• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

米資本主義を壊した“投資の神様”バフェット氏

競争と投資を回避するその投資手法が米経済の活力を削いでいる

  • FINANCIAL TIMES

バックナンバー

[1/4ページ]

2017年9月20日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

(画像:James Ferguson/Financial Times)

 世界最強の米投資家として知られるウォーレン・バフェット氏は、私にとって昔から憧れの的だった。同氏の功績はずば抜けている。市場という容赦なき相手に対し、来る年も来る年も勝ち続け、英知と魅力的な人柄だけで何もないところから750億ドル(約8兆3000億円)の資産を築き上げた男だ。

 その謙虚さや倫理観、故郷である米ネブラスカ州オマハへの静かな愛着には美徳が感じられた。フットボール選手、政治家、思想家など、誰が比べものになるだろうか――。

 現在87歳のバフェット氏は、米国のビジネス界と金融界に極めて大きな影響を及ぼしている。企業にストックオプションの費用計上を促し、デリバティブ(金融派生商品)の危険性を警告し、一般投資家に投資コストがあまりかからないインデックスファンドへの長期投資を推奨するなど、そのほとんどがポジティブなものだ。

負の面とは、競争を避けて設備投資を抑える投資戦略

 だが、同氏がどれだけ尊敬に値する人物だとしても、その影響力には負の側面もある。なぜなら、山ほどの投資本で称賛される「バフェット流」の投資手法は、競争を避け、実体経済での設備投資を最小限に抑える戦略が根幹にあるためだ。

  まさにこうした競争の減少、利益の拡大、投資額の減少が米国にもたらす影響に焦点を当てた研究論文が、最近、相次いで発表されている。

 米プリンストン大学の経済学者ヤン・デロッカー氏とスペインのバルセロナGSE-ICREA-UPF大学と英University College Londonの経済学教授を務めるヤン・エークハウト氏は、企業の利益率に直結する「マークアップ率(注*1)」が1980年の18%から2014年には67%に達していたとの調査結果を明らかにした。

注*1 2人は1950~2014年のすべての公開企業のデータを分析し、売上高が労務費や材料費などの変動費をどれほど上回ったかを調べ、その差を「マークアップ(限界費用に対する上乗せ率)」と名付けた。

コメント5件コメント/レビュー

確かにコスト削減競争に徹すると、改善活動と名を変えたコスト削減競争となり、コスト削減=利益は、下請けを疲弊させ、結局、国の産業を毀損する事になるのだろうと思う。今の日本のようなデフレから脱却できない状況になる。
とはいえ、一方で、競争のためといいながら、EUのたかりのような独禁法違反課金は悲しいけどね。(2017/09/21 17:16)

オススメ情報

「FINANCIAL TIMES」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

確かにコスト削減競争に徹すると、改善活動と名を変えたコスト削減競争となり、コスト削減=利益は、下請けを疲弊させ、結局、国の産業を毀損する事になるのだろうと思う。今の日本のようなデフレから脱却できない状況になる。
とはいえ、一方で、競争のためといいながら、EUのたかりのような独禁法違反課金は悲しいけどね。(2017/09/21 17:16)

バフェット氏が言っていることは別に世間から競争をなくすということではなく、逆張りの戦略、もっと言えばモチベーションの非対称性を利用しろということではないでしょうか。競争はなくならないと思います。仮にそう見えるのであれば、それは寡占化が進んでいる状況では中級企業がいなくなり、勝てるとすればモチベーションの非対称性をフルに活用し、破壊的イノベーションで新規市場をスタートアップが作り、そして寡占化していくからではないでしょうか。ゼロサムと言えばそうですが、それが間違っているとは思えません。(2017/09/20 20:33)

「堀」は競争優位を生み出すものであって、当然設備投資も含まれる。
経営の効率性という意味で設備投資は小さくても構わないが、決して設備投資をしないという意味ではない。
「現金を吸い上げて、最後に値引き」するだけなら、「堀」は無くなってしまう。

バフェットの発言や投資対象の一部だけを取り出して、もともとから存在するハゲタカ風投資家と一緒にするのはおかしい。
バフェットの投資戦略の最も重要なところの一つは「長期保有」であり、設備投資を含む投資全般をさせない経営で、企業が長期にわたって利益を出し続けることは難しいからである。

バフェットが基本的に設備投資をしない企業は、企業ブランドに対して利益率やリターンが小さすぎるところであり、その企業で値上げをすることで、今まで通りのコスト構造で大きなリターンが得られることの証明である。

ブランドを毀損するまで値上げをするときは、その企業の存在価値がなくなってきているか、駆逐するくらいの競合がすでに生まれているときだろう。
その企業に存在する価値があるなら、当然競合に負けないように投資をするはず。(2017/09/20 18:34)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

外交において個人プレーで短期的な成果を手にしようというのは交渉相手の術中にはまり、うまくいかないものです。

齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官