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日本が資源大国に返り咲く「海のジパング計画」

沖縄深海底に「宝の山」はあったのか

2017年2月6日(月)

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 日経ビジネス2月6日号の特集「元素が買えない」では、世界各国で自国優先主義が台頭し、調達リスクが顕在化しつつあることを指摘した。本稿では、国家プロジェクト「海のジパング計画」で沖縄海底を調査する探査船「ちきゅう」の航海記を掲載する。

 海のジパング計画の正式名称は、次世代海洋資源調査技術。内閣府が手掛ける戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一つであり、数十億円の国家予算を投入する。狙いは、海底下に眠る“宝の山”を掘り当てること。その一つと期待されるのが「海底熱水鉱床」だ。深海底から噴出した金属が沈殿してできた海底の鉱山である。

 「黄金の国ジパング」と呼ばれた日本はかつて、世界有数の金銀銅の産出国だった。だが、陸上資源は枯渇し、現在では金属資源のほぼ100%を輸入に頼る。海のジパング計画は、日本がもう一度資源大国になるための壮大な計画である。

 海底探査の最大のハードルは、正確な場所と効率的な調べ方が分かっていないこと。プロジェクトの推進役である国立研究開発法人・海洋研究開発機構が保有する探査船「ちきゅう」などを使って、調査技術の開発を進めている。

 昨年末、30日間の航海に出た探査船「ちきゅう」は、海の底で何を見たのか。

2016年11月16日@高知

 午前4時半。まだ夜が明け切らぬ高知新港に巨大な船が停泊していた。無数の光を点滅させている様は、まるで大規模な工場のようだ。

 海洋研究開発機構(JAMSTEC)が保有する地球深部探査船「ちきゅう」。水深2500mの海底に穴を開け、そこから地中を7000m掘削できる世界最先端の探査船である。ちきゅうはこの日、海底にある「元素の宝の山」を見つける旅に出ることになっていた。

 出港まで残り4時間。最後の安全確認のため、船員が慌ただしく走り回った。

夜はまるで「工場」のように見える、地球深部探査船「ちきゅう」(写真:山下 隆文)

 もはや国内の陸上資源は掘り尽くした。日本が再び「ジパング」として輝くためには、海底に活路を見いだすしかない。

 ターゲットは明確だ。沖縄海域に存在する「海底熱水鉱床」。海の底の地中深くから噴出する金属成分が沈殿した、海底の鉱山だ。金や銀、亜鉛に加えてガリウム、ゲルマニウムなどの希少資源を豊富に含んでいる。

 ちきゅうに課せられた使命は、海底熱水鉱床が生まれるメカニズムを解明すること。その原理が分かれば、日本周辺のどこを集中的に掘ればいいか推測できる。本格的な産業化をにらんだ調査航海である。

 16日午前9時。明るくなった高知の海で、ちきゅうはいかりを上げた。長い3度の汽笛が鳴る。「長3声」と呼ばれる、見送りに対する礼を兼ねた慣習である。この汽笛が、沖縄海域に向けた30日間の航海の始まりを知らせた。

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「日本が資源大国に返り咲く「海のジパング計画」」の著者

島津 翔

島津 翔(しまづ・しょう)

日経ビジネス記者

2008年東京大学大学院工学系研究科修了、日経BP社に入社。建設系専門誌である日経コンストラクション、日経アーキテクチュアを経て、2014年12月から日経ビジネス記者。担当分野は自動車、自動車部品。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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