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在宅ホスピスケアが支える自宅での穏やかな最期

川越 厚[医療法人社団パリアン理事長 クリニック川越院長]

  • 日経ビジネス編集部

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2018年4月23日(月)

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(日経ビジネス2018年2月12日号より転載)

(写真=北山 宏一)

 在宅ホスピスケアという言葉をご存じでしょうか。末期がんなどを患い、「治す医療」が難しくなった患者さんが病院ではなく、自宅で穏やかな最期を迎えられるよう、全人的に支援する医療のことをいいます。約四半世紀前からずっと私はこの医療に携わってきました。

 我が国が医療法を改正して患者の「自宅」を医療の場に加えたのが1992年。当時はがん告知さえもまだ一般的ではなく、自宅で最期を迎えたいという患者さんの数は決して多くはありませんでした。

 しかし現在では「最期は自宅で」という方が増えており、国も在宅ケアを病床数の削減や在院日数の短縮とあわせて進めています。もちろん私自身、人生から退く場所としては自宅が最適と考える者の一人です。大好きな自分の家だからこそ心穏やかに過ごせますし、残された限りある時間を家族とともに生きるという喜びが得られるからです。

 私はそうした「最期は自分の家で」という終末期の患者さんを支援するため、2000年に東京都墨田区に自分のクリニックを開設しました。医師や訪問看護師、ケアマネジャー、ヘルパーなど多職種のチームを組み、24時間・365日いつでも対応できる体制を整えています。そしてこれまで約2000人の患者さんを在宅で看取ってきました。

 在宅ホスピスケアが日本で始まった初期から、この分野の医療を確立するのに力を注いできましたが、私の医師としてのキャリアのスタートは実は産婦人科医でした。難易度の高いがん手術にも数多く挑み、臨床に明け暮れるモーレツ医師でした。当然ながら、治す医療の理想を追求していたわけです。ところが39歳の時、自分自身が結腸がんに罹患、死線をさまよいました。子供がまだ小さかったこともあり、医師でありながら死への恐怖に追い詰められる日々。また、同時に浮かんだのは、それまでの自分は患者さんの心に“本当に”寄り添えていたかという思い──。

コメント2件コメント/レビュー

妻は2年の闘病の末、出来る治療が無くなりその後の半年は在宅ホスピスでした。
彼女も病院ではなく家に居る事を望みました。
癌が脊椎が転移した妻は体の自由が利かなくなり、私も仕事を辞めましたが訪問の看護師さん達に支えられて2人でとても充実した時間を過ごすことが出来ました。
在宅医療の制度のお陰で『人生で一番濃い時間』を過ごす事が出来ました、悲しい事ではあったけれども私にとって一番大切で忘れたくない2年半です。
在宅ホスピスの概念がなければ得られなかったであろう時間です。
支えてくれた看護師の皆さんに改めて『ありがとう』と申し上げたい。(2018/04/23 17:44)

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妻は2年の闘病の末、出来る治療が無くなりその後の半年は在宅ホスピスでした。
彼女も病院ではなく家に居る事を望みました。
癌が脊椎が転移した妻は体の自由が利かなくなり、私も仕事を辞めましたが訪問の看護師さん達に支えられて2人でとても充実した時間を過ごすことが出来ました。
在宅医療の制度のお陰で『人生で一番濃い時間』を過ごす事が出来ました、悲しい事ではあったけれども私にとって一番大切で忘れたくない2年半です。
在宅ホスピスの概念がなければ得られなかったであろう時間です。
支えてくれた看護師の皆さんに改めて『ありがとう』と申し上げたい。(2018/04/23 17:44)

自宅で家族に最期の時間を過ごせたら、逝く方も送る方も嬉しいと思います。そのようにするために是非環境整備にも力を入れてください。戸建なら問題ないでしょうけど、マンションなどの集合住宅で人が死ぬということに住民が過剰に反応します。近所付き合いが少ないから、知らない人が死んで、死体が自分の乗るエレベーターを使って運ばれることを嫌う。
誰でもいつか死ぬのに、死ぬということを忌み嫌う。これは核家族化で大家族や親戚が近くにすむ環境が稀になり、家族や親戚が老衰病気で死んでいくという経験と知識が乏しくなってきていることに拠ると思います。死ぬという当たり前のことが当たり前に受け入れられない社会というのは急速に老人化する日本ではありえない組み合わせです。(2018/04/23 07:34)

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