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中国・産児制限による計画出産政策を完全撤廃へ

40年間の人口抑制が生み出したもの

  • 北村 豊

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2018年6月1日(金)

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産児制限を撤廃しても、中国の人口急減阻止は苦戦しそうな見通しだ(写真:Imaginechina/アフロ)

 米国のニュースサイト「ブルームバーグニュース(Bloomberg News)」は、2018年5月21日夜に「中国:産児制限の終了を検討、年内にも決定へ-関係者」と題する記事を掲載した。同記事は次のように報じた。

 事情に詳しい複数の関係者が明かしたところによれば、中国政府“国務院”は「世帯当たりの子供の出生数に関するすべての制限」を撤廃する計画を協議中である。産児制限による計画出産政策はおよそ40年にわたって続けられてきた。産児制限を終了させた場合に、それが社会に及ぼす影響に関する調査はすでに委託済みで、この結果を踏まえた協議がまとまれば、2018年の年末にも決定が下される可能性もあるが、2019年にずれ込むことも有り得る。協議中の案では、人口管理を個人の選択に任せ、子供を何人持つかは個人が決定できるようになる。中国の産児制限は数多くの人権侵害が指摘され、労働力不足を招いたが、歴史的な打ち切りへと向かいそうだ。

 中国の人口抑制策の歴史について、米国ウィスコンシン州立大学の客員教授で中国人口学者の“易富賢”は、次のように述べている。

(1)1950~1970年、中国の人口増加は世界と同じペースであり、中国が全世界に占める人口比率は22%で安定していた。1971年に国務院が『計画出産の任務を立派に成し遂げる件に関する報告』を承認し、1973年には全面的な“晩・稀・少”政策<注1>へ移行した。当時の中国では「“一個太少、両個正好、三個多了(1人は少ない、2人は丁度良い、3人は多い)”」というスローガンの下で、子供2人までの出産は容認されていた。

<注1>“晩・稀・少”の「晩」は晩婚を指し、男は満25歳、女は満23歳で結婚可能を意味する。「稀」は出産間隔を最低4年空けることを意味し、「少」は子供2人を意味する。

(2)1980年に元“国家科学技術委員会”主任で、“中国工程院”院長の“宋健”が、もし1組の夫婦に子供を1人と限定する独生子女政策(一人っ子政策)を実施せず、今のままの出生水準が持続するなら、中国の人口は2050年には40億人に達するとの予測を提出した。この予測が後押ししたことによって中国は一人っ子政策の実施へ踏み切った。今ではこの宋健が提出した予測は誤りであったと考えられているが、当時はこの予測に異議を唱える者もなく、中国は1980年9月に一人っ子政策の実施を一部の地域から開始し、実施地域を順次拡大する形で、1982年頃には全国で統一的に実施されるようになった。

コメント5件コメント/レビュー

人口は国力の前提。政策的に人口をコントロールすることが如何に難しいことか顕著だ。何らかの政策を行うにしても統計的な知見をベースに長期間での視点が不可欠。何らかの現象が表面化してからの政策変更は効果が期待できないという事。それは日本においてもはっきり表れている。(2018/06/03 17:40)

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人口は国力の前提。政策的に人口をコントロールすることが如何に難しいことか顕著だ。何らかの政策を行うにしても統計的な知見をベースに長期間での視点が不可欠。何らかの現象が表面化してからの政策変更は効果が期待できないという事。それは日本においてもはっきり表れている。(2018/06/03 17:40)

労働人口の減少をはじめとする人口構成の不均衡は世代を超えて影響を及ぼす。仮に人口構成の均衡を取り戻す有効な方策が取られたとしても、少なくとも何十年も要するだろう。ただし、その他の社会問題がないという前提での話である。無謀なインフラ投資の結果生じた莫大な赤字、水、大気、土壌といった環境汚染の拡大、社会保障の未整備、外交における経済と軍事による覇権拡大によって生じた様々な軋轢などを考えると、中国には、人口問題一つとっても、その解決に投じる政治的余裕も原資もないように思える。とても不思議に思えるのは、対外的な覇権拡大や国内の治安維持には長期的で綿密な計画があるように思えるのだが、その他のことには全くもって場当たり的な対応しかとることができないのではないか。これから中国がどのようになっていくのか興味がある。
まあ、日本も少子化と移民拡大策でとんでもないことになっているのではあるが。(2018/06/01 20:20)

『2人目の出産を尻込み』の理由に良い教育にはカネがかかり過ぎることが上げられるが、他に『生む度に帝王切開する』事に抵抗もあると思う。私が中国で働いた時に同僚の女性達に聞いたら、半数以上が『帝王切開』だった。一人っ子政策下では医師も『帝王切開なら出産も楽』と勧めていたのだと思われる。『歯を食いしばって』赤ん坊を産む、という考え方は中国では古いのだろう。私の住んだ深センでは学区がきっちりしていて、有名校への『越境入学』は『不可能』と聞いた。良い学校に通わせるには、その学校のある学区内のマンションに住まねばならないが、値段が周辺よりも際立って高く、中流家庭では『手が出ない』と言っていた。親は子供には出来るだけ良い教育を受けさせて将来苦労しないで済むようにしたいのは世界共通だろうが、中国はそれが強烈。だから、田舎の農園地帯は別にしても、都会では産児制限がなくなっても基本は『一人っ子』が今後も多いと思う。(2018/06/01 17:51)

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