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第19回党大会の「青空」はわずか1日で消えた

習近平は難敵「白色汚染」を根絶できるのか

2017年10月27日(金)

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大気汚染で霞む北京。習近平はこの「難敵」に勝てるのか(写真:ロイター/アフロ)

 中国共産党第19回全国代表大会(略称:第19回党大会)が北京市の“人民大会堂”で10月18日から24日まで開催され、全国代表2280人、特別招請代表74人の合計2354人の代表の中、病気などで欠席の16人を除く2338人が参加した。

 18日午前9時5分に司会者である国務院総理の“李克強”が大会の開幕を宣言した後に、国歌斉唱、革命の先達に対する黙祷が行われた。9時9分に李克強が「“習近平”総書記に第18期中央委員会を代表して報告をお願いします」と述べると、壇上の自身の席から演台へ歩み寄った中国共産党中央委員会総書記の習近平が『“小康社会”<注1>の全面的建設に最後の勝敗を決め、新時代の中国の特色ある社会主義の偉大な勝利を勝ち取ろう』と題する報告を行った。報告は延々3時間半に及んだが、習近平はその報告の中で中国の環境汚染に言及し、「“要防止汚染源頭,為打撃空気汚染、為争取藍天而戦闘(大気汚染に打撃を与え、青空の実現を目指して戦うために、汚染源を防止しなければならない)”」と述べて、環境汚染撲滅に向けて汚染源を根絶するべく戦う意向を示した。

<注1>“小康社会”とは「いくらかゆとりのある社会」を意味し、中国共産党は2020年までに小康社会の全面的建設を実現するとしている。

違法工場を閉鎖、串焼きも工事も停止

 北京市は“十九大藍(第19回党大会の青空)”を確保して、習近平が同報告の中で言及する環境汚染に打ち勝つ中国を演出しようとした。このため、8月から当局は新たな環境保護監察行動を展開し、北京市および周辺地域へ環境保護監察チームを派遣して違法な汚染排出などの違反行為を摘発し、数万社に上る化学工業、セメント、ゴムなどの企業を閉鎖させた。また、9月に入ると北京市および周辺地域の鉄鋼やセメントの生産工場に対する特別監察を実施し、違反企業に対して処罰を行い、従来の罰金に替えて生産停止や工場閉鎖を命じた。そればかりか、第19回党大会を前にして北京市ではレストランや露天の羊肉串焼きも営業停止を命じられたし、建設現場は工事の停止を命じられた。

 こうして迎えた第19回党大会初日の18日は小雨の後、辛うじてスモッグの少ない“十九大藍”を実現したが、翌19日は早朝から北京市のみならず、周辺の河北省北部、天津市、山西省などの各地はどんよりしたスモッグに覆われ、北京市“気象局”は“大霧橙色預警(霧の橙色警報)”<注2>を発布した。北京市中心部の“空気品質汚染指数(大気汚染指数)”は150を超えて4級の「中度汚染」を示し、“東四環(東第四環状線)”にある観測ステーションでは161を記録した。この汚染物質の主体はつとに名高いPM2.5だった。

<注2>“大霧預警(霧警報)”は12時間以内に出現する霧の種類により、黄色(可視範囲が500m~200m)、橙色(同200m~50m)、赤色(同50m以下)の3段階に分かれている。

コメント7件コメント/レビュー

人民の健康が如何に侵されようとも、プラスチック容器生産量及び廃棄処理量の増大は、結果的に共産党官僚個々人にとっての立身出世のために最重要な項目である己の任地でのGDP数値かさ上げになる。中国の現体制は究極の無責任&弱者切り捨てスタイルだと思う。この体制が存続する限り、今現在でも既に極めて深刻な中国国内での環境汚染問題は快方に向かうことなどないであろう。山河破れて党国あり。総人口14億という巨大国家だけに地球環境に与える悪影響もまた凄まじく大きい。困ったものだ。(2017/11/19 23:31)

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「第19回党大会の「青空」はわずか1日で消えた」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

人民の健康が如何に侵されようとも、プラスチック容器生産量及び廃棄処理量の増大は、結果的に共産党官僚個々人にとっての立身出世のために最重要な項目である己の任地でのGDP数値かさ上げになる。中国の現体制は究極の無責任&弱者切り捨てスタイルだと思う。この体制が存続する限り、今現在でも既に極めて深刻な中国国内での環境汚染問題は快方に向かうことなどないであろう。山河破れて党国あり。総人口14億という巨大国家だけに地球環境に与える悪影響もまた凄まじく大きい。困ったものだ。(2017/11/19 23:31)

11月10日の北京も青空でした。ドナルド効果ですね
こんな風に、気候を変えることについてのツケは大丈夫なのか。思わぬしっぺ返しを受けそうな気がします。(2017/11/11 23:17)

> 中国は2017年7月18日に世界貿易機関(WTO)に対して今年の年末から海外ごみの輸入を禁止すると通告した。

確か、欧州圏ではリチウムイオン電池は廃棄サイクルを確立しなければ販売許可が出なかったと記憶している。
その決まりに対して中国が取った手は、現地に廃棄サイクルを確立することは放棄し、廃棄電池を自国に逆輸入して処理するという荒業だった。
現在はもう解決済みなのだろうか?

電池に限らず、ゴミ処理において利潤を得ている国との認識があったが、それよりも環境問題が待った無しということか?(2017/11/10 10:28)

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