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驚くほど刑罰が軽かった天津爆発事故の一審判決

死者・行方不明者173人、経済損失1078億円も高級官僚は安泰

2016年11月18日(金)

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 2015年8月12日の夜10時52分頃、天津市“濱海新区”にある天津港の“天津東彊保税区”内に所在する“瑞海国際物流有限公司”(以下「瑞海公司」)の危険品倉庫で発生した大規模な火災爆発事故は「天津爆発事故」<注1>として世界中に報じられた。

<注1>天津爆発事故の詳細については、2015年8月28日付の本リポート「人災だった天津爆発事故」参照。

「特別重大事故」だが…

 事故発生直後の8月13日に組織された中国政府“国務院”の「天津港8月12日瑞海公司危険物倉庫特別重大火災爆発事故調査チーム」は、2016年2月に発表した調査報告書で天津爆発事故を“特別重大生産安全責任事故”<注2>と認定した。同報告書の要点は以下の通り。

<注2>“生産安全責任事故”とは「生産経営企業が生産経営活動中に発生させた人の死傷あるいは経済損失を引き起こした事故」を意味する。なお、“特別重大事故”は最大級の事故を指し、死者30人以上、あるは重傷者100人以上、あるいは経済損失1億元(約15.7億円)以上の事故を意味する。

【1】死者165人(内訳:救援に駆けつけた天津市消防局消防隊員24人、天津港消防支隊隊員75人、公安警察官11人、瑞海公司従業員および周辺企業従業員と住民55人)、行方不明8人(内訳:天津市消防局消防隊員5人、周辺企業従業員および天津港消防支隊隊員の家族3人)、負傷者798人(重傷者58人、軽傷者740人)。損失を受けた物:建物304棟、販売用自動車1万2428台、コンテナ7533個。2015年12月10日までに『企業従業員死傷事故経済損失統計標準』などの標準や規定に基づいて統計し、確定した直接経済損失額は68.66億元(約1078億円)である。

【2】各方面の努力を経て、2015年9月13日までに救援や現場処置などの任務を完成させ、危険化学品1176トン、販売用自動車7641台、コンテナ1万3834個、貨物1万4000トンを搬出し、798人の負傷者に適切な治療を行った。

【3】事故の直接原因は、瑞海公司が運営する危険物倉庫の荷降ろし場南側に置かれたコンテナ内の“硝化棉(ニトロセルロース)”が、湿潤剤の消失によって局部的に乾燥し、高温(天気)などの要因で分解・放熱を加速し、蓄積された熱で自然発火した。この火が周辺のコンテナ内のニトロセルロースやその他の危険化学品の燃焼を引き起こし、荷降ろし場に堆積されていた“硝酸銨(硝酸アンモニウム)”などの危険化学品の爆発を誘発した。

コメント3件コメント/レビュー

こんな理不尽な体制下で中国の一般庶民はよくも耐えていると思う。庶民ならばもっと軽い罪でも死刑判決が下る国、それが中華人民共和国だ。三権分立制を徹底否定する現在の中国共産党専制体制が続く限りにおいて、人権や腐敗、環境汚染など今の中国が抱える様々な問題は根本的に解決し得ない。昨今の中国では昨年9月に開催された天安門での大軍事パレードや各種メディア記事上での「長征5号打ち上げ成功!」「我が国の高速鉄道網は世界一!」といった国威発揚を主目的とする類の案件や記事が増えているがこの現象は何だかかつてのソ連を想起させる。宇宙開発を含む軍事力の強大さを追い求めるのは各国の独裁権力者にとっての共通の趣向なのかもしれない。しかしそれで自国の総合国力が増強したのか否かは全く以って不明だ。共産ソ連崩壊という前例があるにも関わらず、そこから核心点を汲み取ろうとせずに既得権益維持に走る。中国が今後ソ連の轍を踏む可能性は大いにあると診る。(2016/11/24 20:41)

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「驚くほど刑罰が軽かった天津爆発事故の一審判決」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

こんな理不尽な体制下で中国の一般庶民はよくも耐えていると思う。庶民ならばもっと軽い罪でも死刑判決が下る国、それが中華人民共和国だ。三権分立制を徹底否定する現在の中国共産党専制体制が続く限りにおいて、人権や腐敗、環境汚染など今の中国が抱える様々な問題は根本的に解決し得ない。昨今の中国では昨年9月に開催された天安門での大軍事パレードや各種メディア記事上での「長征5号打ち上げ成功!」「我が国の高速鉄道網は世界一!」といった国威発揚を主目的とする類の案件や記事が増えているがこの現象は何だかかつてのソ連を想起させる。宇宙開発を含む軍事力の強大さを追い求めるのは各国の独裁権力者にとっての共通の趣向なのかもしれない。しかしそれで自国の総合国力が増強したのか否かは全く以って不明だ。共産ソ連崩壊という前例があるにも関わらず、そこから核心点を汲み取ろうとせずに既得権益維持に走る。中国が今後ソ連の轍を踏む可能性は大いにあると診る。(2016/11/24 20:41)

どうぞ、どんどんやってください、所詮国盗物語の中国番だから。(2016/11/21 21:16)

呆れるほど酷い話ばかりで、うんざりしますね。庶民は反抗する気概も奪われており、もう諦めてしまっているのかもしれません。この悪辣な政治体制を世界の為にも容認すべきではないし、陰日向で反抗への火を消さない様に応援したい。(2016/11/18 12:29)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官