中国・無印良品のパクリが商標権侵害勝訴の謎

自国企業を優先、北京知的財産権裁判所の限界露呈

中国・上海の無印良品店舗。2017年12月撮影(写真:Imaginechina/アフロ)

 11月2日付の中国語メディアは、“山寨「無印良品」挑戦正版貨獲判勝訴”という表題の記事を配信した。これを日本語に訳すと、「パクリの無印良品が本家の製品に挑戦して勝訴を勝ち取った」となる。「悪貨は良貨を駆逐する」ということわざがあるが、「パクリ商品が本物商品を相手に商標権侵害を訴えた裁判で勝訴を勝ち取った」となれば、このことわざは正しかったことになる。それが中国の裁判で下された判決であることを知ると、「ああ、やっぱり中国の裁判なのか」と何故か納得するから困ったものである。

 西友の子会社「良品計画」が運営する「無印良品」ブランドは、2005年5月に中国へ進出して“無印良品(上海)商業有限公司”(以下「MUJI上海」)を設立、2005年7月に上海市南京西路に「無印良品」1号店を開設したのを皮切りに、2018年10月末までに中国国内で235店舗を運営している。

 親会社の良品計画は中国進出を果たす6年前の1999年に中国政府“国家工商行政管理総局商標局”(略称:“中国商標局”)に「無印良品」の商標登録を申請したが、その申請範囲は商標・国際分類の第1~45類に属する商品とサービスについてはほぼ全てを網羅したが、残念ながら第24類<主としてベッドカバーやタオルなどを含む>についてはカーテンなどの一部分に限定せざるを得なかった。

 それというのも、1990年代に“海南南華実業貿易公司”という会社が植物染めのタオルの生産を開始し、「“無印染(プリント無し)”」から優良品質の概念を追求し、当時アジアで流行していた「無印良品」という題名の中国語歌曲にちなんで当該タオルを「無印良品」と名付けた。そして南華実業は「無印良品」を商標・国際分類の第24類でタオルや寝具類などをカバーする形で商標登録したのだった。従って、南華実業は第24類に関する限り、良品計画よりも早く「無印良品」の商標登録を行っていたのだった。南華実業が持つ「無印良品」という商標は、2004年8月に“北京棉田紡織品有限公司”へ譲渡されたが、その有効期限は2021年までとなっていた。

 北京棉田紡織品有限公司が2011年6月に北京で設立したのが“北京無印良品投資有限公司”(以下「北京無印良品」)であった。公開された資料によれば、同公司の登録資本金は1260万元(約2億790万円)、経営範囲は、投資管理、投資コンサルティング、技術普及サービス、貨物輸出入、代理輸出入、技術輸入、紡織品・工芸品・服装・日用品の販売であった。株主は北京棉田紡織品有限公司(出資額:660万元=約1億890万円)、“馬濤”(300万元=約4950万円)、“徐靖”(300万元=約4950万円)であった。

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著者プロフィール

北村 豊

北村 豊

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

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いただいたコメントコメント9件

独裁者を排除するのは人類共通の認識です。。。(2018/11/12 17:48)

中国はまさに異世界です。(2018/11/11 15:55)

残念ながら、裁判の結果そのものは正当です。
日本で同じ状況で裁判を行っても、同じ結果になるものと思います。

「ゆうメール」事件など調べると良いのではないでしょうか?

商標権の問題ではなく、不正競争防止法の範疇になるものと思います。(2018/11/09 14:49)

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