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中国の「静かなる侵略」は阻止できるのか

アジア太平洋の「中国化」について豪チャールズ・スタート大学教授に聞く

2018年6月29日(金)

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 トランプ政権は7月から500億ドル相当の中国製品に関税を課すと発表した。即座に対抗関税を発表した中国は、今世紀半ばまでに米国に並ぶ大国になるという目標を掲げている。両者の角逐は足元の“貿易戦争”だけでなく、先端技術や軍事まで幅広い分野で本格化していくだろう。

 日経ビジネスでは6月25日号特集「米中100年 新冷戦~IT、貿易、軍事…覇権争いの裏側」で、現在の関税措置の打ち合いや米国の懸念、中国化する世界の現状を徹底した現地取材でまとめた。それに関連して、米中に精通した専門家のインタビューを掲載する。

 中国の影響力が急速に強まっていたオーストラリアでは昨年から反中感情が噴出し始めた。今年2月には豪チャールズ・スタート大学のクライブ・ハミルトン教授が『Silent Invasion~China’s Influence in Australia(静かなる侵略~オーストラリアにおける中国の影響)』という著書を出版。政治家への資金供与や大学への寄付、企業買収などにより豪州が中国に「侵略」されている様を克明に描き、広く豪州で物議を醸した。豪ターンブル政権は中国との関係見直しに動いたが、足元では豪中関係の悪化に苦しむ。オーストラリアはこれまでの関係をリセットできるのか、中国のアジア太平洋地域における影響力の拡大は阻止できるのか。『静かなる侵略』の著者ハミルトン教授に聞いた。

(イラスト:北沢夕芸)

親中派と見られていたターンブル政権は昨年からオーストラリアにおける中国の影響を排除しようと動きはじめました。

クライブ・ハミルトン・豪チャールズ・スタート大学教授(以下ハミルトン):オーストラリアでは1年ほど前に中国に対する認識のシフトが起きました。北京が長年に渡ってオーストラリアの政治、経済、学界エリートの言動に影響を及ぼしていたことに人々が気づいたからです。中国の影響力拡大やその手法に関する詳細なニュースやリポートが主要メディアや情報機関から出され、私の著書も広く読まれています。政府も中国との関係見直しに動き始め、7月には(中国を念頭に置いた)外国による内政干渉を制限する法律も施行される見通しです。

豪チャールズ・スタート大学のクライブ・ハミルトン教授。今年2月、豪州で中国が陰に陽に影響力を拡大している様を克明に描いた著書『Silent Invasion~China’s Influence in Australia(静かなる侵略~オーストラリアにおける中国の影響)』を出版し話題を読んだ。その内容の過激さから複数の出版社が出版を拒否する騒動も起きた。

 ただ残念なのは、ここまで来るのに時間がかかり過ぎたことです。2005年、オーストラリアに政治亡命した在シドニー領事館の中国人外交官は「中国共産党がオーストラリアに深く入り込んでいる」と既に警告していました。ただ当時は誰も注意を払わず、具体的な対策が取られることもありませんでした。何年も経ってようやく、彼の警告が正しかったことが分かってきたのです。

コメント20件コメント/レビュー

(2018/06/29 17:06)
大陸棚を超え、深海に潜航した潜水艦は追跡できないそうです。
中国の核ミサイル潜水艦がひとたび外洋に出れば、いつ何時、西海岸沖に浮くかわからない。
軍事面から見れば、中国を日本海に「閉じ込める」ことは最重要案件。
アチソンラインの重要性はそこにあって、だからこそアメリカは譲らない。

いっぽうで、軍事面以外でも外洋に「出なければならない」危機感がある。
身内以外はドライな利害のみ、そんな大陸気質を統治するにはアメかムチしかない。
資本主義でアメの味を知った以上、政府は国民にアメを与え続けなければ我が身が危ない。
アチソンラインの他に"出口"を探して、あちこち"地上げ"している、というところでしょう。

ひとたび外洋に出れば、資源保護などお構いなしに獲り尽くすでしょうし、
それに反発すれば、沖合の公海上に核ミサイル原潜が浮上することになるでしょう。
中国国民すべてが先進国の暮らしをするには、そもそも地球資源が足りないとも言いますが。(2018/07/05 10:23)

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「中国の「静かなる侵略」は阻止できるのか」の著者

飯山 辰之介

飯山 辰之介(いいやま・しんのすけ)

日経ビジネス記者

2008年に日経BP社に入社。日経ビジネス編集部で製造業や流通業などを担当。2013年、日本経済新聞社に出向。証券部でネット、ノンバンク関連企業を担当。2015年4月に日経ビジネスに復帰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

(2018/06/29 17:06)
大陸棚を超え、深海に潜航した潜水艦は追跡できないそうです。
中国の核ミサイル潜水艦がひとたび外洋に出れば、いつ何時、西海岸沖に浮くかわからない。
軍事面から見れば、中国を日本海に「閉じ込める」ことは最重要案件。
アチソンラインの重要性はそこにあって、だからこそアメリカは譲らない。

いっぽうで、軍事面以外でも外洋に「出なければならない」危機感がある。
身内以外はドライな利害のみ、そんな大陸気質を統治するにはアメかムチしかない。
資本主義でアメの味を知った以上、政府は国民にアメを与え続けなければ我が身が危ない。
アチソンラインの他に"出口"を探して、あちこち"地上げ"している、というところでしょう。

ひとたび外洋に出れば、資源保護などお構いなしに獲り尽くすでしょうし、
それに反発すれば、沖合の公海上に核ミサイル原潜が浮上することになるでしょう。
中国国民すべてが先進国の暮らしをするには、そもそも地球資源が足りないとも言いますが。(2018/07/05 10:23)

日本も人ごとではないどころか、おそらく豪州よりも酷いだろう。政治、行政、司法、経済、マスコミ、アカデミズム、ありとあらゆるところに影響を及ぼしている。中国だけでなく、韓国、北朝鮮も同様だ。
例外なわけもない日経でこうした記事が出てきたことを評価したい。(2018/06/29 23:59)

経済関係は維持しつつ政治的には距離を保つ、という事らしいが、甘いと言わざるを得ない。中国を独裁政権のまま経済発展を続けさせることは、軍事力も経済発展に比例してより強力になるという事だ。共産党独裁が続いている間は、これ以上中国経済発展に力を貸してはいけないと思う。それ程習近平の中国は危険な存在だ。既存の国際ルールを守らず、中国の憲法すら中国共産党の意のままに変えられる。国際法ですら平気で無視し続ける無法者が北朝鮮のような小国なら何とでもなろうが、中国は国土も大きくGDPも第三位の日本の倍以上の二位であり、今のまま6%程度の成長を続ければ米国さえ抜き去るのは時間の問題。そうなってしまってからではどう仕様もなく、民主国家は一致協力して独裁中国の力を削ぎ落とすことに力を入れるしか無い。そうなる前に中国内部から民主化の動きが出てくる奇跡にも期待したい。(2018/06/29 21:32)

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