのです。そして、この“負債”は年々蓄積されています。恐ろしいことに、その消費量は今後さらに拡大すると見られています。このままでは、地球の資源は持続できません。

 地球規模で考えなければならない社会課題はいくつもあります。その中で、イケアが特に関心を持っているのが、気候変動問題です。昨今、世界で起きている異常気象も、この動きと無縁ではないでしょう。

 問題が大きすぎて、消費者には実感がわかないかも知れません。しかし、気候変動に関して言えば、もはや猶予はあまりありません。次の世代に先送りできる問題ではないのです。

 イケアはこうした問題意識を、CEO(最高経営責任者)のペーテル・アグネフィエルを始めとした経営陣が共有しています。そして、経営の中心に据えて取り組む方針を掲げてきました。

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「イケアが問う「環境に優しいから高価格」のウソ」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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