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経産省の中野剛志課長へ、良い知恵があります

大盤振る舞いのIT税制をうまく使う方法

2018年7月6日(金)

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拝啓 経済産業省商務情報政策局情報技術利用促進課長 中野剛志殿

 さる4月4日、The Open Groupが開いたシンポジウムOpen Summit2018の冒頭で挨拶された際、「政府の二大施策である生産性革命と人づくりについて、良い知恵があったらぜひとも教えてほしい」と仰っていました。

 中野課長は挨拶を終え、すぐに退席されましたが、その後のシンポジウムで「良い知恵」が色々と発表されたのでお伝えいたします。

 まず、挨拶で話されたことを復唱します。

  • 生産性革命にはIT(情報技術)を使うしかない。ところがIT人材が足りない。狭義のIT産業でも足りないし、一般企業でも足りない。情報技術利用促進課は生産性革命に役立つIT利用とそのための人づくりの両方を後押しする。
  • 前者についてはIoT(モノのインターネット)投資を促進する税制措置を講じる。新税制を使い、攻めのITに取り組むと共に、老朽化したレガシーシステムをなんとしても刷新してほしい。
  • 後者について文部科学省が小学校からプログラミングを教える取り組みをしているが、経産省としては高校の「IT部活」を支援していく(筆者注・IT部活とはPC部、コンピュータ部、ロボット部など)。

 以下では前者の生産性革命支援に関して筆者の考えやOpen Summit2018で語られた知恵を述べます。

15年ぶりのIT新税制は異例の大盤振る舞い

 6月6日から受付が始まった「コネクテッド・インダストリーズ税制」に関して、1月24日にも中野課長のお話を伺う機会がありました。「2018年をレガシー刷新元年にしたい」と強調され、「思い切った税制を用意した。これを使って今から3年間、勝負をかけてほしい」と仰っていました。

 レガシー(Legacy)は遺産という意味ですから過去から現在、未来へ引き継がれていく何かを指します。ただし、ITにおけるレガシーシステムは中野課長の説明によれば「老朽化・複雑化・ブラックボックス化した情報システム」のことです。

 このレガシーシステムが「IoTやAI(人工知能)など最新のデジタル技術によるデータ利活用を通じた新たなビジネスモデルの創出など攻めのIT推進の足かせ」になっていると説明されました。

 IoTやAIが最新のデジタル技術なのか、新たなビジネスモデルの創出にデジタル技術は必須なのか、など色々思うところがあるのですがそれらはさておき、企業が「老朽化・複雑化・ブラックボックス化した情報システム」を抱えており、経営や事業を変えようとすると情報システムの変更に時間がかかってしまう、というのはご指摘の通りです。

 IT関連としては15年ぶりに施行された新税制は確かに「思い切った」内容です。適用期限は2020年度末まで、企業規模に関わりなく5000万円以上のIT投資をこの間にすれば特別償却30%または税額控除3%、賃上げをすれば5%の税額控除が受けられます。大企業であっても税額控除が付く税制は極めて異例でしょう。

 適用が認められる投資は「サイバーセキュリティ対策が講じられたデータ連携・利活用により、生産性を向上させる取組」であり、企業は計画を経産省に提出し、認定を受ける必要があります。

 IoTを駆使する企業すなわちコネクテッド・インダストリーズのための税制であるわけですが、今どき、どのようなIT投資をしても、その内容は「サイバーセキュリティ対策が講じられたデータ連携・利活用により、生産性を向上させる取組」になるはずです。

 乱暴に言えば、レガシーシステムを捨てて新しい情報システムを買いさえすれば新税制の適用を受けられそうです。企業規模も内容もほとんど問われない大盤振る舞いだ、と決めつけたら言い過ぎでしょうか。企業にとって新税制を利用しない手はないでしょう。

コメント6件コメント/レビュー

中野剛志氏を名指しで批判するぐらいなら、公開討論でもしていただいものです。
TVでも視聴率稼げると思いますけどね・・・インターネット放送でもいいと思いますが。
谷島さんが日本のことを憂慮して意見を述べられているのか、そうでないのかは判断つきかねますが、真剣な議論は日本の今後のあり方を考える一助にはなると思います。
中野剛志氏が公務員ということもあり、難しいかもしれませんが(と言っても彼はTPP反対などでやらかしているので大丈夫だと思います)、是非お願いしたいところです。(2018/07/13 09:39)

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「経産省の中野剛志課長へ、良い知恵があります」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BP総研

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者。2009年1月から編集長。2015年から日経BP総研 上席研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

中野剛志氏を名指しで批判するぐらいなら、公開討論でもしていただいものです。
TVでも視聴率稼げると思いますけどね・・・インターネット放送でもいいと思いますが。
谷島さんが日本のことを憂慮して意見を述べられているのか、そうでないのかは判断つきかねますが、真剣な議論は日本の今後のあり方を考える一助にはなると思います。
中野剛志氏が公務員ということもあり、難しいかもしれませんが(と言っても彼はTPP反対などでやらかしているので大丈夫だと思います)、是非お願いしたいところです。(2018/07/13 09:39)

この内容で、賛否はともかくコメント0件ということはないのでは?(2018/07/09 21:54)

結局、一言で言うと、「データモデルを使え」と言う事しか言ってない。これは一般論であって、秘策ではない。世の中には手法は山程ある。問題はその導入のプロセス、small winをどう導くか? 成功者のシンボル化、成功モデルの役割のシンボル化、金太郎飴的な範囲の広げ方、EAに繋げる為の組織横断のEA アーキテクト、マルチプロジェクトのプログラム・マネージャー、プロジェクト・オフィス等の仕組みの立案等、考えねばならぬ事はやまほどあります。
もう少し掘り下げて欲しいと思います。(2018/07/06 16:42)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官