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米国留学中国人「自由礼賛」卒業スピーチの波紋

「中国批判」と批判され、ネットで「忠誠と謝罪」表明へ

2017年6月2日(金)

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中国外交部報道官の陸慷氏は「中国国民は態度表明に責任を負わねばならない」と語った。写真は2015年のもの。(写真:ロイター/アフロ)

 5月21日、米国メリーランド州のカレッジパーク(College Park)にあるメリーランド大学カレッジパーク校(University of Maryland, College Park)で卒業式が開催された。同校の卒業式では式の始めに教職員と学生によって選ばれた卒業生の代表がスピーチを行うことが毎年の慣例となっている。今年の卒業式が始まるとメリーランド大学学長の“Wallace D. Loh(陸道奎)”がステージに上がり、「今年、卒業生の代表として選出されたのは“Shuping Yang(楊舒平)”です」と紹介し、彼女に登壇を促した。

 楊舒平がステージに上ると、学長は彼女の肩を抱きながら、会場に向かって「ご両親はどこにおられますか。差支えなければ、お立ちください」と呼びかけた。すると、これに応じて、楊舒平の母親が立ち上がり、手にした花束を高く掲げて会場から沸き上がる拍手に答えた。学長は母親に向かって、「貴女は娘さんを誇りに思っているでしょう。私たちも同様の気持ちです」と述べた。続けて、学長は楊舒平に専攻は何だったかと尋ね、楊舒平が「心理学と演劇で、第二外国語はドイツ語です」と答えると、学長は大きくうなずき、微笑みながら、楊舒平にスピーチを始めるよう促した。そして、楊舒平は演台に立ち、はっきりした口調でスピーチを始めた。

 楊舒平が行った卒業スピーチの全文は以下の通り。

さわやかで新鮮で、すがすがしく自由な空気

【1】教職員の皆さん、学友の皆さん、父母の皆さん、友人たち、今日は。私はメリーランド大学の2017年度卒業式でスピーチできることを大変光栄に思います。人々はしょっちゅう私に「貴女はどうしてメリーランド大学へ来たの」と尋ねます。私はいつも決まって「さわやかで新鮮な空気」と答えます。5年前、中国から留学に来た時、私は5枚のマスクを準備していました。飛行機から降りて、ダラス空港ターミナルから離れる時、私はマスクを装着する準備をしつつ、米国で最初の空気を吸い込みましたが、マスクはすぐに仕舞いました。ここの空気はとってもさわやかで甘く、すごく贅沢なものに思えました。私には意外でした。私は中国のある都市で生まれ育ちましたが、小さい時から外出には常にマスクを装着していました。マスクを着けなければ、病気になります。しかし、ダラス空港でここの空気を吸ったその時、私は自由を感じたのです。

【2】私の目には霧も見えないばかりか、呼吸困難になることもなく、息苦しさも覚えなかった。毎回呼吸するたびに喜びを感じたのです。今日、私はここに立っていても、未だにあの自由の感覚を思い出さずにはいれません。メリーランド大学では、もう一つのすがすがしい空気が私を感動させてなりませんでした。それは自由という空気です。米国へ来る前、私は歴史の授業で独立宣言を学びましたが、「生命、自由、幸福の追求」といった言葉は私にとって何の意味もありませんでした。私はただただこれらの言葉を暗記して試験に臨み、好成績を収めました。メリーランド大学へ来るまでは、私にはこれらの言葉がそれほど奇怪で、抽象的で、異質なものに思えました。

コメント29件コメント/レビュー

すべての国家は、大なり小なり面子がある。もちろん日本にも面子はある。だが中国のそれと比較すると比べ物にならないくらい中国はメンツを重んじる国家ではないだろうか?国家=共産党と言えるのでしょうけれど。共産党が描いたストーリー以外はすべて否定されるところが何とも言えないメンツと感じる。この卒業生は命の危険を感じて弁解したのだろうか。不可解ではあります。(2018/06/05 14:48)

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「米国留学中国人「自由礼賛」卒業スピーチの波紋」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

すべての国家は、大なり小なり面子がある。もちろん日本にも面子はある。だが中国のそれと比較すると比べ物にならないくらい中国はメンツを重んじる国家ではないだろうか?国家=共産党と言えるのでしょうけれど。共産党が描いたストーリー以外はすべて否定されるところが何とも言えないメンツと感じる。この卒業生は命の危険を感じて弁解したのだろうか。不可解ではあります。(2018/06/05 14:48)

自由というのがいかにありがたいものか、というのを改めて思わされます。
中国の覇権を許してはならないと思いました。(2018/06/05 10:39)

留学生の卒業スピーチなんぞを取り上げたのが中国共産党の思想統制機関ではなく、同じ留学生とは。中国版「隣組」か。祖国にはこの程度の表現の自由すらないことを卒業早々に実感することになるとは、皮肉としか言いようがない。(2017/06/05 11:15)

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